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2023年12月30日にモナコをスタートした、ダカールラリーに並ぶ過酷なラリーレイド『第15回アフリカエコレース』は、2024年1月14日、アフリカはセネガルのダカールでゴールを迎えた。
今大会のルートは、2023年12月30日のモナコのセレモニー・スタートに始まり、フランスのセット港からアフリカ大陸モロッコのナドールへ移動、2024年1月2日から本格的な競技を開始。西サハラ、モーリタニアを通過し、1月14日にダカールラリーでもおなじみのセネガル共和国の首都ダカール、ラック・ローズ海岸にゴールするという約2週間の行程。全走行距離5902km 、ステージ数12 、SS 総競技距離3951km に及び、ステージ設定も難度を増して、これまでで最も過酷なレースとなった。
この大会にはダカールラリーで“砂漠の鉄人”と称された現役世界最高齢のラリードライバー、菅原義正選手(82歳)が参戦、スズキの軽自動車ジムニーで見事に完走を果たした。
菅原選手は長年参戦したダカールラリーを2019年に勇退。その後、かつてのパリ=ダカール・ラリーをオマージュしたアフリカエコレースに初参戦し、2020年、22年と完走(21年は新型コロナウイルス感染拡大により開催中止、23年は開催時期移行のため未開催)。そして今回も無事にゴールし、3度目の完走を果たした。
菅原選手はエキップ・スガワラとして、ダカールラリー参戦時より旧知の松本尚子選手をコドライバーに迎え、4輪OPクラスにスズキの軽自動車ジムニーで参戦。前半戦では砂丘で暴走してきた他のラリー車に、開いていた右ドアを弾き飛ばされるなどのトラブルも発生。しかしコドライバーの松本選手の的確なナビゲーションや、堪能なフランス語も強力な後押しとなり無事に完走を果たした。
また菅原選手の「どうしても“軽”でアフリカを走りたい」というこだわりから選ばれたスズキのJB64ジムニーも、660cc という小排気量のエンジンながら、タイヤの空気圧を0.3まで落として砂丘を登るなど、日本が誇る“軽自動車”の素晴らしさを十分に世界にアピールすることになった。
■菅原義正選手コメント
無事に到着できました。ありがとうございます。
ーー気分はいかがですか?ーー
暑い。暑い。外気温が38度ぐらい。今はラック・ローズの湖を右に見て、これから表彰台に上がって最後表彰されるところです。
無事にゴールできてよかったです。
ーージムニーはいかがでしたか?ーー
最高に調子よかったですよ。メカニックなしで出ている人なんてウチぐらいしかいないですし。本当にエコレースでしたよ。
日本の誇りである軽自動車のジムニーでダカールをスタートから完全に砂丘も全部通って完走したという事に、我々は喜びを感じております。
尚、帰国後にYouTubeで完走報告会が開催される予定とのこと。
*詳細は決定次第、菅原義正公式インスタグラム(https://www.instagram.com/jimny_africaecorace/)にて告知いたします。
アマチュアライダー田中選手も見事に完走、夢を実現
尚、菅原選手と同様、今大会に唯一日本から2輪のMOTULクラスにハスクバーナで参戦、『Motor-Fan BIKES(モーターファンバイクス)』にも連載を持つ田中愛生選手も初挑戦ながら見事に完走(但し累積タイム・ペナルティによりランキング外)。ラリーレイドはおろか海外レース参戦さえ初めてという、バイク好きのアマチュア選手が働きながら、クラウドファンディングで一部資金を集めるなど苦労の果てに夢を実現している。