ミニバン唯一の4列8人乗り 快適装備と豪華な質感で魅了

新興国向け商用モデルをベースとしたボディに、FRレイアウトのみの設定。パワートレインは2.8ℓ4気筒ディーゼルという、純エンジン仕様のみで、グレードも僅かに2種類……と、すでにこの時点でパーソナル・ユースを前提とした他の国産ミニバンとは異質の存在であることが明らかなのが、2019年末に発売されたグランエース。

エクステリア

主に空港や高級旅館などの送迎を想定した風格ある大型ミニバン。外観上のグレードの識別点はエンブレムしかなく、全車に17インチアルミホイールが標準装備される。

実際、他のモデルでは目にすることのない「4列8人乗り」というシートレイアウトが用意されることからも、個人よりも法人ユーザーに重きを置いた〝ピープルムーバー〞的な用途を念頭に開発されてきたことが窺える。こうなると、多くの台数の販売は見込みにくく、それゆえ多彩なバリエーションをラインナップすることは困難……と、ハナシはこのように続いていきそうだ。

インストルメントパネル

インパネも木目調パネルや表皮巻きメーターフードを採用し、ゲストを迎える高級ミニバンらしい質感を誇る。前後独立で温度調節できるオートエアコン、8インチのコネクティッドナビ対応ディスプレイオーディオなども標準装備。

FRレイアウトながらフラットなデザイン実現のため、フロア位置はかなり高め。それもあり、各シートへのアクセスは優れているとは言えない一方で、ひとたび乗り込むとキャビン空間の広さを実感させられるのは絶対的なボディの大きさゆえと言えそうだ。

居住性

ATが現代では多段とは言えない6速仕様ながら、実用上不満のない加速を実現。ただし〝フル乗車〞時にはまた異なった印象となる可能性は高そう。

うれしい装備

車両周辺の映像を8インチモニターに表示するパノラミックビューモニターを標準装備。ボディが大きいので、駐車時や発進時などで重宝する。
センターコンソール収納はボックスティッシュ4個が入る大容量。蓋を開けてすぐのところにスマホなどを置ける着脱可能なトレーも備わる。
月間販売台数          56台(23年5月~10月平均値) 
現行型発表           19年11月(一部改良 21年6月)
WLTCモード燃費         10.0 ㎞/ℓ

ラゲッジルーム

クルージング時のフラット感はなかなか高い一方で、路面の凹凸は硬めに拾うのは、フル乗車とその人々が持ち込んだ際の重量を意識し、頑丈な構造の商用車向けタイヤを履く影響もありそうだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.155「2024 最新ミニバンのすべて」の再構成です。

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