乗れば乗るほど愛着が湧き、気が付いたら29年乗っていた! | 80-90年代車再発見 1994年式・日産スカイライン4ドアセダンGTSタイプGリミテッド(1994/NISSAN SKYLINE 4DOORSEDAN GTS TYPE G LIMITED)

ボディを小型化してグループAに特化したGTIRが復活、
人気を不動のものとしたR32から一転して大型化したR33。
長く乗れば乗るほど愛着の湧く名車としても名高い。

GTカーの資質を磨く大型化したスカイライン

第二世代GT-Rが復活したR32スカイラインの人気はもはや不動。高騰する中古車相場は引きずられるようにR33にまで波及。発売当初こそ大型化したボディに批判が集まったものだが、今やすっかりR33も人気モデルとして定着している。


グランドツーリングカーとしての資質に磨きをかけ、1993年にモデルチェンジして発売されたR33スカイラインは2リッターのRB20E、RB25DE、RB25DETと3種のエンジンでスタート。メインは2.5リッターターボのRB25DETで250psの最高出力は出色だが、ターボらしさに欠けるレスポンス重視タイプ。逆にベースグレードの2リッターRB20Eは意外なことにSOHCのまま生き延びた。


グレード名もわかりやすくベースのRB20E搭載車は単にGTSを名乗りツインカムのRB25DEはGTS25、ターボはGTS25tとなっていた。また発売3ヶ月遅れで追加されたフルタイム4駆のGTS-4に2リッターエンジンは選べず、2.5のNAとターボが存在する。


続けて95年には待望のGT-Rが発売された。ベースのGTSとの価格差が300万円近かったことは意外と知られていない事実だ。

1993年にフルモデルチェンジして発売されたR33型9代目スカイライン。当初GT-RはR32型が継続販売され、セダンと2ドアクーペのGTS系のみ刷新された。全車3ナンバー専用ボディを採用して大型化するのと同時にエンジンを3種類、ミッションを5MT、5AT、4ATとしてグレード展開を絞っていた。ボディ剛性を引き上げバッテリーをトランクに位置して重量配分を適正化させていた。
樹脂!

ヘッドライトは樹脂製ながら屋内保管のため今見てもピカピカなのだ。

伝統!

丸形テールランプはスカイラインの伝統。前期はウインカーが外側。

エンジンルーム

RB20E型は130ps

R31時代から生き延びたSOHCのRB20E型。目立った出力ではないものの熟成された完成度の高いエンジン。

マニ!

気筒ごとに分配されるインテークが特徴的なデザインとなっている。

ジャンプ!

バッテリーはトランクにあるがヒューズやリレーボックス内でジャンプできる。

想像もしなかった長い年月を過ごす

実に300万円もの価格差となったベースグレードとGT-R。つまり、意外なことにシングルカムのGTSは当時から割安グレードで、200万円を切っていた! 今回登場するオーナーもその価格に気が付き新車購入している。

オーナーは当初、R32の中古車を買うつもりだった。そこで地元の日産プリンスへ行ってみると、タイプMの中古があるにはある。だが8万キロ走ったMT車が140万円もした。ディーラーマンも「そろそろタービン交換」と言っているので、購入後にも費用がかかるのは必須。悩んでいたら、お買い得な新車があるという。それが2リッターのGTSだった。

ただのGTSなら199万8千円で上級タイヤやアルミホイール、リモコンキーを装備する特別仕様のタイプGリミテッドでも230万円以下。タービン交換する中古車との価格差はほぼないも同然。ということで94年に新車で購入することになったのだ。

当初は「いずれはGT-R」と思っていたが、乗れば乗るほど愛着が湧く。R32とは比較にならないほど高いボディ剛性や素直なハンドリングなど、エンジンが目立たない代わりにシャーシの良さが光る。そこで購入から2年目にはパイプ車庫で保管することとして劣化を予防。結婚後に自宅を新築して車庫を建てたため、長らく屋内保管で極上を維持している。オーナーは大型バスの運転手をされている方なので、クルマの扱いに長けておられるため、機関も絶好調なのだ。

室内

特徴的なステアリングをはじめ、インテリアはほぼ新車の時から変えていなく超絶キレイな状態を保っている。
実走!

新車から29年を経たが走行距離は2万キロ台。日ごろは電車移動だから伸びないのだ。

レース!

純正オプションだったレースのカバーは後になってネットオークションで手に入れたもの。運転席に傷みはない。

このスカイラインの記事は、10/20発売の令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2023年12月号に掲載されています。

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