新たに追加された「Offroad」モードでは、クルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す「トランスペアレントボンネット」機能が使用可能
「GLS」は、メルセデス・ベンツのSUVを表す「GL」に車格を表す「S」が付くその名のとおり、大人7名(マイバッハ仕様は4名)がゆったりと乗車できるゆとりあるボディサイズに、オン/オフロードを問わない優れた走行性能を備えており、上質で高いプレステージ性を持つメルセデス・ベンツの最上級SUVとして位置付けられている。
改良モデルは、フロントマスクやホイールのデザインを刷新したほか、「Eアクティブボディコントロール」を設定(※)。これはエアマチックのシステムをベースに、4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御することが可能だ。
※GLS 580およびマイバッハGLS 600に標準装備。 GLS 450 dにオプション設定。
ロードサーフェススキャンはステレオカメラで前方の路面のアンジュレーションをモニターし、あらかじめダンパーの減衰力を演算して準備する機能で、これによりタイヤへの初期入力から適切に減衰させるとともに、ばね上にその振動を極力伝えずフラットな乗り心地を提供。ダイナミックカーブ機能のCURVEでは、コーナリング時のロールによるばね上の傾きを修正し水平になるよう制御する。オフロードモードでの脱出機能は、砂丘などでスタックした際に抜け出せるよう支援するもので、サスペンションが 4輪を個別に上下させる動作を繰り返し、タイヤが地面に加える荷重を増減させることによりトラクションを復帰させる。また、メルセデス・マイバッハ GLSにのみ設定されているダイナミックセレクトの「マイバッハ」は、「コンフォート」が全席に対して乗り心地の重視するのに対し、後席の乗り心地に焦点を絞った制御を行う。
一方、AMG GLS 63には、高いアジリティとニュートラルなコーナリング、最適なトラクションを実現する「AMGアクティブライドコントロール」を採用。前後アクスルそれぞれに配されたアクチュエーターが独立して動き、車体の安定化を図る。電気機械式でレスポンスが速く、 1秒あたり1000回の頻度で路面の状態に対応した制御を行うことができる。これにより、直進時にはしなやかな足まわりによる快適な乗り心地を発揮しながら、コーナリングや車線変更時にはロールを効果的に抑制し、より快適でダイナミックなドライビングを可能としている。
最新世代版ステアリングホイールの採用もニュース。ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定や安全運転支援システムの設定を手元で完結できる機能性も有している。さらに、従来はタッチコントロールボタンへの接触やステアリングホイールにかかるトルクで判定していた、ディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、リムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用。これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手を向上している。
AMG GLS 63には、AMGドライビングスイッチを備えたAMGパフォーマンスステアリングを採用。センターコンソールのAMGダイナミックセレクトおよびAMGパフォーマンスステアリングのスイッチで、ドライブモードを様々な状況に最適な制御から選べる。また、ドライブモードとは独立して、マニュアルシフトへの切り替えなどがセンターコンソールの液晶表示ボタンで操作することができる。
ダイナミックセレクトには「Offroad」モードが追加された。「Offroad」モードでは、トランスミッションがオフロードモードに切り替わり、雪道や悪路での走破性を高める。また「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートする。
Offroadモードではまた、 360°カメラシステムを使った「トランスペアレントボンネット」機能が使用できる。メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能で、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害を車外に出ることなく確認することができる。
このほか、AR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを標準装備。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、それに加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。これにより、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することができる。
モデルラインナップでは、従来のGLS 400 d 4MATICに48Vマイルドハイブリッドシステム「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェイェンレーター)」を組み合わせることで「GLS 450 d 4MATIC(3.0ℓディーゼルターボ搭載)」として新たに設定。これに4.0ℓV型8気筒ガソリンツインターボを積む「GLS 580 4MATICスポーツ」、612ps/850Nmを引き出す4.0ℓV型8気筒ツインターボ仕様のハイパフォーマンスモデル「メルセデスAMG GLS 63 4MATIC+」、さらに557ps/770Nmの4.0ℓV型8気筒ツインターボを搭載するハイエンドラグジュアリーモデル「メルセデス・マイバッハGLS 600 4MATIC」を加えた全4グレードが用意された。なお、GLS 450 d 4MATICのマイルドハイブリッド化により、改良版GLSシリーズは全グレードで電動化を果たしている。
●メルセデス・ベンツ「GLS」シリーズラインナップ
・GLS 450 d 4MATIC(右ハンドル):1530万円
・GLS 580 4MATICスポーツ(左ハンドル):2030万円
・メルセデスAMG GLS 63 4MATIC+(左ハンドル):2780万円
・メルセデス・マイバッハGLS 600 4MATIC(左ハンドル):3220万円
※価格は消費税込み