【クラウン兄弟車比較】スポーツvsクロスオーバー 一番違うのは“見た目”なのか? スペックや価格を比べてみた

Toyota Crown
右がクラウンスポーツ、左がクラウンクロスオーバー
トヨタを代表する車種のひとつであるクラウンのラインナップが、16代目にして大きな変貌を遂げた。全4タイプで構成される現行クラウンシリーズのうち、クロスオーバーとスポーツが現状では正式に発表されている。今回はこの2モデルを比べてみよう。

2022年7月に新型のクラウンが公開され、その第一弾であるクラウンクロスオーバーは同年9月に発売された。そして2023年10月、第2弾のクラウンスポーツが正式に発表。発売は11月ごろになる見通しだ。

先発のクラウンクロスオーバーが、セダンとSUVを融合させたようなパッケージングであるのに対し、クラウンスポーツはスポーティなシルエットを持つSUVとなった。
これまでのクラウンシリーズにはなかった流麗な造形で、Dピラーから大きく張り出したリヤフェンダーは特に特徴的だ。また、ハンマーヘッドフェイスと称されるフロントマスクは、クラウンクロスオーバーとは異なる処理がなされてシャープで精悍な顔立ちとなり、よりスポーティな雰囲気を醸し出している。

Toyota Crown
上がクラウンスポーツ、下がクラウンクロスオーバー

ボディサイズ比較

ボディの寸法としては、クラウンスポーツが全長4,720mm、全幅1,880mm、全高1,565mmであるのに対し、クラウンクロスオーバーは全長4,930mm、全幅1,840mm、全高1,540mm。クラウンスポーツのほうが210mm短い一方で、40mm幅広く、25mm背が高い。
ホイールベースはクラウンスポーツが2770mm、クラウンクロスオーバーが2850mmとなっており、クラウンスポーツのほうが80mm短い格好だ。

Toyota Crown
上がクラウンスポーツ、下がクラウンクロスオーバー

ちなみに最小回転半径は5.4mでどちらも同じ数値である。

Toyota Crown Sport
クラウンスポーツのコックピット
Toyota Crown Cross Over
クラウンクロスオーバーのコックピット

インテリアデザインはどちらもメーターやディスプレイを同じ高さに集約させた水平基調。視線移動を少なくさせ、運転により集中できる工夫がなされている。

Toyota Crown Sport
クラウンスポーツのインテリア
Toyota Crown Cross Over
クラウンクロスオーバーのインテリア

室内寸法としてはクラウンスポーツが130mm短いが、5mmだけ高さがある。
現在公開されている画像を見比べると、後部座席のフットスペースはクラウンクロスオーバーのほうが余裕がありそう。また、リヤシートそのものも、クラウンクロスオーバーのもののほうが上半身を包み込む形にされており、サポート性も高そうだ。

クラウンスポーツ&クラウンクロスオーバー ボディサイズ比較表
クラウンスポーツ クラウンクロスオーバー
全長×全幅×全高4,720mm×1,880mm×1,565mm4,930mm×1,840mm×1,540mm
ホイールベース2770mm2850mm
最低地上高160mm145mm
室内長/幅/高1,850mm/1,540mm/1,175mm1,980mm/1,540mm/1,170mm
乗車定員5名5名
車両重量1810kg1,750kg~
車両総重量2085kg2,025kg~
最小回転半径5.4m5.4m
Toyota Crown

パワートレイン比較

先日のクラウンスポーツ発表時に明らかになったラインナップは、2.5L直列4気筒エンジンを搭載したハイブリッドの1種類のみ(2023年12月ごろにプラグインハイブリッドモデルが追加予定)。これはクラウンクロスオーバーにも設定されているシリーズパラレルハイブリッドシステムと共通のようで、エンジンとモーターの出力などのスペックはまったく同じだ。駆動方式も後輪をモーターで駆動する「E-Four」となっている。

Toyota Crown Sport
クラウンスポーツのパワートレイン

その一方、クラウンクロスオーバーには2.4L直列4気筒ターボエンジンと6速AT、モーターを組み合わせたよりパワフルなグレードであるRSが設定されている。「デュアルブーストハイブリッドシステム」を採用したRSもリヤにモーターを持つ4輪駆動だが、システムはより進化した「E-Four Advanced」を持つ。

