「アウディ e-tron」の3弾目として登場した「Q4 e-tron」。SUVのQ4とクーペSUVのQ4 スポーツバックの2種類がラインナップ。エクステリア、インテリア共にスタイリッシュでプレミアムなムードを漂わせアウディらしい繊細さが表現されている。性能も始動停止のオン/オフはシンプルな操作で完結し、2tを超える車重ながらリヤモーターによる後輪駆動らしい走りもポイント。ボディカラーも寒色系の落ち着いた8色が用意され、エレガントでプレミアムな存在感は際立っている。
REPORT:岡本幸一郎(本文)/今 総一郎(写真解説) PHOTO:中野幸次
RWDがもたらす軽快な走り 傾斜形状のコクピットも新鮮
VWグループのBEV専用プラットフォームである「MEB」アーキテクチャを採用しており、内容的にはVW ID.4と共通性が高い。
エクステリア
e-tronとしては第3弾となり、数字が示すとおり、サイズ的にはQ3とQ5の間に位置する。スポーツバックとの2本立てとなるが、どちらもスタイリッシュでスペシャルティなムードがある。空力性能も高く、Q4 e-tronで0.28、同スポーツバックは0.26のCd 値を達成しているというから驚く。
インストルメントパネル
インパネはドライバー側に向けて大きく傾斜し、センター部分が浮揚したような独特の形状のコンソールには、専用デザインのシフターが配されている。スタートボタンを押さなくても、ブレーキペダルを踏むだけでイグニッションをONにできるほか、「P」ポジションがなく、停車時もサイドブレーキボタンを押してブレーキペダルから足を離すと連動してイグニッションがOFFになる。
居住性
広くて使いやすい荷室はID.4と同様だが、リヤシートに3分割可倒式を採用している点が異なる。2tを超える車両重量を感じさせない走りには、リヤモーターによる後輪駆動も効いている。最小回転半径が5.4mと小回りがきくのも後輪駆動なればこそに違いない。
うれしい装備
走行モードを変更できるアウディドライブセレクトを搭載。「Efficient」を選ぶと効率的な速度域がスピードメーター上にグリーンで強調される。
速度制限を掛けて航続距離が最大になるように補助するレンジモード。エアコンなども制限されるため、応急処置として活用したい。
月間販売台数 NO DATA
現行型発表 22年1月
一充電走行距離 ※WLTCモード 14.8km/l ※ハイブリッド車
ラゲッジルーム
通常時
後列格納時
ホイールハウスの凹凸はあるものの、4対2対4で倒せる後席を倒しても荷室フロアはフラットで実用性は高い。ちなみに、クーペSUVのスポーツバックとの違いは荷室高が10㎜高い点のみ。フロア下には深さ130㎜の床下収納がある。
価格は機構的にほぼ共通のID.4に対してそれなりにプラスとなっているが、これぐらいの価格差ならこちらを選びたくなる。このクラスで最もスペシャルティなムードをもったBEVだと思う。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.153「2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。
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