遠藤:今回の会場には白い配送仕様と緑色のキャンパー仕様の2台が展示されていて、事前に公開されたオフィシャル写真には他にも様々なバリエーションがありましたが、ボディの形としてはこの一種類のみになるのでしょうか?
中嶋さん:そうですね。
遠藤:未来的なようでいて意外と現実的な、すぐにでも市販化できそうな雰囲気がある気がします。
中嶋さん:そうですね。コンセプトカーなのですぐに出る出ないとは言えないんですが、自分たちが本当に欲しい、すぐ乗りたいと思えるようなクルマを目指していますので、リアリティをしっかり出しています。
遠藤:もし市販化するとしたら、商用と乗用、両方のバリエーションを展開していくお考えでしょうか?
中嶋さん:プレスブリーフィング中の映像でもお見せした通り、商用と乗用の使い分けがすぐできることを目的にしていますので、両方使えるといいなと思っています。詳しいことはまだこれからというか、全然決まっていないんですが。4ナンバーなのか5ナンバーなのか、そういう話は。
遠藤:後ろの窓が小さめに作られていますが、これを乗用モデルではもう少し大きくする……といったことは想定されているんでしょうか?
中嶋さん:これでプライバシーも守りながら、車内から見てもこの細い窓が魅力的に見えるのではないかと思っています。壁面にもいろいろ工夫がしてありますので、棚を取り付けて個人商店の陳列棚として使うことを、まずは考えています。
遠藤:パワートレインの種類はBEVだけの想定ですか?
中嶋さん:今は次世代バッテリーEVを想定しています。
遠藤:事前に公開されたオフィシャル写真の中には、フロントグリル内のディスプレイに「bB+ CONCEPT」と描かれたものがありました。
中嶋さん:ああいうことも含めて、バリエーションとしてはアリじゃないかと思っています。
遠藤:bBは一世を風靡したクルマで、その復活を待ち望んでいるユーザーも多いのではないかと思いますが、それはこのクルマのバリエーションの一つとして展開したいお考えでしょうか?
中嶋さん:そうですね。今回は商用モデルとアウトドア仕様を出品していますが、同じボディを使っていろんなことができるという事例として、分かりやすく「bB復活」みたいなことを、我々デザイナーサイドからの提案として描きました。特に事業計画に載っているわけではありませんが、皆さんからのリクエストが大きければ、どの順番で……という話はあるかもしれないですね。
遠藤:内装も、車いすが乗り込めたり、いろいろなバリエーションがありますが、シートは基本的に運転席だけ……。
中嶋さん:そうなるといいなと思っています。まずは1人、我々は「原単位」と呼んでいますが、ベーシックなものとしては1人乗りから始めて、もちろん乗用モデルであれば2〜4人掛けを含めて可能性はあると思います。
遠藤:例えば展示されているキャンパー仕様であれば、後席と荷室をフラットにして車中泊仕様にしたり……。
中嶋さん:追加されたオフィシャル写真の中に、車内を全部ベッドにした仕様も含まれています。
遠藤:bB+コンセプトであれば、以前のbBのように助手席をフラットにするという仕様もアリかなと。
中嶋さん:(笑)。ベンチシートなども含めて、バリエーションはいろいろ考えられますね。
遠藤:この「カヨイバコ」は、市販化を目指している……?
中嶋さん:完全にコンセプトカーですね。市販化に関しては今後の話です。今回の反応次第では……皆さんに応援していただけると、我々の企画としても助かります。
遠藤:こういう柔らかい方にもファンキーな方向にも飛べるクルマはなかなかないと思いますので、車いすの人が運転できる仕様も含めて実現されることを楽しみにしています。ありがとうございました!