創立125周年を迎えたグッドイヤー。革新技術を投入した新タイヤ4種類をマレーシアで発表

2023年8月29日に創立125年を迎えたザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(以下グッドイヤー)は、記念すべき節目の年を祝うイベントをマレーシアで開催。業界をリードしてきた125年におよぶ技術革新の歴史を振り返ると同時に、今後、より良い未来(Better Future)のモビリティ社会を実現するための取り組みを強化していくことを宣言。同時にアジア・パシフィック地域へ投入される新タイヤが一挙に4種類発表され、会場に駆けつけた多くの関係者やメディアの注目を集めた。

「イーグルF1アシンメトリック6」と「ラングラー デュラトラックRT」は日本でも発売予定

従業員数は約7万4000人を擁し、世界23ヶ国、57の生産拠点を展開するなど世界屈指のタイヤメーカーとして知られるグッドイヤーが、2023年8月29日にめでたく創立125年を迎えた。それを記念し、「グッドイヤー125年の歩み」をテーマとしたアジア・パシフィック地域のイベントを9月12日に開催。クアラルンプール(マレーシア)の会場にはグッドイヤー アジア・太平洋地域社長のナサニエル・マダラン氏、同コンシューマー・タイヤ担当副社長のピエトロ・サレッタ氏、そして同商品開発・品質担当副社長のグレッグ・ハンナ氏の3名が駆けつけたほか、アジア・パシフィック地域から約300名の関係者と約100名のメディアが招待された。

グッドイヤー125周年イベント
クアラルンプールの会場で行われたイベントには、アジア・パシフィック地域の関係者とメディアが招待された。
グッドイヤー125周年イベント
中央がナサニエル・マダラン氏、向かって右がピエトロ・サレッタ氏、左がグレッグ・ハンナ氏。

1898年、アメリカはオハイオ州アクロンに設立されたグッドイヤーは、125年の歴史において数々の革新的な技術を実現してきた。設立から数週間後には馬車と自転車用のタイヤの生産を開始し、その1年後には自動車用タイヤを初めて生産。1903年には初のチューブレスタイヤの特許を取得した。その後も1916年には世界で初めて空気入りのトラックタイヤを開発、そして1934年にはスタッドレスタイヤ、1938年にはランフラットタイヤの先祖と言える安全タイヤを世に送り出している。

そうしたグッドイヤーの先進性と技術力は、今後、グローバルで掲げられている「Better Future(ベターフューチャー)」というサステナブルを主眼に置いたコミットメントの実現に活かされていくことになる。そのうちの具体的な目標の一つが、2030年までに100%サステナブルな素材でメンテナンスフリーのタイヤを開発すること。イベント会場の展示スペースではサステナブルな素材を90%用いたデモタイヤがお披露目されるなど、グッドイヤーが未来のモビリティ社会の実現に貢献すべく、絶え間ない研究・開発を行っていることをアピールしていた。

グッドイヤー125周年イベント
タイヤの低燃費化に欠かせないシリカをもみ殻灰から生成したものに置き換えるなど、17のサステナブルな素材を活用することでCO2排出低減に貢献する。2030年までにその割合を100%まで引き上げるのがグッドイヤーの目標だ。

イベントのステージに登壇したマダラン社長は、グッドイヤーのこれからを見据えながら次のように語った。

「アジア・パシフィック地域は、世界最大の自動車市場の一つとして台頭してきており、まだまだ成長の可能性を秘めています。グッドイヤーの革新的精神と卓越性への意欲により、グッドイヤーはモビリティ革命の中心に身を置き、お客様やイノベーターと密接に協力しながら、輸送業界を変革していきます」

グッドイヤー125周年イベント
「当社はこの地域において100年を超える歴史があり、力強い投資を行ってきました」と語るマダラン氏。その言葉通り、グッドイヤーはアジア・パシフィック地域に9つの工場と2つの開発センターを展開している。また、マレーシア工場には7000枚を超えるソーラーパネルが設置され、CO2排出量の削減を図るなど環境に配慮した生産も行われている。

今回のイベントでは、アジア・パシフィック地域に向けて新たに投入されるタイヤも発表された。ラグジュアリー スポーツ系タイヤの「イーグルF1アシンメトリック6」、プレミアム4×4オフロードタイヤの「ラングラー デュラトラックRT」、EV(電気自動車)をターゲットにした「エレクトリックドライブ」、ミッドパッセンジャー向けの「アシュアランス マックスガード」の4種類がそれだ。

それらの新タイヤのうち、アシンメトリック6とデュラトラックRTは日本市場への導入もすでに決まっているというから、期待してその日を待ちたい。

グッドイヤー125周年イベント
イーグルF1アシンメトリック6
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ラングラー デュラトラックRT
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エレクトリックドライブ
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アシュアランス マックスガード

なお、日本グッドイヤーの公式YouTubeチャンネルでは、グッドイヤー125年の歴史をまとめた動画が公開されている。常に挑戦を続けながら業界をリードしてきたグッドイヤーの歩みを振り返ってみてはいかがだろうか。

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著者プロフィール

長野 達郎 近影

長野 達郎

1975年生まれ。小学生の頃、兄が購入していた『カーグラフィック』誌の影響により、クルマへの興味が芽生…