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スバルのアルシオーネってどんなクルマ?
「アルシオーネ」というクルマをご存知だろうか。 株式会社SUBARU(スバル)の社名の由来にもなっている「すばる」は、牡牛座のプレアデス星団の和名である「昴」から命名されている。このプレアデス星団の中で最も明るい星「Alcyone」(日本名ではアルキオネ)から命名されたのが、1985年にスバル(当時の社名は富士重工業株式会社)初のスペシャルティカーとして誕生した「アルシオーネ」だ。現在のスバルのエンブレムに描かれている6つの星の中で、左上に大きく描かれているのがこのアルキオネで、スバルを代表するフラグシップとなるべく想いが込められている。
1985年1月に開催されたデトロイト・モーターショーで「XT」として発表され、三代目レオーネをベースとしたパーソナルクーペとして、同年2月に発売された。6月には日本でも「アルシオーネ」の名前で発売されている。
プラットフォームはレオーネとほぼ共通で、エンジンはEA82型1.8L水平対向4気筒SOHCターボを搭載。フロントガラス、リヤガラスともに28度の傾斜角とするなど、フロントからリヤに向けて傾斜したシャープなウエッジシェイプフォルムや、国産車として初めてCd値(空気抵抗係数)が0.3を下回る0.29(FFモデル)を記録するなど話題を集めたものの、初年度の国内登録台数は3315台と不調であった。
1987年にはER27型2.7L水平対向6気筒SOHCエンジン搭載モデルを追加したり、前期型ではパートタイムだった4WDをフルタイム化するほか、外観もブラッシュアップした後期型にマイナーチェンジするものの人気の回復には至らず、1991年にアルシオーネ・SVXにモデルチェンジする形で販売を終了している。
国内登録台数は200台超? そのうちの3台を所有するマニアックオーナー
この独特なフォルムを持つアルシオーネにはいまだファンが多く、日本国内でもまだ200台以上が登録されているというが、1986年式の1800VRに乗る鳴海さんもその一人。このスタイルに惚れ込んで、現在では3台も所有しているという変態、いや失礼、マニアだ。
比較的よく見かける(と言っても8000台しか国内販売されていない希少車だが)ホワイトではなく、数の少ないミディアム・グレーメタリックだったことから1年前に購入。不調だったエアサスをTEINの車高調に交換して、なんと普段の足にも使用しているのだとか。
基本的には三代目のレオーネと共用パーツが多いので、消耗部品は問題なく手に入るという。とはいえ、三代目レオーネも生産終了から20年以上が経過しているし、内外装のパーツは専用品が多いので、このクルマを普段の足に使っているのはなかなかのツワモノだろう。
■主要諸元 全長×全幅×全高:4450mm×1690mm×1335mm ホイールベース:2465mm 車両重量:1180kg エンジン形式:EA82T エンジン種類:水冷水平対向4気筒SOHCターボ 総排気量:1781cc 最高出力(ネット):120ps/5200rpm 最大トルク(ネット):18.2kgm/2400rpm 当時の新車価格:213.3万円
EJ20エンジン搭載アルシオーネ計画進行中!
他に所有している2台のアルシオーネは、シルバーの個体はノーマルの状態を維持しながら乗っているが、もう一台はWRブルーへ塗装してラリーカー風にドレスアップされている。しかもインプレッサWRX(GC8)を手に入れ、このエンジンや足回りをごっそり移植するという計画なのだとか。すでに計画は進行中なので、まもなくモンスターのアルシオーネが誕生することになるわけだ。
アルシオーネやオーナーの鳴海さんに興味が湧いた読者は、X(旧Twitter)で鳴海さんが情報発信しているので、覗いてみてはいかがだろうか?