三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)と親会社のダイムラートラック、日野自動車(以下、日野)とその親会社たるトヨタは、先進技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野との統合に向けた基本合意書を2023年5月に締結した。
本協業はCASE技術の開発とグローバル規模での商用車事業の強化により、カーボンニュートラルの実現と、豊かなモビリティ社会の実現を目指すものである。基本合意書では、三菱ふそうと日野は対等な立場で統合、商用車の開発・調達・生産分野で協業し、ダイムラートラックとトヨタは、両社統合の持株会社(上場)の株式を同割合で保有し、世界的に競争力のある日本の商用車メーカーを構築する計画とされている。
三菱ふそうと日野の統合は、2024年3月期中の最終契約締結、24年中の統合完了が目標とされていたが、競争法、その他の法令に基づく必要な許認可取得や、日野の認証問題への対応が継続しているため、日程を延期することに合意した。締結時期および本統合の実施時期については、4社間で具体的な合意に至り次第、発表される。関係者すべてが合意に達し、関連する取締役会、株主、当局の承認のもと協議が進められていく。
4社は、「移動を通じて、豊かな社会に貢献したい」という共通の想いのもと、三菱ふそうと日野が一緒になり、事業効率を上げ、競争力を磨くこと、また、ダイムラートラックとトヨタは力を合わせその技術開発力を高め、CASE技術の普及に努めることで、日本・アジアの顧客、ステークホルダー、そして日本の自動車産業に貢献するため、議論を重ねている。基本合意書を締結して以降、誠実、相互尊重、多様性をベースに議論を重ねる中、それぞれの強みや企業文化を理解し合うことで、統合に関する協議は前向きに進んでおり、共に目指す戦略的な目的が変わらず有効であるとされている。