過激で官能的なMINI最強モデル「ミニ・ジョン クーパー ワークス」【最新スポーツカー 車種別解説 MINI JOHN COOPER WORKS】

1960年代からモータースポーツ界を席巻した伝説的なエンジニア、ジョン・クーパーがレースのためにチューニングを施したというイメージから作り上げられた「ミニ・ジョン クーパー ワークス」。ベーシックなワークスの他にボディタイプが異なるコンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーの4種類がラインナップされている。専用のチューンで装備を固め、走行性能はそのフォルムからは想像をこえるパワフルさを見せる。ミニは次期モデルからEV化が予定されているため、パワフルなエンジン車を手にするチャンスは長く残されていないかもしれない。
REPORT:岡島裕ニ(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次

次期モデルはEV化の予定 ICEを堪能するチャンス

ジョン・クーパーがレースのために手掛けたチューニングカーをイメージしてつくられたのがミニ最強モデルのJCW(ジョン・クーパー・ワークス)。3ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーと4つのボディタイプに設定されており、専用チューニングのエンジンやサスペンション、エアロパーツなどを装備することで走行性能を高めた。

エクステリア

観音開き式リヤゲートを備えるクラブマンは、頭上が狭くても荷物の出し入れができる利点がある。レーシーな雰囲気を醸し出す写真のストライプはオプションで、レッドのほかブラックも設定。「チリレッド」のルーフとミラーキャップも標準化する。
撮影車両は、19インチの「サーキット・スポーク」と呼ぶツートーンのアルミホイールを履く。4ピストンブレーキキャリパーは赤でペイントされていて、足元からスポーティなムードを放っている。

この4タイプの中で一番過激な走りを見せてくれるのは、やはり最も軽量な3ドアだ。2.0ℓ直噴ターボのエンジンは発進直後から強力なトルクを発揮して、パワフルな加速を見せてくれる。コーナー入口でアクセルをスッと戻せば、僅かにリヤが巻き込んでくるので、まさにゴーカート感覚で曲がることができる。

インテリア

丸形のセンターディスプレイやトグルスイッチなど、MINI共通のデザインが施される。ピアノブラックを基調に、ステアリングなどにレッドステッチを配置。イグニッションオンで「JohnCooper Works」のスタート画面が表示され、走る前から気分を盛り上げてくれる。
最新のロックアップ機構が備わる8速ATは、ダイレクト感のある変速フィールが魅力。シフトレバー下にセンターディスプレイのコントローラーを配置
アクセルはオルガン式で、長距離でも疲れにくく、ペダル配置も適正だ。

だが、加速重視の人ならクラブマンがいい。JCWのエンジンは全車が2.0ℓターボだがチューニングや駆動方式が違い、0-100㎞/hの加速が最も速いのはクラブマンなのだ。3ドアとコンバーチブルのエンジンは231㎰/320NmでFFなのに対し、クラブマンとクロスオーバーは306㎰/450Nmと、だいぶ差がある。駆動方式も4WDになるので、加速時やコーナーからの立ち上がりではクラブマンが最も速く走ることができる。ホイールベースが長いから乗り味にも落ち着きが増している。ミニは次期モデルからはEVになるため、過激なエンジン車のミニに乗りたい人は、早めにJCWをオーダーしておきたい。

Country       Germany
Debut        2014年3月(3ドア、5ドア、コンバーチブルマイナーチェンジ:21年5月)
車両本体価格     516万円~647万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。

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