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2023年9月の第三土曜日に、それまでの『トミカ』の『No.52 マツダ CX-5 河川パトロールカー』に代わって登場したのが『No.52 トヨタ GR カローラ』です。
カローラは1966年の発売以来、⻑年トヨタを⽀えてきたクルマです。基本はファミリーカーですが、当初から“乗る楽しさ=スポーティ性”をも追求しており、トヨタのモータースポーツ黎明期からモータースポーツ車両としても活躍しています。
1973年にアメリカで開催されたプレス・オン・リガードレス・ラリーでWRC(世界ラリー選手権)初優勝を飾ったTE25型カローラや、その後、1975年にフィンランドで開催された有名な1000湖ラリーを制したTE27型カローラレビンなどの活躍により、その⾛りは多くのユーザーに愛されるようになりました。また日本ではAE86型カローラレビンが峠の走り屋たちに愛されたことでも有名です。
カローラはまた、時代の変化に合わせてワゴンやSUVなどへ進化を遂げることで、様々なライフステージにおいて愛されるクルマとなりましたが、その基本的な精神である“乗る楽しさ=スポーティ性”を取り戻そうということで開発されたのが、GRカローラです。
GRカローラはトヨタのスポーツブランドである『GR』を展開する『GAZOO Racing カンパニー』が、12代目カローラ(E21系)のハッチバック・モデルであるカローラスポーツをベースとして開発した車両です。開発にあたっては、たとえば開発中の車両に⽔素エンジンを搭載、スーパー耐久シリーズ・レースに出場して新技術である⽔素エンジンを鍛えるとともに、⾞両を総合的に鍛え直すなど、レースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」が実践されています。
また、「ユーザーを魅了する野性味」も追求され、これを実現するために、トヨタの社長(当時)である豊田章男氏が自らマスタードライバーをつとめられ、プロドライバー、社内の評価ドライバー、エンジニア、メカニックが⼀丸となって、様々な道で⾛り込みを実施。徹底的に不具合を出し尽くし、改善を重ねることで、「ドライバーと対話のできるクルマ」、「ずっと⾛らせていたくなるスポーツカー」へと仕上げられています。
GRカローラにはGRヤリスにも搭載された1.6ℓ直列3気筒インタークーラーターボエンジンが更に強化されて搭載され、最高出力224kW(304PS)を達成。同じくGRヤリスに搭載されたスポーツ4WDシステム“GR-FOUR”をGRカローラ仕様に最適化して搭載するなど、限界領域でも安心・安全にコントロールできるクルマへと仕上げられています。
また、カローラスポーツのボディを基本骨格とすることで、ロングホイールベースが生み出す高速安定性を受け継ぎながら、フロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化することによって高い旋回性能を実現。意のままのスポーツ走行を安心して楽しむことができるようになっています。加えて、5ドア・5人乗りの利便性をそのままにすることで、日常生活での使い勝手と走る楽しさを高次元で両立しています。
2023年8月にはスーパー耐久シリーズをはじめとした様々なモータースポーツ現場での学びを⽣かした改善を実施した一部改良が施され、意のままの⾛りを更に進化させるため、運転操作に対するダイレクト感とスタビリティが向上されています。
さて、GRカローラには、この基本形のほかにGRカローラ モリゾウエディションという特別仕様があります。これは「ユーザーを魅了する野性味」を追求したもので、徹底した軽量化、エンジンのトルクアップ、トランスミッションのギヤ⽐最適化による動⼒性能向上、モノチューブアブソーバー、ハイパフォーマンスタイヤの採⽤によるコーナリング性能の向上により「気持ちが昂り、ずっと⾛らせていたくなる」⾛りの味が実現された仕様です。
GRカローラ モリゾウエディションはGRカローラに対し、リヤシートを撤去して乗⾞定員を2名としたことで約30kgの軽量化を実現したほか、エンジンの最⼤トルクを370Nmから400Nmへ向上させ、中回転域のトルクを⾼めることで加速性能を向上。構造⽤接着剤を3.3m追加で塗布し、ボディ補強ブレースを追加することでボディ剛性をさらに強化、ディファレンシャルギヤのローギヤード化と1〜3速のクロスギヤレシオ化により、動⼒性能の向上と気持ちのよいギヤのつながりを実現、10mm拡幅したハイグリップタイヤを採⽤することにより、コーナリング時の安定性、ブレーキ性能を向上させています。
また、インテリアでは⾛⾏性能向上によってドライバーに多くのGがかかる中でも、正確なドライビングをサポートする、しっかりと体をホールドする専⽤セミバケットシートの採⽤に加え、ドアトリムオーナメントやインストルメントパネルなどへ鋳物ブラック塗装を施し、ステアリングやコンソールにはウルトラスエード表⽪を採⽤、スポーティな室内空間に上質さを加えています。さらに外板⾊にはマットスティールを専⽤設定、GRカローラ モリゾウエディションならではのこだわりの証として、ウィンドシールドガラスにモリゾウサインが施されています。
『トミカ』の『No.52 トヨタ GR カローラ』は、このGRカローラの魅力を余すところなく再現しています。モデル化されたのは当然ながら日本市場販売仕様のRZですが、初回販売のみの特別仕様では、専用色のマットスティール塗装やフロントガラス端のモリゾウサイン、リヤシート部品の撤去などにより、GRカローラ モリゾウエディションが再現されているのは特筆すべきでしょう。初回特別仕様はボディ色の塗り替えに留まるものが多いのですが、ここまで手が入れられた特別仕様の登場は久々でしょう。こだわり抜かれたGRカローラは実車では抽選販売ですが、『トミカ』なら気軽に購入できます。ぜひコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?
■トヨタ GRカローラRZ主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4410×1850×1480(アンテナ含む。ルーフ高1455)
ホイールベース(mm):2640
トレッド(前/後・mm) :1590/1620
車両重量(kg):1470
エンジン形式: G16E-GTS型 直列3気筒インタークーラーターボ
排気量(cc):1618
最高出力:224kW(304ps)/6500rpm
最大トルク:370Nm(37.7kgm)/3000-5550rpm
トランスミッション:iMT(6速MT)
サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン/
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:(前後) 235/40R18
■毎月第3土曜日はトミカの日!
毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2023年9月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.52 マツダ CX-5 河川パトロールカー』に代わって『No.52 トヨタ GR カローラ』が登場します。なお、『No.52 トヨタ GR カローラ』には、初回出荷のみの特別仕様もあります。また、それまでの『No.89 ランボルギーニ シアン FKP 37』に代わって『No.89 山岳救助車』が登場します。