新型モーター・インバーターを採用するとともに一体化構造とすることで、先代モデルよりさらに高い静粛性を実現し、早朝や深夜でも周囲に気兼ねなく走行できる
新型ミニキャブEVは、軽商用EVとして12年間で約1万3000台(2023年10月末時点)の販売実績を持つ「ミニキャブ・ミーブ」をベースに、同車の開発・メンテナンスで得られたノウハウを最大限に活かして大幅改良し、多くのユーザーから要望されていた航続距離の向上と、安全装備・機能装備の拡充を図っている。2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて各方面で脱炭素化の取り組みが加速し、物流関係や自治体など軽商用EVの需要が一層高まっていることを受け、三菱自動車はミニキャブEVとともに商用でのラストワンマイルの二酸化炭素削減に貢献する。
ミニキャブEVはワンボックスタイプの軽商用EVで、モーターや駆動用バッテリーなど電動系コンポーネントを新世代化。バッテリーの容量は20kWhで、一充電あたりの航続距離を先代モデル比で約35%増となる180km(WLTCモード)を実現した。AC200V(15A)での普通充電では約7.5時間で満充電となり、業務終了後に充電すれば、翌日の業務開始時には満充電状態で使うことができる。なお、急速充電(※1)の場合、約42分(※2)で80%までの充電が可能だ。
※1:メーカーオプション設定
※2:急速充電器の最大出力電流が60A以上の場合
新採用のモーターは走り出しから最大トルクの195Nmを発生(最高出力は42ps)するため、荷物をたくさん積んで重くなった状態でも、EVならではのスムーズかつ力強い走りでストレスなくキビキビと走行することが可能。また、新型モーター・インバーターを採用するとともに一体化構造とすることで、先代モデルよりさらに高い静粛性を実現し、早朝や深夜でも周囲に気兼ねなく走行できる。なお、先代モデルから走行距離向上や安全装備の充実を図りながら、販売価格を同等に抑えた点も特色に挙げられる。
安全装備の面では、衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]や車線逸脱警報システム[LDW]、オートマチックハイビーム[AHB]、誤発進抑制機能(前進時)[UMS]などの予防安全技術「三菱e-Assist」を採用。サポカーSワイドに対応しており、毎日の安全な運転をサポートする。また、急な坂道で発進時の後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]の採用により、安心してスムーズな発進ができる。
機能面では、電気を車両からいつでも取り出せる、アクセサリーコンセント(AC100V、最大1500W)※1をフロアコンソール背面に設定。災害時などの緊急時でも、消費電力の大きい電化製品を使用することができる。そしてインストルメントパネルには、充電用USBポート(※2)のタイプCとタイプAをメーカーオプション設定し、ユーザーの使いやすさを考慮。スマートフォン用のトレイも設置された。
※1:2シーターにメーカーオプション設定。2024年3月生産開始予定。
※2:タイプCは3A、タイプAは2.4Aの出力が可能。