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モビリティ系のスタートアップ企業15社が熱いプレゼンを実施
ジャパンモビリティショーの西ホール1階「スタートアップフューチャーファクトリー」エリアでは、「今」を支えているモビリティ企業と、「未来」を支えるスタートアップ企業とが手を取り、「モビリティ産業を拡張・加速させる場」をテーマにブース展示を展開している。そのなかの注目イベントとして11月4日(土)に「ピッチコンテスト&アワード」が開催された。
「ピッチコンテスト&アワード」はモビリティに関する事業を展開するスタートアップ企業1000社以上の応募の中から、厳正な審査で予選を勝ち抜いた15社が決勝のステージへと集まり、自社の事業内容をプレゼンテーションする。スタートアップ企業への投資・支援などを行うベンチャーキャピタルの代表などが、プレゼンテーションの審査を行った。
「LIFE × Mobility 未来の暮らし」「EXCITEMENT × Mobility 未来の感動」「INFRASTRUCTURE × Mobility 未来の社会基盤」の3つのカテゴリーに分かれ、各部門の優秀賞を3社、全体のグランプを1社決定する。賞金はグランプリが1000万円、残り2社の部門優秀賞が100万円となる。また、グランプリには副賞として次回のジャパンモビリティショーへの出展が約束される。
それでは、どのスタートアップ企業がグランプリを獲得したのか見てみよう。
1000社以上の応募から勝ち抜いたスタートアップ企業の頂点は?
グランプリに輝いたのは、「EXCITEMENT × Mobility 未来の感動」部門で優秀賞を獲得した、株式会社NearMe(ニアミー)だ。
事前の予約でタクシー利用者をAIがマッチングし、利用者同士がタクシーをシェア(相乗り)するマッチングサービスだ。現在は全国13の空港でサービスを展開していて、今後も利用範囲は拡大する予定だ。
AIを活用し効率的にマッチングすることで、東京都内(世田谷)から羽田空港まで片道2980円/人〜という安さを実現しているのが、このサービスの最大の特徴だ。今後も増え続けるであろうインバウンド需要や、大手旅行代理店との業務提携によりサービスはますます発展していくと予想される。
プレゼンテーションでNearMe代表の髙原 幸一郎CEOは、「さまざまな社会課題がある中、まずは移動における「もったいない」を解消することを目指し、独自のAIを活用した“シェアによって、お得でスムーズ”な移動体験を提供するシャトルサービス「NearMe / ニアミー」を提供しています。本サービスを、人々の日々の暮らしに寄り添うサービスに発展させることで、電車、バス、タクシーに次ぐ“第4の公共交通機関”となることを目指していきます」と語った。
グランプリ受賞が発表されると髙原氏は、「200%の力で、このピッチコンテスト&アワードに臨んだので、グランプリを獲得できて嬉しいです!」と歓喜の表情で受賞の喜びをコメントした。
他部門で優秀賞を獲得したスタートアップ企業も紹介しよう。
「LIFE × Mobility 未来の暮らし」部門の優秀賞
「LIFE × Mobility 未来の暮らし」部門の優秀賞は、Global Mobility Service 株式会社が獲得した。
モビリティ、IoTとFinTechを組み合わせ、これまでは金融サービスを受けられなかった人達への金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)を実現するサービスだ。世界にはクルマを買いたくとも買えない人々が14億人もいる。そうした、真面目に働く意志のある人々へ自動車ローンの活用機会を創造し就業をサポートする。
「EXCITEMENT × Mobility 未来の感動」部門の優秀賞
「EXCITEMENT × Mobility 未来の感動」部門の優秀賞は、Zip Infrastructure 株式会社が獲得した。
街づくりに貢献する次世代交通システムとして、自走式ロープウェイ “Zippar”を開発する。今までデッドスペースとなっていた道路上の空間に自走式ロープウェイを設置することにより、低コスト・短期間で「渋滞のない、どこでも駅徒歩5分圏内となる世界」の実現を目指している。
ロープとゴンドラが独立しているため、これまで難しかったカーブを可能にして柔軟な路線設計ができる。また、既存のモノレールに比べ、約1/5 のコスト(15億円/km) ・期間(1年)で建設可能となって点が特徴だ。