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ドリフトも原付も好きでサブロクも自分でイジる
人生は一度きり。同じクルマ趣味にも色々あるから、興味があるのならやらずに後悔するより、やって失敗だったと笑うのがいい。だからと言って、ドリフトを趣味として続けてきた後、サブロクに乗り始める人は少ないだろう。
ホンダZを楽しんでいるオーナーは、若い頃からシルビアやマークⅡなどベースにドリ車へ改造。住んでいる福島県から近いサーキットへ足を運び、熱心にドリフトの腕を磨いてきた。ただ今から10年近く前、もうドリフトはいいかなと思い始めた。
ドリフトはクルマを傷めるから勿体ない気がしてきた。そこで前々から興味のある旧車に転向しようと考えた。というのもオーナーは昔から原付をカスタムするのが大好き。モンキーやシャリィなどの4MINIで遊んできたから旧車に乗るなら同じような感覚で楽しめるサブロクだと思った。
ドリ車も原付もカスタムやチューニングはすべて自分の手でこなした。それもそのはず、オーナーはプロのメカニックなのだ。
外観
ホンダN360は1970年にモデルチェンジしてNⅢへ進化すると、NⅢをベースにしたホンダZを新発売。軽自動車初のクーペらしく最もスポーティなGSには前輪ディスクブレーキとツインキャブが採用された。NⅢがライフに切り替わるとZもライフベースの水冷エンジンになる。72年にシングルキャブのゴールデンシリーズを加え、同年暮れにハードトップに変更された。
SUSPENSION
リヤもフロントと同じハヤシの5J×14インチ。55偏平ならイケるのだ!
ホイールはなんとハヤシの14インチ。これでもフェンダーと当たらない!
ENGINE
ホークピストンや秘密のコンロッドでチューニングしたSPiエンジン。フルトラで始動性高くアイドリングも極低い!
CV! キャブレターはZにはこだわりの純正CVキャブ。
カバー! ベルトカバーは上だけのSPi製。プーリーはすべてメッキがけ。
車高短だけでなくSPiエンジンで走りを磨く
サブロクは他にも所有しており、まず手に入れたのはライフで、ネットオークションで程度の良さそうなのを見ないで落札。届いてみると程度は悪く、ボディをドンガラにしてサビを落として板金屋さんへ。その間にエンジンを組み直してボディの完成から組み上げた。でもその間に乗る旧車が欲しくて、もう一台ライフを手に入れる。今回は後輩に見に行かせて事前にチェックしたものの、届いてみたらやはり程度が悪い。
そこで最初のライフが組み上がった後で頃合いをみて、再び板金屋さんへ預けた。ライフでイベントに出ると、14インチを履くライフに乗る人と知り合う。その人が組んだエンジンに惚れ込み、ライフのエンジンはSPi(スペシャルパーツ・イワモト)製になった。
趣味とはエスカレートするもので、置き場所があると台数が増える。昨年の初めにホンダZが手に入ることになった。するとZもライフ同様カスタムを開始。まずローダウンは必須項目で、下げられるだけ下げたライフより若干高い車高へ落とした。もちろんエンジンはSPi製。Zでこだわったのは純正CVキャブを使うことだ。
室内
外観同様室内も基本的にノーマル。パッと見ただけなら小径ステアリングくらいの変更点。
純正シートは部品取り車から移植した破れ&切れのないもので程度良好。
このHONDA Z HT GTの記事は令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2023年7月号に掲載されたものを再構成したものです。