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久々に開催されたレプリカマシンの展示イベント
実はこの「コンソルソ・ディ・レプリカカー」は10年ぶりに開催されたイベント。前回は『第43回東京モータショー2013』の際に2013年11月30日〜12月1日の2日間この同じ場所で開催されており、JMSに改まった今回、久々に開催されることになったのだ。
りんかい線国際展示場駅からJMSの会場・東京ビッグサイトに続くイーストプロムナードに30台のレプリカカーが展示された。展示はJMS会期のうち特別招待日/プレビューデーの10月27日(金)と、一般公開が始まる10月28日(土)の2日間で、それぞれ異なる参加車両もいた。
10月27日(金)は一般公開前の平日ということもあり、通勤や地元の人が通りがかり足を止める程度ではあったが、一般公開日の10月28日(土)ともなると国際展示場駅から東京ビッグサイトに向かう多くの人が足を止めてカメラやスマホを構えていた。
参加車両は歴代セリカやインプレッサ、ランサーエボリューション、ランチア・デルタといったWRCで活躍したグループAカーが多かった一方で、同じグループAでもスープラやスカイラインGT-Rといったサーキットを主戦場にしたクルマのレプリカカーも揃った。他にもWRカー(ワールドラリーカー)やスーパーGT、クラシックカー、現役の競技車両にオリジナル車両まで並ぶ多彩ぶりを見せた。
そんな「コンソルソ・ディ・レプリカカー」の様子と参加車両を一気にお見せしよう。JMSに行かなかった人も、行ったけどレプリカカーを見られなかった人も、もちろん見てきた人も今一度、楽しんでほしい。
グループAレースでの勝利を目指した2台
スカイラインGT-Rとスープラ3.0GTターボA
グループAのサーキットレース、主に全日本ツーリングカー選手権(JTC)の最高峰クラス「ディビジョン3」に投入されたマシンが2車種7台並んだ。
1車種は日産の切り札、スカイラインGT-R(R32)だ。スカイラインGT-RはJTCの異なるカラーリングが4台に、海外レース仕様が2台と、豊富なバリエーションを見せた。
もう1車種はトヨタが1987年から投入したスープラ(MA70)をベースにしたホモロゲーションモデルの3.0GTターボAだ。
さらに、このスープラの前と後の時代にサーキットを走ったトヨタのマシンのレプリカの姿もあった。
1970年代にマイナーツーリングカーで活躍したパブリカ・スターレット(KP47)と、2013年スーパーGTでトヨタのGT500マシンだったSC430だ。
グループAセリカGT-FOURは3世代が揃う! レアカラーも!?
WRCにおけるトヨタのラリーマシンは古くからセリカが主流であった。なかでもグループA時代を戦ったST165、ST185、ST205のセリカGT-FOURは、日本メーカー初のチャンピオンマシンとなったこともあり根強い人気がある。一番人気はやはりカストロールカラーだが、それ以前の紅白カラーやFINAカラーも展示された。
セリカのライバルといえばやはりランチア・デルタ!
1987年からのWRCのグループA化から1992年の撤退まで6年連続マニュファクチャラーズタイトルを連覇したのがランチアのデルタシリーズ。デルタといえばマルティニカラーだが、今回展示された中にはオーソドックスなマルティニカラーはおらず、1989年のサンレモラリー1戦限定の通称”赤マルティニ”が2台も参加していた。
ラリーにランサーエボリューションは欠かせない存在
WRCを始め、日本を含む世界のラリーシーンで多くのユーザーに愛されたのが三菱のラリーマシン・ランサーエボリューションシリーズ。特にトミ・マキネンを擁し三菱が大躍進したランサーエボリューションIII以降のモデルが、今回の「コンソルソ・ディ・レプリカカー」に展示された。
ランサーエボリューションのライバルと言えばやはりインプレッサ
1990年代のWRCで活躍した日本車と言えば、セリカ、ランサーエボリューション、そしてスバル・インプレッサWRXだ。WRCを中心としたラリーでの活躍が目立つインプレッサだが、サーキット仕様やラリークロス仕様の姿も。中にはワゴンをレプリカしたものや、インプレッサではなくフォレスターのレプリカもあった。
セバスチャン・ローブとシトロエン黄金時代のレプリカも
WRCにおけるWRカーの群雄割拠時代にある意味終止符を打ったのがシトロエンとセバスチャン・ローブ。ローブは2004年から2012年まで、実にドライバーズタイトルを9連覇。さらにシトロエンもその間、2006年〜2007年にフォードに敗れた以外は7回のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しているのだ。
こんなのアリ!? レプリカの楽しみ方は自由だ!
レプリカカーというとレースやラリーを走ったクルマを忠実に再現することかと思われがちだが、必ずしも然にあらず。オーナーが自由に楽しんでいいのだ。もちろん、クルマとカラーのミスマッチも全然アリだし、それがまた面白いのだ。
イワ散歩に表彰式、そしてフィナーレ
「コンソルソ・ディ・レプリカカー」はクルマを並べて終わりではない。2日目は事務局長のオートスポーツイワセ代表・岩瀬晏弘氏が会場のクルマ回って解説したりオーナーをインタビューしたりと会場を盛り上げた。
今回の「コンソルソ・ディ・レプリカカー」は事務局とオートスポーツイワセとPrototypeが運営し、フォルテックとTEIN(テイン)が協賛。テインからは協賛品としてトートバッグが参加者に配布された。
さらに「コンソルソ(=コンクール)」と名付けられたイベントだけに、27日と28日でそれぞれ表彰も行われた。賞典は事務局からの「大賞」、協賛社であるフォルテックの「フォルテック賞」、この取材を担当した「モーターファン.jp賞」が用意され、事務局からはトロフィーと副賞のフォルテックのオイル、フォルテックからはオイル、モーターファン.jpからは賞状と副賞のムックが授与された。
また、レプリカオーナーズクラブ代表(シトロエンC4WRCレプリカオーナー)による、間近に控えた「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」の告知や、2024年2月24日(土)~25日(日)に開催が予定されている「JAFモータースポーツジャパン イン お台場2024」の告知も行われた。
授賞式と閉会式が終わればあとは退場。参加車両は自走で会場を後にするのだが、この時間に会場となったイーストプロムナードいた人は、実際に動くレプリカカーを見ることができた。置いてあるものだけでなく、実際に動いているものを見るとまた違った印象だったのではないだろうか。