0-100km/h加速タイムはタイカンで4.8秒、トップモデルのタイカンターボSでは2.4秒を実現
このたびの発表に際して、タイカンのモデル責任者を務めるケビン・ギーク氏はこのように述べている。
「当社は2019年末にタイカンを発表し、eモビリティの新時代を切り開きました。この車がEVセグメントにおけるゲームチェンジャーであり、革新的な先駆者であることがすぐに証明されました。サクセスストーリーは、大幅にアップグレードされた新型タイカンにも続きます。卓越したドライビングダイナミクスとドライビングプレジャーを備えたモデルラインは、性能の面で新たな高みに到達しています。同時に、効率、航続距離、日常の使いやすさ、快適性を大幅に向上させることができました」
改良版は従来モデルより、加速性能が格段に上がっている。これには、全バージョンで先代モデルの出力を最大80kW(約109ps)上回る新しいリヤアクスルモーターを備えた先進のパワートレインをはじめ、ソフトウェアを最適化した改良型パルスインバーター、より強力なバッテリー、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプ、改良型回生および4WDストラテジーなどが寄与している。
高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上向上した。すべてのバージョンに、空力的に最適化されたホイールと転がり抵抗を低減したタイヤを標準装備し、新しい21インチホイールとタイヤが専用に開発されたのもニュースだ。
これにより、例えばエントリーモデルのタイカンは、0-100km/加速タイムが従来の5.4秒から4.8秒に、トップモデルのタイカンターボSでは、2.8秒から2.4秒に短縮されている。
スポーツクロノパッケージの新しい「プッシュトゥパス」機能を使用すると、ボタンに触れるだけでモデルに応じて最大70kW(約95ps)のブーストを10秒間利用することができる。加速の向上は、主にシステム出力の増加によるものだ。例えば、タイカンの出力は従来よりも60kW(約82ps)向上。タイカンターボSでは、140kW(約190ps)のローンチコントロールが追加され、システム出力は700kW(約952ps)に増加する。
一方で、航続距離は従来モデルより約35%伸びた。ボディタイプとモーターに応じて、航続距離は175km(35%)増加して最大678km(WLTP)に向上。改良型は先代モデルよりも長距離走行時の充電回数が少なくなっただけでなく、充電速度も高まっている。なお、パフォーマンスバッテリープラスの総容量は93kWhから105kWhに増加した。
改良版にはアダプティブエアサスペンションが標準装備されている。新しいポルシェアクティブライドサスペンションは、4WDバージョンのオプションとしてオーダーできるもので、ドライビングコンフォートとドライビングダイナミクスのレンジをかつてないほどに広げる。
サスペンションは、ダイナミックなブレーキング、ステアリング、および加速操作中であっても、タイカンのボディを常に水平に保つ。滑らかな乗り心地で、段差をほぼ完全に吸収する。ダイナミックな運転状況では、ポルシェアクティブライドサスペンションがホイールの荷重をバランスよく配分することで、路面とのほぼ完璧な接続性を実現。適切なモードがアクティブになっている場合、サスペンションがピッチとロールを補正して乗員に作用するGを低減する。
装備がより充実した点も改良版の特色だ。アンビエント照明、フロントシートヒーター、ポルシェインテリジェントレンジマネージャー(PIRM)、ワイヤレス充電式スマートフォントレー、運転席側および助手席側電気充電ポート、ドライブモードスイッチ、パワーステアリングプラスが標準で装備される。日本仕様では、「タイカン4S」にパフォーマンスバッテリープラスが標準で搭載される。
そしてタイカンにも、アダプティブエアサスペンションとアルミニウム製ドアエントリーガードが標準装備される。装備のアップグレードに加えて、製品仕様の向上には、容量を増やしながら軽量化されたバッテリーが含まれる。
デザインにも手が入った。新型のヘッドライトとテールライトを備えた新しいフロントエンドとリヤエンドのスタイルにより、ポルシェのエクステリアデザイナーは、タイカンの滑らかで純粋なデザインをさらに磨き上げた。新しいフロントフェンダーとフラットなヘッドライトは、タイカンのワイド感をさらに強調する。
精巧な光学を使用した高解像度HDマトリックステクノロジーの新しいヘッドライトは、ポルシェ特有の4灯のグラフィックで暗闇を照らす。リヤライトストリップのポルシェロゴは、立体的なガラスルックのデザインを採用し、初めて装備されたイルミネーテッド仕様は、乗車時および発進時のアニメーションが特徴だ。「ターボ」と「ターボS」は、エクステリアとインテリアの両方で、アクセントカラーのターボナイトにより、他グレードとの違いを際立たせている。
インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイは、機能を追加して最適化されたユーザーインターフェースを備えている。ステアリングホイールのモードスイッチは標準装備だ。スポーツクロノパッケージとパフォーマンスバッテリープラスを装備したタイカンモデルは、モードスイッチに専用のプッシュトゥパスボタンが備わる。
ステアリングホイールの左側後方にある新しいコントロールレバーを使用すると、ドライバーアシスタンスシステムをより直感的に操作することができる。Apple CarPlayは、車両のディスプレイと機能にさらに統合。新しい車載ビデオ機能により、センターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングも可能だ。
●ポルシェ「タイカン」モデルラインナップ
・タイカン:1370万円
・タイカン4S:1650万円
・タイカンターボ:2289万円
・タイカンターボS:2746万円
・タイカン4クロスツーリスモ:1507万円
・タイカン4Sクロスツーリスモ:1670万円
・タイカンターボクロスツーリスモ:2308万円
※価格は消費税込み