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新型LXと共に発表されたコンセプトカー
新型レクサスLXの発表にあたり動画が公開されたが、その中で別にモデルの紹介も行われていた。それが、名前のないコンセプトカーだ。レクサスにしては異例のモデルで、まず、公道よりもオフロード主に走行するモデル。そして3気筒の内燃機関で、なんと水素を燃焼させて走る。この異例づくしのコンセプトモデルの登場は、何を意味しているのだろうか。
レクサスグローバルブランドマネジメント ゼネラルマネージャーの富樫弘央氏は、LXの紹介ののちにこんな話を続けた。
「LXがお届けするオンロード、オフロードの体験を超えて、さらなるアドベンチャーを求める情熱的なお客さまがいらっしゃいます。LEXUSは、移動の自由と、雄大な自然との触れ合いを通じた気づきを提供し続けたいと願っています。一方で、カーボンニュートラル社会実現への取り組みも重要であり、LEXUSは、この両立が可能と考えています。本日はそのようなLEXUSの未来に向けた想いをカタチにした新たなモビリティのコンセプトモデルをご紹介します」
として、オフロードバギーのコンセプトカーを発表。
車名は語られない無名のコンセプトモデルだったが、水素を燃焼させる内燃機関のエンジンを搭載。レクサスがよりアクティブなフィールドにも提案するのが、このバギーだ。水素エンジンを搭載することで、NOxの処理だけうまくやれば排出されるのは水だけ。選択肢を拡大するという、豊田社長の思いも反映されたあらたな提案だ。
二酸化炭素を排出しない水素エンジンが拓く可能性を自分ごとに
トヨタは現在、必ずしも内燃機関がすべて未来に貢献しないわけではない、ということを示すべく水素を燃焼させる内燃機関でのレース参戦などを実施。未来の車の選択肢が、必ずしも電気自動車だけではないことを示した。このコンセプトモデルはどうやらベースとなるのはヤマハYXZ1000Rというバギーのようだが、このようなフィールドにまでレクサスの世界観の視野を拡大していることに大きな意味があるとみるべきだ。
さらに、どんな用途をどのような手段で、といったプロダクトとしての提案も重要なのが、もっと注目したいのはデザインのポイントだ。動画で深い森の暗闇から見えてくるのは、ヘッドライト内に配されたデイライトの(と思われる)光。それがこれまでの短辺を上にはねるL字型とは異なるものが採用されている。その形状はシンプルに言えば、これまでのものを180度回転させ両端に来る短辺が下に抜ける形になるのだが、それだけでなくLの角も少し溜める、やや筆書きを連想させるようなイメージ。テールランプも、NXやLXで進めるような明確なL字型となるが、さらに水平でシンプル。
これらの造形が、今後のニューモデルへの謎かけとなっていることは間違いないのではないだろうか、と思うとこのモデルの登場した狙いも、さらに深くなってくるのでは? と思ってしまう。