登録された公用車担当者やEVユーザーにアプリから救援要請が届き、ユーザーがEVの電力残量や位置情報等を回答することで、災害対策本部が避難所へ派遣可能なEVの情報を把握することが可能
この取り組みは、神奈川県が推進するベンチャー企業の成長を加速させるためのオープンイノベーション促進事業『ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)』に参画している日産と、IoTシステム構築に高いノウハウを持つBellaDati社が、両社の強みを活かし、EVとリアルタイムデータの活用で「災害に強い社会づくり」に貢献することを目的に協業しているもの。
『災害時EV救援アプリ』は、主に災害本部等を擁する自治体向けに開発。災害時、あらかじめ登録された公用車担当者やEVユーザーにアプリから救援要請が届き、ユーザーがEVの電力残量や位置情報等を回答することで、災害対策本部が避難所へ派遣可能なEVの情報を把握することが可能だ。電力を必要としている避難所などの情報と場所、派遣可能なEVの情報を一覧で表示することで、災害対策本部におけるEV派遣場所の迅速な決定を支援する。
今回、神奈川県横浜市西区で行った実検証では、災害による停電時を想定して、災害対策本部が同アプリを通して登録されたEVのドライバーに救援依頼を一斉に送信した後、救援依頼を受けた各ドライバーが、現在地や対応可否、電池残量や支援できる時間帯等を回答するとともに、その情報を元に、災害本部より具体的な支援場所を指示するという一連のプロセスを検証。また、同県開成町での実検証では、実際にEVを派遣し給電までを行なう訓練と検証を行なった。
日産は今後も、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』のもと、災害連携協定を締結している全国の自治体や企業の協力を得ながら、次年度以降の実用化を視野に、アプリの実用性や機能性を検証していく。