セールス好調! ブルーオーシャンだった国産プレミアムコンパクトで成功できたのはなぜ!?【日産ノート オーラ 試乗・その1】

Motor-Fan.jp編集部員の長野とライター小林が、ふたり一緒に話題の新型車に試乗。走りながら、あーでもないこーでもないとだらだら語り合う「異駆動音(いくどうおん)」な対談形式インプレッションを3回にわけてお送りします。今回試乗したのは、日産のプレミアムコンパクトカー、ノートオーラ。ふたりの駄話をゆる〜くお楽しみいただければ幸いです。

TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)

発売3週間で受注1万台突破。人気の秘密は巧みな「上質」の演出にあり!?

日産ノート オーラ
2021年6月に発表、8月に発売が始まった日産ノート オーラ。発売から3週間の9月時点で1万151台の受注を集めたという。

長野「発売3週間で受注1万台オーバーだそうです、日産ノートオーラ」

小林「絶好調ですな」

長野「ノートの評判も宣伝効果を上げてる気がします」

小林「液晶ディスプレイを2枚並べたいいもの感はインパクトありますよね。第2世代のe-POWERもいい。静かでパワフル。しかもノートオーラはモーターの最高出力がノートより18%アップの100kW。さらに余裕!」

日産ノート オーラ
ノートでは5インチのセグメントと7インチの液晶ディスプレイの組み合わせだったメーターは、ノート オーラでは12.3インチの液晶ディスプレイに変更。

長野「キャッチコピーは『上質をまとったコンパクト』。CMもカタログも、とにかく『上質』推しです」

小林「ノートと同時進行で開発されていたそうなので、ノートとの差別化ポイントがそのまま『上質』って表現に集約された感ありますよね。なにが上質かと言ったら、ファブリックと合皮を縫い合わせたトリムとか、オープンポアの木目調パネルとか。あと、オプションですけどBOSEのパーソナルプラスサウンドシステム」

日産ノート オーラ
ファブリックと合皮、木目調加飾を組み合わせたインパネアッパー。コンパクトカーとは思えない上質さが確かに感じられる。
日産ノート オーラ
BOSEパーソナルプラスサウンドシステムを装着すると、ヘッドレストスピーカー、ワイドレンジドアスピーカー、ツイーターの8スピーカーが広がり感のあるサウンドを演出してくれる。

長野「BOSEはタッチパネルで音の広がり感を調節できるんですよね(※パーソナルスペースコントロール機能)。これ個人的に好きです」

日産ノート オーラ
パーソナルスペースコントロール機能を利用すると、音が前方から聞こえてきたり、サラウンドで聞こえてきたりと好みの感覚に設定を変更できる。

小林「さすが違いのわかる男」

長野「僕の耳が敏感というよりは、ノートオーラの車内が静かという説もありますが…。じっさいノートオーラはノート以上にボディの遮音対策が充実してます。フロントドアガラスが遮音ガラスになったり、ルーフやリヤドアにシンサレート製の吸音材が追加されてたり」

小林「乗ってすぐ、ああ静かだなあと感じるかどうかって、これまで高級車に乗ってきたダウンサイザーには重要なポイントでしょうからね。そこは手を抜けません。ちょっと前にノートのオーナーさんを取材したんですけど、ドアを閉めるときの音にも高級感を感じるって言ってました。消費者って意外とそういう目に見えない部分に質感を感じ取るもんです」

空白地帯だった国産プレミアムコンパクトというカテゴリーに

長野「目に見える部分で言うと、デザインはどうですか?」

小林「ノートよりアリアに似てますよね。LEDで光るVモーショングリルもアリア譲りですけど、『上質』を表現する手法として巧いなと感じました。もともとアリアと同じデザインテーマを共有しているそうなので、似てるのは当たり前なんですけど」

日産ノート オーラ
ノートより片側20mmワイドなフェンダーの採用により、落ち着いたたたずまいを見せるノート オーラ。ヘッドライト下のライトはポジションランプ、アクセントランプ、シーケンシャルウインカーの3つの機能を兼ね備える。

長野「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」

小林「え、なんすか?」

長野「日産の新しいデザインテーマです。タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム。Perfumeの新曲みたいでしょ?」

