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伝統の直6を捨て去り新開発V6へ切り替わる
初代S30が世界的な大ヒット作となり、国産スポーツカーの代名詞にもなったフェアレディZ。その後のS130では初代のスタイリングイメージを継承。エンジンも同じL型6気筒だが、81年には北米モデルとして280ZXターボを追加。国内では82年になってから2リッターターボが追加されて高出力化が図られた。
そして83年、3代目となるZ31型へのモデルチェンジでは長らく続いたL型エンジンを廃止して、新開発されたV型6気筒のVG型へと切り替えられたことが特徴。VGエンジンは2リッターと3リッターの排気量が用意され、どちらもSOHCターボ仕様。3リッターモデルは当時トップクラスの230psを発生していた。
スタイリングも特徴的で、2代続いた顔つきを変更してセミリトラクタブルヘッドライトが採用された。ヘッドライト消灯時にもランプが半分露出したデザインで、これはパッシング時にポップアップせず点灯できた。このスタイルは86年のマイナーチェンジで大幅にブラッシュアップされた。
この時に3リッターはDOHC化されZRを名乗ることになる。

エンジンルーム

新開発されたVGエンジンは3リッターが86年にDOHC化された。SOHCターボは230psだったがグロス表記なので実質同等のパワー。
ノーマル風にこだわり当時モノのアルミを発掘
今回紹介するのは86年のマイナー後となる後期300ZRで、当時人気だった2バイ2のTバー仕様。オーナーは日産車が好きで日産ディーラーのメカニックをされていた人。何台も日産車を乗り継いで独立、現在もモータースを山梨県内で営まれている。
独立後、知り合いの工場に放置されているZ31を発見。聞けば10年も青空で放置されていたため、ボディはガビガビで不動状態。その姿を見て「復活させたい」と交渉すると、無事に譲ってもらえた。それが今から7年前のことでまだ新品部品が出る頃だった。
ボディは手磨きでシコシコ仕上げ、不動のエンジンはインジェクター、コイル、水まわりのホースやインマニとヘッドのガスケットを新品交換。燃料タンクを清掃すると見事に復活した。ただ純正マフラーは大穴が空いて新品が出ないため、ステンレス製に変更。足まわりではカヤバSRショックにしたくらいだ。
こだわったのは限定で販売されたレカロ内装。部品取り車を用意しつつ、知り合いが持っていた純正レカロ仕様の限定車の内装を譲ってもらい、それ風に仕上げている。アルミホイールは当時、純正風ワイドリムとして複数あるフェアレディZ専門店で売られた社外品。作っていた工場が山梨県内にあり、そこから直接譲ってもらった。ノーマルルックにこだわるオーナーなのだ。
室内
