ボルボの新型電動プレミアムMPV「EM90」が発表! 6人乗り3列シート&スライド式リヤドアを採用

ボルボ・カーズは現地時間の11月12日、6人乗り3列シートを備えた新型電動プレミアムMPV「EM90」を発表した。

人とつながったり、考えごとをしたり、純粋にリラックスするための空間としてデザイン。大切な人たちと過ごし、心の安らぎを見つけ、人生を豊かにするためのクルマ

EM90は、象徴的なスカンジナビアンデザイン、96年にわたる安全性の歴史、究極の快適性、最先端技術など、ボルボ車に期待されるすべてに加え、最高レベルのプレミアムな体験を提供するモデルとして開発された。この新型プレミアムMPV(マルチ・パーパス・ビークル)は、人とつながったり、考えごとをしたり、純粋にリラックスするための空間としてデザイン。大切な人たちと過ごし、心の安らぎを見つけ、人生を豊かにするためのクルマと同社は紹介する。

発表に際し、ボルボ・カーズのジム・ローワンCEOはこのように述べている。
「古くからの決まり文句ですが、自宅ほどくつろげる場所はありません。大切な人とつながり、自分らしくいられる場所。新型EM90にインスピレーションを与えたのは、この自宅という感覚です」

フロントマスクでは、ひと目でそれとわかる象徴的なトールハンマーヘッドライトが、誇り高く自信に満ちたボルボ車らしい堂々とした印象をあたえている。最も目を引くのは、ボルボ車で初めて採用されたイルミネーションロゴを含む、イルミネーション・フロント。超高層ビルや最先端の没入型アートにインスピレーションを受けたフロントは、ハイテクで精巧さを感じさせるものだ。

リヤまわりでは、ライトアップされたワードマークとスタイリッシュなライトデザインが、EM90をモダンなプレミアムデザインとして際立たせている。ボルボを象徴する縦型テールランプも進化した。近代的な都市のスカイラインからインスピレーションを得たテールランプの形状は、上下に伸びており、中心部のメタルストリップは地平線が表現された。

インテリアは、動くリビングルームとなるようにデザインされている。真にプレミアムな体験を提供する、ディテールまでこだわったスカンジナビアンデザインが、車内で過ごす時間を最大限に楽しめるよう極上の快適さを提供する。

キャビンの随所には、ギヤシフターに使用されているオレフォス製クリスタルをはじめ、ダッシュボード、ドア、最前列シート背面のバックライト付きバーチウッドデコパネルなど、スカンジナビアンデザインのディテールが散りばめられている。これらは、EM90のデザイナーが美しい素材とテクノロジーをシームレスに融合させた結果だ。

シート表皮やデコパターンは、スカンジナビアの自然とアジアのアートの両方からインスピレーションを得たもので、モダンで洗練されたデザインと自然界の美しさをうまく融合させている。例えば、シート表皮の模様は霧に包まれた山々をイメージしており、バックライトのウッドパネルは竹林から差し込む光線の美しさを映し出している。

2列目には、特別なラウンジシートがあり、マッサージ機能、ベンチレーション機能とシートヒーター、そしてビルトインテーブルやカップホルダーなど、乗員が望むすべてのアメニティを提供。また、2列目のラウンジシートには、高密度ダンピング層を含む7層構造で厚さ120mmを超える無重力クッションが採用され、快適性とサポート性を両立している。スライド式のリヤドアとロングスライド式の2列目シートにより、3列目へ移動も簡単だ。

キャビン全体を覆うパノラミックサンルーフには、カーテンと複数のアンビエント照明により、本物のスカンジナビアのムードを演出。有名なオーロラを再現した設定から、スウェーデンの森や夏至の夜明けを想起させるテーマまで、好みのスカンジナビア体験を選ぶことによって落ち着いた雰囲気が楽しめる。

モーターを駆動するバッテリー容量は116kWhで、一充電航続距離は最大738km。10%から80%までの充電時間は30分未満と想定されている。出力200kW(272ps)の電動モーターを原動力に、0-100km/h加速を8.3秒でこなす。

フラッグシップSUVのEX90(日本未導入)と同様、このEM90にも双方向充電に必要なハードウェアがすべて装備されている。この機能により、EM90のバッテリーを蓄電池として使用し、他のEVや電化製品を充電することができる。

また、EM90には19インチまたは20インチのエアロホイールが装着され、優れたエンジニアリングと空力性能の融合により、航続距離をさらに最適化している。

安全装備の面では、ボルボのセーフ・スペース・テクノロジーの搭載により、ドライバーと周りの人々を保護するよう設計。これは、同社の96年にわたる安全性のDNAと、実際の事故調査に基づく広範な知識によるものだ。

搭載された先進運転支援システムの幅広い機能構成は、高度なコンピューティング能力と、高解像度カメラ、サラウンドビューカメラ、ミリ波レーダー、超音波レーダーを備えた全方位センサーセットによって実現されている。

装備面でも新世代モデルに相応しい見どころが多い。優れた遮音性能とロードノイズ・キャンセレーション・テクノロジーにより、さらなる快適さを実現。デュアルチャンバーエアサスペンションと静音タイヤにより、EM90の乗り心地はとても滑らかになっている。そしてこれらの機能が連動してロードノイズを最小限に抑え、内蔵された21個のバウワース&ウィルキンス製スピーカーによる最高の音質を、このプライベートな“移動式コンサートホール”で存分に楽しむことができる。

当然ながら、ラウンジシートに心地よく座っている間にも、空間をより快適で楽しいものにするために設計された最先端技術の恩恵が受けられる。クアルコム・テクノロジーズ社の「スナップドラゴン」コックピット・プラットフォームに標準搭載のコンピューティング・パワーと、5G接続(利用可能な場所に限る)により、EM90は卓越したデジタル体験を提供。音声アシスタントにより、インタラクティブに楽しくクルマとつながることができる。ドライバー用の15.4インチのインフォテインメントスクリーンでは、スカンジナビアの美しい自然にインスパイアされた、最新のボルボのアバターが映し出される。

さらに、ルーフに設置された高解像度の折りたたみ式15.6インチスクリーンは、家族向けのエンターテインメントを楽しみたいときや、仕事のビデオ会議にカメラ付きで参加する必要があるときにも、いつでも展開して使用できる。このスクリーンはまた、モバイル画面投影やさまざまな外部アプリにも対応している。このスクリーンはさらに、多機能スクリーンとスマートサーフェスの一部で、車内でのさまざまなシーンで使用することができる。スイッチに触れるか、音声アシスタントに伝えるだけで、後部座席を簡単に映画館や会議室、ベッドルームに変えられる。スクリーン、シート、窓、エアコン、照明はすべてそれに応じて調整される。

すべてのボルボの新車と同様、EM90はOTA(無線ソフトウェアアップデート)により、時間の経過とともに改良されていく。デジタルキーとボルボ・カーズ・アプリを介したリモート機能により、クルマの利用とコントロールが簡単になる。

ジム・ローワンCEOはEM90をこのように紹介している。
「ボルボEM90は、スマートなキャビン、急速充電、競争力のある航続距離、ボルボ独自のデザインによる表現、そして細部にわたる高いプレミアム性を備えた、最高に快適なEVです。
 しかし、それ以上に重要なのは、このクルマがあなたに何を提供するのかということです。このクルマは、人とつながり、創造力を働かせたり、リラックスしたりできる空間であり、あなただけの、そして、あなたの周りの人たちのための特別な空間を提供します」

新型EM90はまず中国に導入。同国ではすでに予約注文受付が始まった。

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