【火曜カーデザイン特集】新型トヨタ・アクアのデザインをデザイナーが語る

新型トヨタ・アクア 担当デザイナーが新型アクアに向けたコメントを公表 Harmo-teckがもたらす人と寄り添うカタチ

トヨタから新型アクアが発表された。一見するとキープコンセプト。しかし、その実、新型アクアに示されているのは、先進性よりも人に寄り添う温もり。ここでは新型アクアに対する思いを、担当したデザイナーの言葉から紹介しよう。

新型トヨタ・アクアの発表に伴って、担当デザイナーの方からのコメントが公表されている。併せて公開されたデザイン解説ボード、スケッチと併せ、そのコメントからアクアに向けたデザインの考え方やその奥にある情熱を感じ取ってみよう。

アクアを愛してやまない、優しさに満ちた開発の裏側が見えてくる。

中間スケッチ
プロジェクトチーフデザイナー トヨタ自動車東日本 友岡慎吾さん

AQUA

その名のとおり、人にとって無くてはならない水のような存在
それは、ときには相棒、ときにはライフラインとして、
新しい時代に乗る人の気持ちに寄り添ったクルマでありたい

そんな想いからデザインがスタートしました。

中間スケッチ
デザインコンセプト/インテリアデザイン担当 トヨタ自動車東日本 藤嶋亮達さん

Harmo tech

次のアクアは、子供のころに想像したようなぶっとんだ未来感ではなく、
人の近くにある親しみある先進が大事、
というイメージがぼんやりとありました。
先進技術が人に寄り添う=Harmonizeする。
そういう世界こそ相応しいと考えました。

エクステリアデザイン担当 嶋田佳洋さん

Teardrop

コンパクトカーならではの気楽さと、日常に心地よい彩りを与えてくれる存在を目指し
初期イメージを膨らませました。
伸びやかで有機的な心地よさを感じるオブジェからインスピレーションを得て、
キャラクターラインに頼らない
シンプルでアイコニックなアクアモーションが生まれました。

エクステリアデザイン担当 トヨタ自動車東日本 伊藤将太さん

Quick Modelling

人に寄り添う先進を表現するために、
たくさんのクイックモデルを作りました。
様々なカタチを探るために3Dツールをアイデアスケッチを描く感覚で使っています。

エクステリアデザイン担当 トヨタ自動車東日本 上野美夏さん

精悍さと親しみやすさ

アクアの表情はかわいいでもなく、陰険でもない、
精悍さと親しみやすさのちょうどいいバランスに
最後の最後まで苦労しました。

自分のテイストをPC内で変形させたりと、
強制的に変えることを意識して
手描きでは描かない表情にトライしました。

インテリアデザイン担当 村井亜衣さん

Drop shadow

偶然とある写真を見て
「元々ひとつのものを割ってずらして、そこに機能部品が使いやすくまとまっていたら」
というシンプルで新しい造形×機能のイメージが湧きました。
同時に幅広いお客様に寄り添える
素材配置もできるテーマだと閃きました。

Harmo-teckを具現化する新型アクアのデザイン
前傾する塊りが動感を表現しながらも、水平のリヤセクションと融合することで強い安定感も表現。
インテリア、エクステリアに共通する機能を集約しフローティングエレメントを採用。
仕様で異なるカタチ。その一つひとつに思いをのせて。
先進に走りすぎずシックさ上質さで温もりを表現。

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著者プロフィール

松永 大演 近影

松永 大演

他出版社の不採用票を手に、泣きながら三栄書房に駆け込む。重鎮だらけの「モーターファン」編集部で、ロ…