前回の『東京オートサロン2023』にプロトタイプ的な存在として展示された、元チーム・トヨタのキャプテンである細谷四方洋さんが乗ったトヨタ2000GTグランプリ15号車のレプリカを覚えているだろか。製作したのは愛知県岡崎市のロッキーオートで、以前はハコスカやケンメリなどのスカイラインやS30フェアレディZにRBエンジンをスワップした公認車両を販売していたことで知られる。そのロッキーオートが近年、力を入れてきたのがトヨタ2000GTのスタイルを現代に甦らせたROCKY3000GT。ところが『東京オートサロン2023』には2リッター直列6気筒エンジンを搭載する15号車レプリカが展示され話題となった。過去に「ロッキーオートの新たな野望! ロッキー3000GTが5ナンバーサイズでリニューアルする?」という記事で紹介しているので参照してほしい。
過去の記事でも触れたように、この15号車レプリカは今回展示された車両のプロトタイプでもあったのだ。ロッキー3000GTはトヨタ2000GTのスーパーレプリカとして販売されてきたが、やはりマニアからは2リッターエンジンでの再現が熱望されてきた。そこでロッキーオートでは新たにボディを作り直してまでして、2リッターエンジンでの再現を試みてくれたのだ。
肝心のエンジンルームは残念ながら撮影NGだったため紹介できないが、2リッター直列6気筒DOHCエンジンであることに間違いはない。そのため5ナンバーでの登録となり、本物と同じような風情を楽しむことができるのだ。スタイルのベースになっているのはトヨタ2000GTの前期型で、ご覧のようにボンドカーと同じオープンボディとなっている。本物のボンドカーを手に入れるのは不可能であるため、ボンドカーに憧れてきた人なら垂涎の的となることだろう。
以前の記事でも触れたように室内にはウォールナットによるウッドパネルが採用された。トヨタ2000GT前期型のハイライトとも呼べる部分であり、しっかり再現してあることに脱帽。とはいえ本物と違いパワーステアリングやオートエアコンが装備されているので操作パネルや細部の造形は異なるものの、風情を楽しみながら快適ドライブができるのだから最高だろう。また展示されたオープンボディ車はATモデルだった。トランスミッションが他にも選択できるかどうかは直接ロッキーオートへ問い合わせてほしい。
ブースにはオープンボディだけでなくクーペももちろん展示された。クーペスタイルはやはり2000GT前期型をベースで、実車から採寸したディメンションをもとにCADにより再現されたもの。寸分違わぬというと語弊はあるが、並べて見比べない限りレプリカとは思えない仕上がり具合となっている。ダブルバブル形状とされた特徴的なルーフや2本出しのキャプトンタイプマフラーなど、細部まで抜かりなく再現されている。
トヨタ2000GTに採用されたのはマグネシウムホイールだった。さすがに素材まで合わせてはいないものの、純正ホイールのイメージを再現したアルミホイールを新たに作り出している。以前の3000GT用とは微妙にデザインが異なり、すべてがイチから製作されたものだとわかる。5ナンバーで甦ったとなるとマニアからの注目がより集まることだろう。すでに注文を受け付けており、1台1台がハンドメイドによる製作となる。価格や納期についてはロッキーオートへ問い合わせてほしい。