Toyota Crown Cross Over
クラウンクロスオーバーの2.4Lターボハイブリッドパワートレイン「デュアルブーストハイブリッドシステム」
クラウンスポーツ&クラウンクロスオーバー パワートレイン比較表
スポーツ – 2.5L HEVクロスオーバー – 2.5L HEVクロスオーバー – 2.4Lターボ HEV
エンジン型式A25A-FXSA25A-FXST24A-FTS
排気量2,487cc2,487cc2,393cc
種類直列4気筒直列4気筒直列4気筒
燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン無鉛プレミアムガソリン
エンジン最高出力137kW(186PS)/6,000rpm137kW(186PS)/6,000rpm200kW(272PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク221N・m(22.5kgf・m)/3,600〜5,200rpm221N・m(22.5kgf・m)/3,600〜5,200rpm460N・m(46.9kgf・m)/2,000〜3,000rpm
燃料タンク容量55L55L55L
フロントモーター最高出力88kW(119.6PS)88kW(119.6PS)61kW(82.9PS)
ター最大トルク202N・m(20.6kgf・m)202N・m(20.6kgf・m)292N・m(29.8kgf・m)
リヤモーター最高出力40kW(54.4PS)40kW(54.4PS)59kW(80.2PS)
リヤモーター最大トルク121N・m(12.3kgf・m)121N・m(12.3kgf・m)169N・m(17.2kgf・m)
駆動方式E-Four(電気式4輪駆動方式)E-Four(電気式4輪駆動方式)E-Four Advanced(電気式4輪駆動方式)
トランスミッション電気式無段変速機電気式無段変速機Direct Shift-6AT

なお、燃費はWLTCモードでクラウンスポーツが21.3km/L、クラウンクロスオーバーの2.5L+ハイブリッドが22.4km/L、同2.4Lターボ+ハイブリッドが15.7km/Lという数字となっている。

クラウンスポーツ&クラウンクロスオーバー 燃料消費率比較表
スポーツ – 2.5L HEVクロスオーバー – 2.5L HEVクロスオーバー – 2.4Lターボ HEV
WLTCモード21.3km/L22.4km/L15.7km/L
WLTC 市街地モード19.1km/L21.2km/L12.6km/L
WLTC 郊外モード22.7km/L23.8km/L15.8km/L
WLTC 高速道路モード21.6km/L22.1km/L17.6km/L

充実の先進装備

また、サスペンション方式はいずれもフロントにマクファーソンストラット、リヤにマルチリンクが採用されているが、クラウンスポーツでは独自のセッティングが施される。DRS(ダイナミックリヤステアリング)も最適化され、低速域では軽快感を生みつつ、高速域では安定感もバランスされる。

Toyota Crown Sport
クラウンスポーツのフロントサスペンション
Toyota Crown Sport
クラウンスポーツのリヤサスペンション

先進安全装備はどちらの車両も充実しており、プリクラッシュセーフティや緊急時操舵支援などを備えた「Toyota Safety Senseを標準装備している。加えて、入庫と出庫を自動で行うなどの機能を持つ高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」も標準装備化されている。

車両本体価格は、クラウンスポーツが590万円という設定。クラウンクロスオーバーは、2.5Lハイブリッドが435万円から、2.4Lターボハイブリッドが605万円からだ。

クラウンスポーツ&クラウンクロスオーバー メーカー小売希望価格一覧
モデル・グレードパワートレイン駆動方式価格
SPORT Zシリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)E-Four5,900,000
CROSSOVER X
CROSSOVER G
CROSSOVER G“Advanced・Leather Package”
CROSSOVER G“Advanced”
CROSSOVER G“Leather Package”
リダクション機構付のシリーズパラレルハイブリッドシステム
(A25A-FXS 2.5L)
E-Four4,350,000
4,750,000
5,700,000
5,100,000
5,400,000
CROSSOVER RS
CROSSOVER RS “Advanced”
デュアルブーストハイブリッドシステム(T24A-FTS 2.4L)
+Direct Shift-6AT
E-Four Advanced6,050,000
6,400,000

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