ポルシェが新型マカンを発表! 二代目はポルシェ初となるフル電動SUVで一充電航続距離は最大613km

マカンターボ
1月25日、ポルシェは全面改良を受けてフル電動モデルに生まれ変わった新型「マカン」を発表した。予約受注開始日や車両価格など、日本仕様の詳細は追って発表される。

前後2モーター合わせて408ps/650Nmを発揮する「マカン4」と、639ps/1130Nmの「マカンターボ」を設定。0-100km/h加速タイムはそれぞれ5.1秒と3.3秒

マカンは初代の発売から10年を経て、フル電動モデルの第二世代に移行した。新型「マカン4」と「マカンターボ」は、時代を超越した先進的なデザイン、ポルシェならではのパフォーマンス、長い航続距離、そして高い実用性によって、SUVを選択するポルシェユーザーの要件を完全に満たすことを目指して開発された。ポルシェAGのオリバー・ブルーメ取締役会会長は、シンガポールで行われたワールドプレミアにおいて次のように述べた。
「卓越したEパフォーマンス、新しいドライバーエクスペリエンス、そして非常に印象的なデザインによって、マカンをまったく新しいレベルに引き上げます」

マカンターボ

「当社の目標は、フル電動化されたマカンによって、このセグメントで最もスポーティなモデルを提供することにあります」と、マカン製品ライン担当のイェルク・ケルナー氏。ポルシェは、フロントとリヤのアクスルに最新世代の永久励磁型PSM電気モーターを採用することで優れた効率を達成し、出力の最適な再現性を可能にしている。数値からもトップクラスのEパフォーマンスであることがわかる。ローンチコントロールとの組み合わせにより、マカン4は最高出力300kW(408ps)のオーバーブーストパワーを発生し、マカンターボは最高出力470kW(639ps)を誇る。最大トルクはそれぞれ650Nmと1130Nm。これにより、優れた走行性能が保証される。静止状態から100km/hまで、マカン4は5.1秒、マカンターボはわずか3.3秒で加速し、最高速度はそれぞれ220km/hと260km/hに達する。

マカンターボ

800Vアーキテクチャーを備えた新しいプレミアムプラットフォームエレクトリック電気モーターは、アンダーボディに搭載された総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーからエネルギーを取り出し、そのうち最大95kWhをアクティブに使用することができる。HVバッテリーは、ポルシェが新型マカンで初めて採用した、800Vアーキテクチャーを備えた新開発のプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の中心コンポーネント。DC充電出力は最大270kWで、このバッテリーは適切な急速充電ステーションで約21分以内に10%から80%まで充電することができる。400Vの充電ステーションでは、バッテリー内の高電圧スイッチにより、800Vのバッテリーを定格電圧400Vのふたつのバッテリーに効果的に分割することでバンク充電が可能になる。これにより、HVブースターを追加することなく、特に効率的な最大135kWの充電が可能に。家庭用充電器では最大11kWのAC充電に対応する。

マカン4

走行中には電気モーターを介して最大240kWのエネルギーを回生。インテグレーテッドパワーボックス(IPB)も、軽量化と省スペース化を実現しながら電動化されたマカンの効率性に貢献する。革新的でコンパクトなIPBは、オンボードACチャージャー、高電圧ヒーター、DC/DCコンバーターの3つのコンポーネントを組み合わせている。複合航続距離(WLTPモード)は、マカン4で最大613km、マカンターボで最大591kmだ。

マカン4

新型はボンネットの浅いピッチと力強く主張したフェンダーが、全長4784×全幅1938×全高1622mmのミッドサイズSUVに、静止しているときでさえダイナミックな外観を与えている。先代モデルより86mm長い2979mmのホイールベースは、フロントとリヤの短いオーバーハングによって相殺されている。新型マカンには最大で22インチのホイールが装着される。

マカン4

ヘッドライトはふたつのパートに分かれており、4灯のデイタイムランニングライトを備えたフラットなアッパーライトユニットは、フェンダーに埋め込まれて車幅を強調する。オプションのマトリックスLEDテクノロジーを採用したメインヘッドライトモジュールは、フロントエンドのやや低い位置に配置された。ポルシェの特徴であるフライラインは、フラットなリヤウインドウと一体になっている。特徴的なサイドブレードを備えたフレームレスドアとの組み合わせにより、スタイリッシュでスポーティなデザインが実現した。強調されたショルダー部が、リヤに力強い印象をもたらす。彫刻的な3Dライトストリップの中央にはポルシェロゴが配置されている。

マカン4

よりシャープなプロポーションとポルシェデザインのDNAにより、第二世代のマカンはダイナミックで圧倒的な存在感を放つ。スタイルポルシェ責任者のミヒャエル・マウアー氏は次のように述べている。
「フル電動マカンによって、確立された製品アイデンティティを電気自動車に引き継ぐ初のポルシェを発表します。新型マカンは、ポルシェの製品ファミリーの一員であることを、そのブランドアイデンティティによって明確に認識することができます。ポルシェの伝統的なプロポーションはさらに進化し、電気自動車の課題に最適に適合しています。これにより、マカンのスポーティ、モダン、ダイナミックな外観がさらに強調されました。このデザインは、マカンが電気自動車であっても、このセグメント随一のスポーツカーであり続けることを明確に示しています」

