いすゞ・ホンダが、燃料電池大型トラックの公道実証走行を開始。水素燃料活用の可能性と燃料電池車両の実用性を検証。

公道実証走行を前にテストコースを走るGIGA FUEL CELL
いすゞ自動車と本田技研工業は、両社の共同研究による燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の公道での実証走行を本日より開始することを発表した。2024年9月までの本実証実験を通じて、2027年の市場導入へ向けたデータの取得、知見の蓄積、技術的課題の抽出などを進める。なお、今回の実証走行では、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」のいすゞグループのブースで展示されたものと同型の試作車両が使用される。

背景と目的

公道実証走行を前にテストコースを走るGIGA FUEL CELL

いすゞとHondaは、高効率輸送(長距離走行・高積載量・短時間での燃料供給)が求められる大型トラックのカーボンニュートラル化において、CO2排出ゼロの水素を燃料とするFC技術が有効であると考えている。両社は、2020年1月にFC大型トラックの共同研究契約を締結。FCの大型トラックへの適合性の検証や、車両制御など基礎技術基盤の構築を進めており、2027年をめどに共同研究で得られた技術や経験・知見を最大限に生かした量産車両の市場導入が予定されている。

今回は、いすゞ・Hondaそれぞれの物流グループ会社であるいすゞロジスティクスとホンダロジスティクスの協力を得て、公道での実証走行を行うことで、水素燃料活用の可能性と燃料電池車両の実用性が検証される。

実施概要

  • 期間:2023年12月~2024年9月(予定)
  • 場所:関東近郊(栃木・埼玉・東京・神奈川の1都3県を予定)
  • 事業者:いすゞロジスティクス、ホンダロジスティクス
  • 使用台数:1台

主な検証内容

■実用面

  • 荷役作業や公道走行による車両実用性の検証
  • 水素充填を含めた車両運行管理

■車両開発

  • FC大型トラックの市場適合性
車両ベース車型CYJ77C-WX 低床4軸8×4
全長/全幅/全高11,980mm /2,490mm / 3,770mm
車両総重量25t
燃料電池スタック種類固体高分子形(Honda燃料電池スタック)
出力103kW×4
高圧水素システム充填圧力70MPa
搭載水素量56kg
電動機(モーター)種類交流同期電動機
出力定格320kW
高電圧バッテリー種類リチウムイオンバッテリー
航続距離800km以上(いすゞ評価モード)
その他装備外部給電ポート2ポート(CHAdeMOコネクター)
最大電力供給量 530kWh

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