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ジムニーといえば走破性の強化を図るカスタムが王道
ジムニーが登場したのは、今から50年以上も前の1970年。当初は土木・建設・林業などの現場で活躍する「プロの道具」としてデビューしたが、手軽にアウトドアを楽しめるコンパクトな4WDとして、一般ユーザーにも好評を博した。悪路走破性を高めるラダーフレーム構造は、現行型のJB64やJB74でも踏襲され、軽自動車唯一の本格的クロカン4WDとして高い人気を誇っている。
そんな背景を持つジムニーは、以前からカスタムチューナーからさまざまなカスタムパーツが販売されていて、ジムニーの性格上、ホイール、タイヤ、サスペンションといった走破性を強化するパーツが大半を占めている。
これまでの東京オートサロンでも、毎年さまざまなカスタムチューナーが意欲的なコンセプトカーや新作パーツを展示しており、今回の「東京オートサロン2024」でもジムニーの王道カスタムといえるバリバリのオフロード仕様が存在感を誇示していた。まずは目に留まったオフロード志向のカスタムカーを紹介していこう。
【エヌズ・ステージ×ジムニーワールド】
■JIMNY SIEERA LITTLE MONSTER
一番手は全国でジムニー専門店を展開するエムズ・ステージ×ジムニーワールドのコンセプトモデル。大胆にボディ上部をカットしたオープンモデルとして製作し、一般公道を走行できるよう車検を取得。本来はWORK CRAG GALVATRE2+オープンカントリーM/Tを履くが、東京オートサロンでは雪道走行ができるクローラー仕様を展示。スノーモービル風のフォルムで、ひときわ注目を浴びていた。
【Showa Garage】
■Showa Garage concept car(公道走行不可)
旧型ジムニーを彷彿とさせるコンセプトカーで、同社がトライアル競技に参戦していたころの車両をオマージュし、現代風にモデファイした迫力の1台。
【K3(ケイスリー)】
■JB64 ”塙”スペシャル(公道走行不可)
JA11時代からジムニー・カスタムを手掛けるK3が、今現在最高と思われるパーツをベースに、チューナーとしても名高いオフロードレーサーの塙 郁夫氏の手によって組み上げた競技車両。とにかく、シンプルにJB64のポテンシャル向上のみを考えて製作されている点がスマートだ。
2024年のジムニー・カスタムは角目がトレンド⁉
ジムニーといえば、登場以来、一部のモデルを除いて丸目2灯のヘッドライトがアイデンティティのひとつとなっており、その愛らしさから女性にも人気が高い。そのせいか、現行型のJB64やJB74ベースのカスタムでは、丸目2灯のヘッドライトはそのままに、グリルデザインを変更するスタイルが定番となっていた。
ところがである!ジムニーのドレスアップで有名なダムドのブースを覗いてみると、“ヨーロピアンマスターピース”というテーマを掲げ、角目2灯と変形丸目4灯のジムニーが展示されていた。前者は「little 5.<cinq>」というモデルでルノー・サンクをイメージしたデザイン、後者は「little Δ.<delta>」というモデルでランチア・デルタをイメージしたデザインを採用。さらに、ダイハツ・アトレイやデッキバンをベースとした「ATRAI FUZZ」というシリーズでは、シボレー・シェビーバンを模したような縦型角目4灯を採用したモデルが展示されていた。
ドレスアップ・コンパクトカー部門で最優秀賞を受賞したジムニーも角目!
「東京オートサロン2024」では、毎年恒例となっている「東京国際カスタムカーコンテスト2024」も開催されたが、ドレスアップ・コンパクトカー部門で最優秀賞を受賞したALPINE STYLEのジムニー「Beas+」のヘッドライトも角目2灯だった。ALPINE STYLEは、今年から「Cal‘s Motor」というブランドを掲げ、旧き良き時代のカリフォルニアをイメージしたキャルルックなデザインを採用していおり、メッキグリル+角目というのは、ある意味で必然かもしれない。
ジムニーのカスタム路線はオフロード志向とアーバン志向の二極化の様相
ジムニーの角目化傾向は、ダムドやALPINE STYLEに留まらず、4輪車~2輪車まで販売やカスタムを手掛けるMarvelousのJIMNY XJ-STYLEでも角目2灯が採用されていた。こちらもALPINE STYLEと同様、コンプリートカー(新車)での提供だが、初代チェロキーをイメージさせるシンプルなグリルデザインを採用し、渋めに仕上がっている。
ジムニーといえば、これまでは丸目2灯というイメージが定着していたが、今回の「東京オートサロン2024」では、角目化されたカスタムカーがちらほら出展されており、ジムニーのカスタムシーンに一石を投じた印象がある。
とはいえ、軽自動車ベースでありながら、どんな悪路でも軽々とクリアできるジムニーは、オフロード志向のニーズが依然として高く、これから先も走破性の高めるための新型パーツは供給されるだろう。その一方で、角目のヘッドライトを採用したアーバン志向のカスタムも進化していくはず。ジムニーのカスタムシーンは、これまでのオフロード志向に加え、アーバン志向も登場して2極化の様相を呈している。