「MFゴースト」の舞台をBRZで走ってみた【SUBARU BRZ長期レポート】

BRZで初めて箱根に訪れた。
2023年秋アニメ(10〜12月放送)はモータースポーツをテーマとした作品が2作連続して放送するという、なかなか珍しい事態となった。そのうちの1作であるしげの秀一先生原作の「MFゴースト」の舞台である箱根にBRZで行ってきた。じつはBRZで箱根に行ったのはこれが初めてだ。

TEXT & PHOTO:松沼 猛(MATSUNUMA Takeru)

「MFゴースト」を簡単に説明すると、世界中でエンジン車の生産が中止となり、自動運転システムを搭載したEVやFCVが走る時代に、エンジン車を使用した公道レース「MFG」にトヨタ86(初代)で参加する主人公の物語。秋アニメに放映された第1クールでは開幕戦「小田原パイクスピーク」を中心に展開。開幕戦のコースはアネスト岩田ターンパイク箱根の料金所をスタート。大観山から箱根関所南まで椿ラインをダウンヒルして国道1号線、一夜城下通りを回ってターンパイク入口まで周回する。

アニメではタイムトライアルによる予選と2周の決勝レースをしているわけだが、当然なながらそんなことはできないので、コースを軽く流すだけ。

せめてスポーティ気分でも味わっておこうと思い、トラクションコントロールをオフにしたトラックモードに切り換えて、タコメーターがバーグラフ表示にしてみた。

メーターはトラックモードに切り換えてタコメーターはバーグラフ表示にしてみた

ターンパイクは取材申請が有料なので、今回は撮影なし。ここはコース全域にわたってヒルクライムとなり、NAエンジンのBRZでは少々パワー不足を感じるものの、その分ブレーキの負担が少なく、コーナーも比較的緩いのでそこそこ楽しむことができた。ターンパイクの制限速度は50km/h。この速度域ではタイヤ(ミシュラン パイロット スポーツ4)のグリップ力が抜けるようなこともなく、スキール音もでない。唯一クルマを降りた時に感じる匂いからタイヤがしっかり仕事してるんだなぁと感じるぐらいだ。

椿ラインは一転してタイトコーナーが連続するダウンヒル。こちらも制限速度の範囲内ならBRZのブレーキング性能、コーナリング性能共に何ら不安はない。

国道1号線は椿ラインほどタイトコーナーではないので、イージードライブそのもの。回頭性が良いので制限速度の範囲内ならブレーキを踏まないでも曲がれるコーナーが多くてそこそこ楽しめた。これもFRで低重心だからこそなのかもしれない。

箱根湯本が近くなると渋滞が始まったので大きくペースダウン。まぁ、ガラガラだったとしても「MFG」のようなハイスピードバトルで箱根湯本を走れるわけはないのだが。

アニメでは新旭橋(左)と旭橋(右)を使った大バトルが展開していた

箱根湯本の駅前を通過して「かまぼこストレート」の終わり付近にあるCAFE107で小休止。「かまぼこ」とは路面形状のことではなく、CAFE107の向かいにある「鈴廣かまぼこの里」のこと。なおCAFE107の107は、ここに保存されている箱根登山鉄道モハ1形107号が由来。ちなみにこの場所は箱根駅伝の中継所としても有名だ。

初めて箱根をBRZで走った感想だが、制限速度の範囲内だと極めてイージーで、リラックスして走ることができた。また、何度かの長距離ドライブで感じてはいたが、高速道路走行や、ワインディング、そして渋滞など色々なシチュエーションでの走行を通じてほとんど疲労しない事を実感。これはシートの作りやノイズ対策などもしっかりできてるってことなんだろうと思っている。

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著者プロフィール

松沼 猛 近影

松沼 猛

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる…