上級車種同等の剛性感が秀逸 動力性能や乗り心地も好印象

2020年から22年にかけて3年連続で輸入SUV販売台数No.1の座についたのがVWポロをベースにSUV化されたT-Cross。コンパクトなボディサイズながら現在のVWラインナップの中でもスタイリッシュ度が際立つ1台だ。

エクステリア

「R-Line」は専用デザインのバンパーや18 インチアルミホイールなどでスポーティに仕上げたグレード。他グレードのホイールサイズは「TSI Style」が17インチ、「TSI Active」は16インチと差別化される。

グレードは「アクティブ」、「スタイル」、「R―ライン」が揃い、エンジンは3気筒1.0ℓターボ、116㎰、200Nmの1種。ミッションはVW自慢の7速DSG(セミAT)。駆動方式はFFのみ。グレード差はタイヤサイズと装備類の違いだ。

インストルメントパネル

オプション設定されているジェスチャーコントロール対応ナビやフル液晶のデジタルメーターを装着すると、EVの世界観にマッチしたデジタルコクピットを実現できる。自然な運転姿勢でノーズ位置が把握できるのも美点といえる。

インテリアは特に豪華ではないが、特筆すべきはパッケージ。後席は140㎜のスライド機構が付き、後端位置にセットするとゴルフⅦよりもずっと広いニースペースが出現。それでいて荷室も幅、奥行き、天井ともに十分だ。気になるのはポロ同様に電子パーキングブレーキが未採用(レバー式パーキングブレーキのまま)であることだろうか。

居住性

全グレードに共通する走りっぷりは、まずVWの上級車種同様の剛性感、しっかり感が印象的だ。エンジントルクはVWの4気筒版に比べ細く感じられるものの、合流加速や登坂路などでは全車標準のパドルシフトのシフトダウン操作で解消。

うれしい装備

エアコンパネルは指先でなぞるようにして操作するタイプだが、タッチ部分を凹ませることにより、ブラインド操作がしやすくなっている。
後席の使いやすい位置にUSB-C電源が2 個用意してあるのもうれしい。タブレットなどのバッテリー切れを気にせず楽しく過ごすことができる。
月間販売台数        579台
現行型発表         19年11月(一部仕様変更 21年9月)
WLTCモード燃費       16.9 ㎞/ℓ

ラゲッジルーム

乗り心地はやや硬めだが、平坦路での十二分な動力性能、市街地での走りやすさ、扱いやすさはもちろん、高速走行でのフラットな乗り心地とクラスを超えた安心感、山道では悪路に対応する最低地上高180㎜を感じさせない低重心感覚、安定感の高さが好印象。誰にでも薦められる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.153「2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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