抽選販売が再開されたGRカローラ&GRヤリスvsシビック タイプR 今をときめく高性能ハッチバックを比較してみた

GRカローラ GRヤリス シビック タイプR
上からシビック タイプR、GRカローラ、GRヤリス
8月23日、TOYOTA GAZOO Racingが展開するGRカローラの抽選販売の申し込み受け付けが始まった。ハイパフォーマンスカー好きにとっては喜ばしいニュースが届いたこのタイミングで、GRカローラとライバルとなりそうな“ホットハッチ”をいま一度比較してみよう。

ハイブリッドシステムを持たない純ガソリンエンジンのスポーツモデルは、なかなかその未来を見通すのが難しいというのが今日の状況だ。
しかし2023年現在、意外にもその市場は賑わっていると言える。トヨタはGRスープラなどといった『GR』の名を持つクルマを展開しているし、ニッサンはフェアレディZ、ホンダはシビック タイプRをラインナップ。とりわけスポーツハッチバックは、2023年のホットゾーンだろう。
今回比較するのは8月23日に抽選販売の申込受付を再開したGRカローラと、同車と多くの部分を共有するGRヤリス、そしてFF最速を誇るシビック タイプRだ。
なお、以下の文章では、GRヤリスはRZを基準とする。

GRカローラ

550台限定!進化したGRカローラの抽選販売が再開 新色『シアンメタリック』も50台限定で新設定

GRカローラの抽選販売の受け付けが再開された。今回の応募受付は9月11日朝までで、550台限定となる予定。昨年12月にデビューしたばかりのGRカローラだが、モータースポーツの現場で培われた知見に基づく、“地味だけど効く”改良を受けている。

ボディサイズ比較

ボディサイズ的にはほとんど棲み分けができていると言えそうだ。
GRヤリスは全長3995mmとコンパクトカークラスに収まっている。GRカローラは4410mmでCセグメント、シビック タイプRは4595mmとDセグメントに分類してもいい大きさだ。

車幅に関しては、全車ハイパフォーマンスモデルということで、ベースモデルから拡大されている。
一番小さなGRヤリスでも、全幅はベースから110mm拡大された1805mm。GRカローラはベース比で60mm増の1850mm、シビック タイプRは同90mm増の1890mmとなっている。
最小回転半径は、最小のGRヤリスが5.3mに対して、シビック タイプRが5.9mと差がついており、日常での使い勝手に違いが出てくる部分となるだろう。

室内長については、一番大柄なシビックが当然一番長い。しかし、GRカローラは室内長1790mmで、これはGRヤリスの1880mmよりも短い。
なお、乗車定員はシビック タイプRとGRヤリスが4名、GRカローラだけが5名となっている。

シビック タイプRGRカローラ RZGRヤリス RZ
全長 / 全幅 / 全高4595mm / 1890mm / 1405mm4410mm / 1850mm / 1480mm3995mm / 1805mm / 1455mm
ホイールベース2735mm2640mm2560mm
トレッド 前 / 後1625mm / 1615mm1590mm / 1620mm1535mm / 1565mm
最低地上高125mm120mm130mm
客室内寸法 長さ / 幅 / 高さ1915m / 1545m / 1145m1790mm / 1510mm / 1155mm1880mm / 1430mm / 1175mm
乗車定員4名5名4名
車両重量1430kg1470kg1280kg
最小回転半径5.9m5.5m5.3m

パワートレイン比較

全車ともターボ加給されたエンジンを採用している。
GRヤリスとGRカローラはパワートレインを共有している関係にあり、両車ともエンジンは1.6L直列3気筒ターボのG16E-GTS、駆動系は6速のiMTとスポーツ4WDシステム『GR-FOUR』を搭載している。
だが、GRカローラではエンジンが最高出力304PS(GRヤリスから32PSアップ)されているほか、GR-FOURも最適化されている。
ドライブモードは3種類あり、駆動力配分が前後60対40配分の「ノーマル」、前後30対70の「スポーツ」、前後50対50の「トラック」が選択できる。

一方のシビック タイプRはひと回り大きい2L直列4気筒ターボの名機K20Cを採用。このエンジンは先代から引き継いでいるが、パワースペックは先代の320ps/400Nmからパワーアップされ、330ps/420Nmを発揮する。
GRカローラ、GRヤリスを上回るエンジンパワーは前輪で受け止める。

K20C

ちなみに、パワーウェイトレシオで比較すると、シビック タイプRが4.3kg/PS、GRカローラが4.8kg/PS、GRヤリスが4.7kg/PSと、シビック タイプRが頭ひとつリードする構図となっている。
燃費性能はシビック タイプRとGRカローラがほぼ互角。軽量なGRヤリスが一番優秀でWLTCモードで13.6km/Lをマークしている。

シビック タイプRGRカローラ RZGRヤリス RZ
エンジン型式K20CG16E-GTSG16E-GTS
エンジン種類直列4気筒ターボ直列3気筒ターボ直列3気筒ターボ
エンジン内径×行程86.0mm×85.9mm87.5mm×89.7mm87.5mm×89.7mm
エンジン排気量1995cc1618cc1618cc
最高出力243kW(330PS) / 6500rpm224kW(304PS) / 6500rpm200kW(272PS) / 6500rpm
最大トルク420N・m(42.8kgf・m) / 2600-4000rpm370N・m(37.7kgf ・m)/ 3000-5550rpm370N・m(37.7kgf ・m)/ 3000-4600rpm
使用燃料無鉛プレミアムガソリン無鉛プレミアムガソリン無鉛プレミアムガソリン
燃料タンク容量47L50L50L
燃料消費率(WLTCモード)12.5km/L12.4km/L13.6km/L
トランスミッション6速マニュアルiMT(6速マニュアル)iMT(6速マニュアル)
駆動方式FF4輪駆動4輪駆動方式

足回りはそれぞれに差異が出ている部分だ。
サスペンション形式は別表に詳しいが、シビック タイプRが唯一リヤサスペンションにマルチリンク式を採用している。
また、タイヤサイズはシビック タイプRが265/30 R19と、一番大きい。GRカローラとGRヤリスはそれぞれ235/40 R18、225/40 R18だ。

シビック タイプRGRカローラ RZGRヤリス RZ
サスペンション 前 / 後マクファーソンストラット / マルチリンクマクファーソンストラット / ダブルウィッシュボーンストラット / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前 / 後ベンチレーテッドディスク / ディスクベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスクベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ265/30 R19235/40 R18225/40 R18

いま確実にほしいならGRヤリス一択

車両本体価格としては、3車とも同価格帯に属している。
シビック タイプRは499万7300円からという設定になっているが、新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などの影響により、本稿執筆現時点では残念ながら一時的に注文の受付が中止されている。
価格はGRヤリスはRZが396万円から、前後トルセンLSDがついたRZ”High performance”は456万円からと、一番手が出しやすい設定になっている。また、3車のなかで唯一、一般販売がされているモデルでもある。
GRカローラは525万円から。8月23日に抽選販売の受け付けが再開されている。550台限定の予定だが、半導体不足が緩和傾向にあるため、販売台数が増加される可能性もあるようだ。 シビック タイプR 税込499万7300円から GRカローラ RZ 税込525万円から GRヤリス RZ 税込396万円から GRヤリス RZ”High performance” 税込456万円から

車両本体価格
シビック タイプR税込499万7300円
GRカローラ RZ税込525万円
GRヤリス RZ税込396万円
GRヤリス RZ"High performance"税込456万円

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