貴重なNA大排気量車も選べる「レクサスRC/RC F」【最新スポーツカー 車種別解説 LEXUS RC/RC F】

2014年のデビューから10年近く。息の長いモデルとなった「レクサス RC/RC F」。年月とともに熟成され、進化を続けてきたラインナップには4つのエンジンをベースにスポーツカーとしては多くの選択肢が用意されている。ヨーロッパ車にはほとんどない大排気量自然吸気のエンジンの貴重さは大きなポイント。技術を大いに吸収しながら、時代にあった安全性やハンドリングを実現している。
REPORT:岡島裕二(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽

ハブボルト締結を新採用 さらに磨き込まれた走り

レクサスRCは、メルセデスのCクラスクーペやBMWの4シリーズをライバルとするスポーツクーペ。ライバルたちは適時フルモデルチェンジを行なったが、RCは10年目を迎える長寿モデルとなった。だが、長く販売を続けているのもデメリットばかりではない。RCはエンジンラインナップが豊富で、2.0ℓ直噴ターボや2.5ℓハイブリッド、3.5ℓのV6があり、頂点には5.0ℓのV8を搭載したRC Fも用意されている。

エクステリア

2022年12月の一部改良で外観デザインは変わっていないが、ハブボルト化に伴いホイールデザインが変更されている。ボディ剛性やシャシーの強化を盛り込み、走りを磨き上げた。
「RC350」が積む3.5ℓ V6は、318㎰/380Nmという必要十分以上のスペック。「RC F」は481㎰/535Nmという強大なパワー、トルクを誇る。すべてのエンジンに直噴+ポート噴射の「D-4S」を採用している。

うれしいのはこのサイズのクーペで自然吸気の大排気量が選べること。最近の欧州車はターボ化が進み、このクラスではV6やV8の自然吸気車はほとんどない。さらに、燃費の良い、レギュラーガソリン仕様のイブリッドがあるのも強みだ。走らせてみても2.0ℓ直4ターボは低速域からトルクフルな欧州車的な加速を見せるのに対し、3.5ℓV6を搭載するRC350は、スムーズな吹け上がりを伴いながら、高回転域まで自然吸気独特の伸びのある加速を楽しませてくれる。RCFになると、さらに過激さが増し豪快な加速を堪能できる。

インテリア

2022年12月の一部改良でセンターディスプレイをタッチパネル化させたことで、インパネアッパーのデザインが変更されている。サイドレジスターの形状は、メーターやアナログ時計、エンジンスイッチなどと同じように丸型になったことで統一感やスポーツムードを高めている。
「F SPORT」は、専用ディンプル本革シフトノブを標準装備する。8速ATは、最新の基準からすると少し変速に間も感じさせる。
足元は2ペダルだけに余裕があり、「F SPORT」はフットレストを含めてアルミペダルに滑り止め加工も施される。

ハンドリングもグレードによって特性が異なる。ハイブリッドは快適性の高いエレガントな乗り味だが、Fスポーツになると引き締まったスポーティな走りが楽しめる。昨年末には改良を行ない、ハンドリングや安全性をさらに向上させ、熟成度を高めている。

Country       Japan 
Debut         2014年10月(一部改良:22年12月)
車両本体価格      581万4000円~1455万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。

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