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ガソリン補助金延長でガソリン価格は本当に安くなるのか
政府はガソリンの小売価格高騰を受け、令和4年4月から石油元売りに対し小売価格の高騰を避けるためのガソリン補助金を支給した。基本は1リットルあたり168円を上回るぶんについて、35円までなら全額を、35円を超えたぶんはその半額を支給するというもの。この制度により2022年6月には価格を41.9円抑制し、1リットルあたりのレギュラーガソリンの全国平均価格を174.9円にまで下げることができたという。
その後、原油価格が落ち着いたという理由で補助金は2023年1月から毎月2円ずつ引き下げられ、2023年5月には上限25 円に。8月31日~9月6日の補助額は9.7円にまで抑えられた。しかし、WTI原油先物価格は8月ごろから上昇をはじめ、9月に入り1バレルあたり86ドル近くとなり、また円安も1ドル146 円台まで進んだこともあり、ガソリン価格は上昇を続けている。このため本来であれば9月に終了予定だったガソリン補助金は、年末まで延長されることとなり、政府によればレギュラーガソリン1リットルあたり175円台程度に抑える考えだという。
具体的には、令和5年9月7日からは、168円から17円を超える分については全額支援し、17円以下の部分は10月4日までは30%、10月5日から12月31日までは60%支援するというものだ。そしてこの措置は令和5年12月末で終了予定であり、その後の対策案は現在未定だ。
ガソリン価格の約4割が税金だ!
参考までに、ガソリンには多くの税金が上乗せされている。1リットルあたりの価格のうち、本則税が28.7円。暫定税が25.1円の計53.8円+2.8円の石油税が税金だ。この税金にガソリン本体価格がプラスされた合計に、さらに10%の消費税がかかる。
たとえば、1リットル185円のガソリンの内訳は、ガソリン本体価格111.6円。ガソリン税53.8円。石油税2.8円。消費税16.8円。つまり、73.4円、率にして約40%が税金。もし、ガソリン価格が120円だとしたら、そのうち半分以上の約68円が税金という計算だ。また、ガソリン税に消費税をかけているという、おかしな二重課税だ。
本来であればガソリン税のうちの上乗せ暫定税25.1円は、全国平均のレギュラーガソリン価格が3カ月連続で160円を超えた場合に発動される『トリガー条項』により減税されるべきなのだが未だに発動されない。この緊急時に発動しなくて、いつ発動するのか。
このままでは、近い将来レギュラーガソリン1リットル200円超えも普通になる可能性が高そうだ。そこで、少しでも燃費よく走るためにはどうしたらいいか、その対策法を紹介しよう。
ポイントはダラダラと走らずメリハリ良く走ること
クルマを運転するとき加速や減速、走行速度などについて何気なく運転しているケースが多くないだろうか。これからは燃費のことを考えて走る習慣を持つと驚くほど燃費は変わってくるはず。基本は簡単。制限速度をチェックし、メーターを見て速度を調整。そして、まわりのクルマの流れを考えながら、メリハリ良く加速・減速する走りをする。燃費を悪化させる最大の原因は、ダラダラと走ったり、気分で急加速や急減速したりすることだ。
燃費向上のため、ゆっくりスタートがいいといわれている。確かに燃費を追求するテクではあるが、ストレスが溜まるしまわりのクルマに迷惑がかかる。一般道でストレスなく平均的に燃費を向上させたいなら、制限速度まである程度スッと加速し、あとはアクセルペダルを踏む力を抜き一定速度で巡航。先方の信号が変わるようなら、手前で早めにアクセルペダルから足を放して惰性で走りって減速し、急ブレーキにならないように停止するのが理想だ。これを実践すれば燃費は確実に向上する。高速道路では、一定速度で巡航するのが燃費向上のコツ。クルーズコントロールを使うと楽にできる。とくにモーター付き車は高速走行で燃費が悪くなる傾向があるので、一定速巡航が効く。
経済的に走れるようにアクセル開度等を調整するエコモード。が、実際に計測してみるとエコ、ノーマル、パワーで大きな差は出ない。たとえばキビキビ走りたい場合、エコモードだと余計にアクセルペダルを踏みこみ燃費が悪化することも。逆にパワーモードで加減速のメリハリをつけて走ったほうが燃費はいい場合もある。1度愛車でどのモードの燃費が自分に合っているのか試してみるといいだろう。
燃費を低下させないクルマの簡単なメンテもおすすめだ。まずはタイヤの空気圧をマメにチェック。少し高めのほうが燃費は良い傾向だが乗り心地が悪くなる可能性もある。好みで調整したい。
エンジンオイルは指定粘度のモノを定量入れよう。多く入れると抵抗になり燃費にも影響が出る。
エアエレメントは余程汚れていない限りあまり燃費には影響ないようだ。
オイル添加剤は内部抵抗が減って燃費向上が狙える。経年式多走行距離車は燃料添加剤で燃料系のデポジットを落とすとエンジンが快調になり燃費にも効果がある。
どれも比較的簡単にできるので、ぜひ試してみてほしい。
これはガソリン車だけでなくHEVやEVにもいえることだが、クルマに余計な荷物を積んでおかないのも燃費アップのコツ。重量が50kg変わると、燃費は5%程度悪化するという。そう考えると、燃料を常に満タンで走るより、30~40L程度に押さえておくのも効く。ただし、燃料タンク容量が40L程度のクルマであれば、あまり気にすることはない。