ルノーの大黒柱にフルハイブリッドを新搭載「ルノー・キャプチャー」【最新輸入SUV 車種別解説 RENAULT CAPTUR】

ルノーの屋台骨の一台と言えるSUV「ルノー・キャプチャー」。現行モデルのデビュー時には1.3ℓターボの1種類だったパワーユニットに、22年にE-TECHフルハイブリッドが加わった。これまでのモデルも1.3ℓというイメージを払拭するパワフルさを持ち合わせていたが、E-TECHハイブリッドモデルはヨーロッパ車の特徴である高速域はもちろん、日本の街中での比較的低速度でのレスポンスの力強さや燃費の良さを見せる。しっかりとしたシャシー性能と共にルノーの最新技術を集約した良車だろう。
REPORT:石井昌道(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:宮門秀行 MODEL:菅原樹里亜

同量性能に優れたガソリン車 HV車は高速域でも頼もしい

2013年に初代が発売され、いまではルノーの大黒柱にもなっているキャプチャー。Bセグメントを得意とするルノーだけあって、優れたパッケージやシャシー性能が人気の要因だ。現行の2代目は21年2月に日本上陸。

エクステリア

角張ったデザインがトレンドの中で、異色とも言えるアスリート体型。全車に18 インチアルミホイールやルーフレールが標準装備される。ボディカラーはツートーン5 種類、モノトーン1種類の展開。

当初は1.3ℓ直噴ターボ+7速DCTのみだったが、22年8月には欧州唯一のフルハイブリッドであるE-TECHEフルハイブリッドが加わった。

7インチのディスプレイオーディオであるEASY LINKを標準装備。フランスのオーディオメーカーArkamysのオーディオと6スピーカーが備わり、Apple CarPlayなどのスマートフォン連携機能に対応する。

キャプチャーが、ドイツ車や日本車の同クラスモデルに比べて優れているのがシャシー性能だ。しっかりとした操縦安定性がありながら、路面の凹凸などから受けた入力は巧妙に角が丸められ、乗員にはマイルドに伝わる。特にハイテクなどは使われていないのに、これだけ高い次元でまとめあげているのがさすがだ。

居住性

1.3ℓ直噴ターボは排気量から想像するよりもパワフルに感じられ、動力性能は余裕があると言える。DCTのダイレクトさも手伝ってスポーティと表現できるほどだ。E-TECHフルハイブリッドはドッグクラッチを採用するなど独自の機構をもつのだが、速度域の高い欧州に対応するためのもの。日本のハイブリッドは100㎞/h以上で巡航するとトルクも燃費も悪化していくが、その落ち幅を抑えている。

うれしい装備

後席シートには160㎜のスライド機構を装備。後席に人が座れる状態を保ったまま、ラゲッジルームの奥行きを拡大することができる。
ドアパネルやセンターコンソールに備わる間接照明のカラーを、8色の中から気分で選択することができるアンビエントライトを採用。
月間販売台数          NO DATA 
現行型発表           21年2月(「E-TECH FULL HYBRID」系追加 22年8月)
WLTCモード燃費         22.8 ㎞/ℓ ※「E-TECH FULL HYBRID」系

ラゲッジルーム

確かに高速域では頼もしさやレスポンスの良さが味わえる。一方、街なかなど低速域でもモーター感の強さと燃費の良さはしっかりともち合わせていてさすがは最新のフルハイブリッドと感心させられる。ルノーの技術力の底力を見せつけているのだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.153「2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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