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小さく維持費も安くつい買ってしまう?
サブロク時代の軽自動車はとんでもなく小さい。それは当時の規格が今とは違うからで、全長は3メートル以内、全幅は1.3 メートルでしかない。これは昭和25年に決められた規格で、なんと550cc規格になる昭和51年まで続いた。この規格がスタートした頃はエンジン排気量が2ストと4ストで異なり、2ストは200cc(翌年に240 ccへ拡大)、4ストは350cc(翌年に360cc)ととても小さかった。
またサブロク時代の特徴としてナンバープレートが白い小判であることも挙げられる。サイズ的には軽2輪などと同じもので、昭和51年以降は現在と同じ黄色い大判に変わった。おまけに白い小判時代のサブロクは車検時の重量税が免除されている。
小さくてお財布の負担が少ない、まさに庶民の味方がサブロクだ。そんなサブロクだからこそ車庫に余裕がなくても、なんとなく維持できるような気になる。今回のスバルオーナーも、そんなサブロクの魅力にハマって「ついつい買ってしまった」人だ。
外観
1958年に限定販売され、翌年から本格的な量産を開始した元祖大衆車であるスバル360。高度経済成長とともに販売台数が増えると量産効果が得られて、年々新車価格が下がっていった。デラックスからデメキン顔が変更され、その1年後にスタンダードもスタイル変更。64年にエンジンが分離給油式へ、65年にオーバートップ付きが新設定。68年に最終型となり70年に生産終了。
SUSPENSION
足元は純正の合わせホイールとメッキホイールカバーのままで済ませた。
リヤもフロントと同じ純正合わせホイール。タイヤは電気自動車用だ。
ENGINE
エンジンは調子が良いので購入時から一度も開けていない。もちろん排気量含めノーマルのままだ。
レギュレーターはなんとまだまだ新品が手に入るそうだ。
エアクリーナーケースはボロかったので自家塗装した。
友人が乗り付けたスバルに影響された
このスバルのオーナーは、以前から熱心なバイク乗り。今ではホンダCB750フォアK1やリジッド時代のモンキーM型、ラビットスクーターなどを所有されている。そのため自宅に立派な車庫を構えて愛車を雨風から守っている。
そんな自宅なので、休日には古いバイク仲間たちがやってくる。ある時、仲間の一人がいつものバイクではなくスバル360でやってきた。その姿を見ているうちに、オーナーもいつしか「欲しい」と思ってしまったのだ。
野外でスバル360の取材撮影をしていると、結構な確率で女性から声をかけられる〈女性と言っても60代以上なわけだが…)のだが、それは御覧の通り、スバル360がそれだけ可愛らしいスタイルをしているからだ。オーナーもこの可愛らしいスタイリングにやられてしまい、東京・清瀬の老舗専門店へ…。すると程度の良いフルノーマルの最終型デラックスを発見。その場で「ついつい買ってしまう」ことになった。
納車後、まず行なったのはローダウン。トーションバーを抜いて反対側で組むと、驚くほど車高が下がる。でも、それ以上はイジる気はなくルーフの塗装を赤くしただけだ。意外にシンプルで、ほぼノーマル。あとは室内に小物を追加して楽しんでいるという。
室内
最終型はステアリングからホーンリングがなくなるため、中期型用を探して入れ替えた。
7万キロ台のオドメーターは実走行距離かも?
このスバル360の記事は8/21発売の令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2023年10月号に掲載されたものを再構成したものです。