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太陽電池の普及は早急な対応を
前回までは電気自動車を世界中に普及させるための戦略、戦術、戦闘について述べて来た。今回は太陽光発電を世界に普及させることを主題にする。
太陽光発電は、発電のためのパネル技術は電気自動車ほど複雑ではない。ところが、これを設置する場所は第一次産業の分野だったり、上空だったりすることで多岐にわたる。また、これを設置する国についても世界全体のあらゆる気候の場所で、国情も異なる。このため、温暖化がこれより進むことを防ぐために短い時間で世界中に展開することが必要である。この観点に立った戦略づくりから始めることになる。
戦略とは目標を明確に定めることであるが、そのために包括的な計画を作ることがその要点となる。
このうち、生産は日本で開発される生産技術に基づいた工場で行なわれるが、技術流出を防ぐためには日本で生産も行なう。生産するパネルをどの地域にどの位の速度で設置するかの目標作りと、国内の林業、農業、漁業及び上空のどこに設置して行くか、発電した電力を集める送電網の設置目標を定めることが戦略の要になる。
電力は生産地と消費場所を近づけて計画するのが基本
次に、戦術としては世界中で太陽光パネルを設置し、世界中の人々すべてに電力を送るための手段をどうするかということが主である。手段には工場から設置場所までの輸送手段の選択がある。設置場所として日本のように林業、農業、漁業と明確に決められるところは少ない。最も大量のエネルギーを使ってきたアメリカを例にとると、ロッキー山脈から西海岸に至る広い砂漠は適地ではあるが、ここで発電した電力は西海岸が大きな需要地になる。だが、東海岸まではロッキー山脈を越えることと、長い距離を運ぶことが必要であるために、砂漠の多くを使うことはできない。最大の需要地である東海岸で最適な土地を特定するための手段は新たに生み出すことが求められる。
中国でも西域に近い地域は砂漠地帯であるが、需要地である東海岸まで運ぶことは現実でない。このために東海岸地域で広い土地を探す手段も必要となる。
インドも広大な土地と人口を抱えることで大きな電力需要が生まれる。そのためのパネルの設置場所の選定手段は新たに創り出すことが求められる。
ヨーロッパは人口が多いし土地も比較的平らである。土地は既に農業に使われているため、パネル設置の適地を探す手段はより重要になる。それとともにヨーロッパは北アフリカの広大な砂漠地帯で生み出す電力を運ぶことで大きな需要を満たすことになる。すると発電場所よりも電力の輸送手段を生み出さなくてはならなくなる。
第一次産業が電力を生産する拠点に
こうして太陽光パネルを世界的に普及させる手段を決めた上で、戦闘すなわちパネル設置の実行となる。
パネル設置の実行法は、国と気候及び需要地と発電用の土地により大きく異なる。このために実行法についての綿密な計画が必要である。
日本での実行法を考える。まず、田んぼへの設置は土地が平らでかつその形も整理され画一化されているところが多い。このため、田んぼへの設置は最も容易な実行法になる。
林業との融合は傾斜、向き、面積がどことして同じものはない。ということは設置法については、多くの方法を試し、かつ体験をすることができる。このことは世界中に設置するためのノウハウを蓄積するには最も良い場所が国内に存在することになる。こうして山林への設置法と田んぼへの設置法の双方を日本が身に付けることで、世界全体に設置することは十分体験しておくことができる。
設置を実行するのは、現地に住む人々である。この人々の教育の場が日本にあることで、設置の中心となる人々が日本に来てそれぞれの国情にあった設置法を学び、持ち帰り、設置を急速に拡大することが可能となる。
日本はパネルを生産し設置・運営のノウハウも得る
日本はパネルの生産のみならず、その設置技術も抱えることで、日本の太陽光パネル産業は盤石になる。それが日本の成長をゆるぎないものにする。ここに日本政府が投資すべき費用は電気自動車程大きくはない。電気自動車は既に多くの競争相手がいるレッドオーシャンの状況で、ここから抜け出すために、中国が投資したよりも大きな費用を投入する必要がある。太陽光パネルは、世界に誰も競争相手がいないブルーオーシャン状態である。このために大きな投資も必要とはならない。
それでも五月雨的な投資では、間もなく外国に追いつかれることになる。中国が電気自動車に投資した10兆円が適当である。
今回は太陽光パネル普及のための戦略、戦術、戦闘を述べてきた。
次回は連載の最終回として、これまでの総まとめを行ない、ここで述べて来たことを実現するために全力を注ぐことを目標にする。