トヨタ系のレーシングカンパニーであるトムスは今年で設立50周年。昨年はスーパーGTとスーパーフォーミュラのダブルタイトルを獲得するなど、設立時に目指した「最強のレーシングチーム」は実現されたと言えるだろう。
そんなトムスが『東京オートサロン2024』に出展。12日(土)のプレスカンファレンスで重大な発表が行われた。
レストア事業への参入を発表! レストモッドした80スープラをアンベール!!
トムスブースの中心にはベールをまとったクルマが1台展示されており、これがプレスカンファレンスでアンベールされるのは明らかだった。しかもそのシルエット、ベールに浮かび上がるライトからこれがA80系のスープラであることは明らかだが、これが意味するものとは……?
そして、プレスカンファレンスではトムスのレストア事業への参入が発表された。その意義として、
1:世界で注目される日本の旧車
2:日本の代表的なクルマ文化の継承
3:旧車を現代に蘇らせるすべての要素をトムスが保有
が挙げられた。
そのサービスとして、
・レストア
・レストモッド
・部分レストア/ヘリテージパーツ
を予定しているという。
そのケーススタディとして、トムスがレストモッドしたA80型スープラがアンベールされた。
レストモッドとは、「レストア+モダナイズ」の造語で、単純にレストアするだけでなく現代でも通用する内容にモダナイズする手法。
アンベールされたスープラはオリジナルの雰囲気を活かしつつ、トムスのカスタムカーとしての完成度を感じさせる仕上がりだ。
ベース車両は2000年式のGF-JZA80のTRD3000GT。レストアに加え現代的なアレンジで、勝つために設計されたパーツは美しい機能美を取り戻し、現代的になったエアロはスタイルだけでなく空力性能や冷却性能は向上させている。
足まわりもTOM’S製Advox Sportを装着するほか、TOM’Sブレーキシステムはブレンボとのダブルネーム。フットワークや制動力も現代的な性能が期待される。
19インチホイールに装着されるタイヤはブリヂストン・ポテンザRE-71RSが確実なグリップをもたらしてくれるだろう。
完成予価も発表されており、その額は2500万円。TRD3000GTは30台が販売されたという希少車。当時、ワイドボディキットだけでも92万円という価格設定だった。ネオクラシック世代のジャパニーズスポーツカーが世界で高騰する昨今、2500万円を高いと見るか適正価格と見るか……とはいえ、日本車の黄金時代とも言われるこの世代のクルマが世に残ることは間違いなく、大いに歓迎したい新規事業と言えるだろう。