小林「ちょっとなに言ってるかわかりませんけど。それはいいとして、ノートが出たときに、先代より室内が狭くなることも厭わずボディを小さくして、スタイリッシュな見た目を優先したことに、ずいぶん潔いなあと思ったんですよね。ルノーとプラットフォームを共有するから、なんらかの縛りがあったのかと勝手に想像してたんですけど、後からノート オーラが出てきて、そっちもあったのねと納得しました」

長野「ノート オーラはノートより全幅が40mm拡大して3ナンバーですね」

小林「それでも最小回転半径は5.2mだから小回りはききます。全高も1525mmに収まってるから機械式立体駐車場も問題なし。日本の道路事情に合った国産の上質コンパクトっていう、買い替え需要の空白地帯を埋めたところがヒットの要因なんじゃないでしょうか」

日産ノート オーラ
ノート オーラのスリーサイズは全長×全幅×全高:4045×1735×1525mm。街中でも気兼ねなく扱えるサイズで、ヤリスやフィットと同じ、いわゆるBセグメントと呼ばれるカテゴリーに属する。

その2へ続きます…。

日産ノート オーラ

これならこの値段も納得できる。見た目だけではなく走りにもプレミアム感は確かにあった【日産ノート オーラ 試乗・その2】

Motor-Fan.jp編集部員の長野とライター小林が、ふたり一緒に話題の新型車に試乗。走りながら、あーでもないこーでもないとだらだら語り合う「異駆動音(いくどうおん)」な対談形式インプレッションを3回にわけてお送り中。今回は日産ノート オーラの走りについて、だらだらトークを展開。約261万円〜296万円と国産コンパクトカーの中では高価格帯に位置するノート オーラですが、果たしてその値段分の走りの価値は感じられたのでしょうか。 TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)

日産ノート オーラ G FOUR leather edition・主要諸元

■ボディサイズ
全長×全幅×全高:4045×1735×1525mm
ホイールベース:2580mm
車両重量:1370kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.2m
燃料タンク容量:36L(無鉛レギュラー)

■エンジン
型式:HR12DE
形式:水冷直列3気筒DOHC
排気量:1198cc
ボア×ストローク:78.0×83.6mm
圧縮比:12.0
最高出力:60kW(82ps)/6000rpm
最大トルク:103Nm/4800rpm
燃料供給方式:ニッサンEGI(ECCS)電子制御燃料噴射装置

■フロントモーター
型式:EM47
形式:交流同期電動機
最高出力:100kW(136ps)/3183-8500rpm
最大トルク:300Nm/0-3183rpm

■リヤモーター
型式:MM48
形式:交流同期電動機
最高出力:50kW(68ps)/4775-10024rpm
最大トルク:100Nm/0-4775rpm

■動力用主電池
種類:リチウムイオン電池

■シャシー系
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット・Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rリーディングトレーリング
タイヤサイズ:205/50R17

■燃費
WLTCモード:22.7km/L
 市街地モード:21.8km/L
 郊外モード:24.9km/L
 高速道路モード:21.8km/L

■価格
295万7900円

■オプション装備
ステルスグレー(特別塗装色) 3万8500円/クリアビューパッケージ(ワイパーデアイサー、リヤLEDフォグランプ) 2万2000円/ステアリングスイッチ+統合型インターフェースディスプレイ+USB電源ソケット(タイプA2個、タイプC1個)+ワイヤレス充電器+NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)+NissanConnet専用車載通信ユニット(TCU)+BOSEパーソナルプラスサウンドシステム(8スピーカー[フロント、前席デュアルヘッドレスト、ツイーター]、パーソナルスペースコントロール)+ETC2.0ユニット+プロパイロット(ナビリンク機能付き)+プロパイロット緊急停止支援システム+SOSコール 40万1500円/ウインドウ撥水(フロントウインドウ1面+フロントドアガラス2面) 1万285円/日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ) 7万2571円/フロアカーペット(プレミアム:消臭機能付き) 2万9700円/トノカバー 2万4200円

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著者プロフィール

小林秀雄 近影

小林秀雄

大正から昭和初期の文豪の如き不健康な風貌ながら、趣味は草野球とサーフィンというわかりにくい男。編集…