いすゞとUDトラックス。両者の関係は「後者が前者グループに入った」というもので、そこからはどうしても「どうもうまくいかない」「仲が悪い」「互いが元の企業風土を主張し合う」というような印象がどうしてもつきまとう。しかしいすゞ×UDトラックスのブースで開催されたプレスカンファレンスでは、いすゞ・南社長とUDトラックス・丸山社長がともに登壇、「今の時代、一企業の枠組みを超え、力を合わせていくことが不可欠です。ですから、私達は互いの技術ノウハウを生かし、非常にうまくやっていますよね」「はい。ビジネスの面だけでなく、人的交流や文化的交流も盛んに行い、ともに新たな価値を創造しようとする風土が醸成され続けています」と、目指す目的に向かって両社がともに邁進している様子がうかがえた。
その目的とは、地球温暖化に対するカーボンニュートラル目標、交通事故被害ゼロ社会、そして労働人口不足といった課題解決。「これからもともに運ぶを通じ、誰もが豊かで楽しく生活できる社会の実現に向けて頑張っていきましょう」という南社長の呼びかけに丸山社長も応えるというように、常に2社が密接に連携していくことが示された。
注目すべきは世界初公開となったバッテリー交換ソリューション・EVision Cycle Concept。充電済みの着脱式バッテリーパックを載せ替えることで、バッテリーセルにとってもユーザーにとっても負担となりがちな充電のストレスを解消する。
EVision Cycle Conceptとともにブースの花形だったのが、先日登場したばかりのトラック型BEV・エルフEVである。エンジン車とプラットフォームを共通化することで架装部に制限のない設計とした。トラックの世界では「シャシーから上はお客さまのスペース」という絶対的な約束事があり、フル電動化にあたってもそこが守られた格好だ。
電動車はバスにも展開。路線バスをBEV化したエルガEVがワールドプレミアである。見どころはなんといっても完全にフルフラットとなったキャビン。いわゆるR-RWDである路線バスではパワートレーン+ドライブトレーンを収めるためにどうしても後軸まわりに段差が生じてしまうが、左右それぞれにeアクスルを置く方法でフルフラットを実現した。