マカン4

ポルシェは、そのデザインDNAと航続距離のために、最適化されたエアロダイナミクスを融合させた。新型マカンは、アクティブおよびパッシブエレメントを採用してCd値(空気抵抗係数)を0.25に抑えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)によって、市場で最も流麗なSUVのひとつとなり、航続距離と消費電力にプラスの効果をもたらす。PAAシステムには、アダプティブリヤスポイラー、フロントエアインテークのアクティブクーリングフラップ、完全に密閉されたアンダーボディのフレキシブルカバーが含まれる。ヘッドライトモジュール下のエアカーテンと低く構えたフロントエンドは、空気の流れを最適化。リヤでは、横方向のティアオフエッジとルーバー付きディフューザーが空力効率を確保する。

マカンターボ

新しいマカンは、パフォーマンス志向のSUVでありながら、高い実用性、高品質な装備、そして広々とした室内空間を備えている。電動化によってラゲッジスペースは拡大された。モデルや装備に応じて、リヤシートベンチの後ろの容量は最大540ℓ(カーゴモード)、さらに、ボンネットの下には「フランク」と呼ばれる容量84ℓのセカンドラゲッジコンパートメントがある。これは先代モデルを127ℓ上回る。リヤシートの背もたれを完全に倒すと、リヤラゲッジコンパートメントの容量は最大1348ℓに拡大する。最大けん引性能は2000kgで、マカンの実用性をさらに高めている。

マカンターボ

モデルや装備に応じて、運転席と助手席は従来よりも28mm低く、後部座席は15mm低くなり、足元スペースが増加した。コックピットの幅は、一体化したブラックパネルによって強調されている。センターコンソールのせり上がるデザインは、車高が低くパフォーマンス重視のポジションという印象を高めている。一方で、大きなウインドウが室内空間に明るさと開放感をもたらす。最新のデジタルユーザーインターフェースに加えて、エアコンの吹き出し口やスイッチ類など、アナログのコントロールエレメントも用意されている。コックピットとドアのトリムストリップにはLEDライトストリップが巧みに組み込まれており、アンビエント照明やコミュニケーションライトとして機能。状況に応じて、挨拶、充電プロセス、ドライバーアシスタンスシステムとの連携など、情報や警告も提供される。

マカン4

インパネには、曲面デザインの12.6インチ自立型インストルメントクラスターと10.9インチセンターディスプレイを含む、最大3つの画面を備えた最新世代のディスプレイと操作コンセプトが装備されている。また、オプションの10.9インチディスプレイを介して、走行中の乗員によるインフォテインメントシステムの情報の閲覧、設定の調整、ビデオコンテンツのストリーミング再生も初めて可能になった。

ポルシェドライバーエクスペリエンスには初めて、AR(拡張現実)技術によるヘッドアップディスプレイも装備されている。ナビゲーションの矢印などの仮想エレメントは、視覚的にシームレスに現実世界に統合され、87インチディスプレイのサイズに相当する画像が、ドライバーの10m前方に表示される。

新世代版のインフォテインメントシステムは、Android Automotive OSがベース。標準装備されたポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)は、コンピューティング性能を新たなレベルに引き上げる。たとえば、“Hey Porsche”音声アシスタントは、充電ステーションを含むルートを瞬時に提案。また、新しいポルシェアプリセンターでは、サードパーティプロバイダーの人気アプリに直接アクセスし、マカンに直接インストールすることができる。

マカン4とマカンターボはいずれも四輪駆動。2基の電気モーターは、パワーエレクトロニクスを介してほぼリアルタイムに制御される。電子制御ポルシェトラクションマネージメント(ePTM)は、従来の4WDシステムの約5倍の速さで作動し、10ミリ秒以内にスリップに対応することができる。さらに、4WDの配分は選択されたドライビングプログラムによって制御。リヤアクスルの電子制御式ディファレンシャルロックであるポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)も、マカンターボのトラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスに貢献している。

エアサスペンション仕様車(ターボに標準装備)には、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)電子制御ダンピングコントロールを装備。オプションでスチールスプリングサスペンションとの組み合わせも可能だ。PASMには、2バルブ技術を採用したダンパーも装備される。より広範なダンパーマップにより、快適性とパフォーマンスの間の範囲がさらに広がった。そのため、ドライビングプログラムの違いがさらに明確になる。

そしてマカンでは初めて、最大操舵角5度のリヤアクスルステアリングがオプションで用意された。市街地走行や駐車時に11.1mというコンパクトな回転径(最小回転半径は5.55m)を実現すると同時に、ブランドの定評ある一貫して精確なフロントアクスルステアリングによって、高速走行時の卓越した走行安定性を可能にする。

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