全日本ラリー選手権2024開幕! うめまどはMORIZO Challange Cupに参戦します【梅本まどかのラリー日記001】

梅本まどかラリー日記
2024年は全日本ラリー選手権の新カテゴリー、MORIZO Challenge Cupに挑戦します。(PHOTO:青山義明)
SKE48に所属していた元アイドル、梅本まどかさんのラリー日記が、MF.jpにてスタート。まず001は、3月1日~3日にかけ行なわれた全日本ラリー選手権第1戦のレポート+αでお届けしよう。
REPORT:梅本まどか(UMEMOTO Madoka)/PHOTO:青山義明・梅本まどか

元SKE48・梅本まどか、全日本ラリー選手権2024は「MORIZO Challange Cup」に参戦

世界で活躍できるラリードライバーを育成する「MORIZO Challenge Cup」

はじめまして! 元SKE48・梅本まどかです。
この“梅本まどかのラリー日記”は、今まで三栄Webメディア「clicccar(クリッカー)」で約4年間、“うめまど通信”という名前でラリーや私の愛車トヨタ86、走行会イベントなどさまざまなコラムを書かせていただいていたのですが、今回からコーナー名も新たにMotor-Fan.jpにお引越ししました。読者の皆様、よろしくお願いいたします!
まず最初の001は、2024年3月1日~3日、愛知県蒲郡市で行なわれた全日本ラリー選手権の開幕戦「RALLY三河湾2024 supported by AICELLO」から新しくできたカテゴリー”MORIZO Challenge Cup”(モリゾウチャレンジカップ)の面白さをお伝えします。

セレモニアルスタートの前
セレモニアルスタートの前にMORIZO Challenge Cup参戦のみんなで集合写真。

まず”MORIZO Challenge Cup”とは、東京オートサロン2024でも大々的に取り上げられ耳にしたことがある方も多いと思いますが、若手育成と将来WRC(FIA世界ラリー選手権)で活躍できる日本人ドライバー発掘を目的として、2024年から全日本ラリー選手権のサブカテゴリーとしてできたものです。
25歳以下のドライバー(ラリー経験歴によっては29歳以下)が対象となり、ドリフト、ジムカーナなどさまざまなカテゴリーで活躍してきた若いドライバーが、チャンスを掴む場所としてエントリーしています。

“MORIZO Challenge Cup”という名前になったのも、モリゾウことトヨタの豊田章男会長の想いが詰まっており、モリゾウの名前を使って沢山の方に知って頂き、若いドライバーをPICK UPする事でこれからの世代のクルマ好きを大切にしていきたいと聞きました。
そんななかで私はCUSCO Racingから星涼樹選手とタッグを組み、MORIZO Challange Cupにシリーズ参戦させて頂いています。

ペアを組むのは、CUSCO RACING星涼樹選手

ドライバーの星涼樹選手は、現在MORIZO Challenge Cupにエントリーしているなかでは最年少の20歳。カートやドリフトの経験はあるのですが、ラリーはまだやったことがないということで、今回の開幕戦が初ラリーでした。
車両はGRヤリスを使うのですが、四駆の車両も初めてということで、ホントに「まずやってみる!」という感じでスタートしました。
開幕戦のステージとなったこの三河湾ラリーも初開催。今までは愛知県で全日本ラリー選手権といえば「新城ラリー」でした。が、2024年からは三河湾へと変更されるということで、ラリー経験者も道を知らない! そんな状況だったのです。

梅本まどかラリー日記
2024年は全日本ラリー選手権の新カテゴリー、MORIZO Challenge Cupに挑戦します。(PHOTO:青山義明)

結果を先に言ってしまうと、2023年にJN2に参戦しシリーズ3位となったFIT-EASY Racingの山田啓介選手(29歳)/藤井俊樹選手組が優勝。
ラリー経験者とラリー初心者(未経験者)のドライバーではタイムに差があるラリーになったのですが、やはり開幕戦で経験者と初心者で接戦…というのは難しいと思います。
でも、優勝候補と言われていたWRCチャレンジプログラムでWRCスウェーデンRC4クラスで優勝経験のあるTOYOTA GAZOO Racing-WRJの大竹直生選手(23歳)(コ・ドライバーは藤田めぐみ選手)は、SSのトップをLEG1(競技1日目)に5回取ったものの、LEG1ラストのSS8ヒメハルでクラッシュしリタイアとなってしまいました。
1位争いも激しく、最終SSで逆転し山田啓介選手が優勝となりましたが、その前はADVICS with K-One Racing Teamの貝原聖也選手(27歳)/西﨑佳代子選手組がトップと白熱していました。
貝原聖也選手は、TGRラリーチャレンジでクラスシリーズチャンピオンを獲得したり、全日本ラリー選手権でも表彰台に上がったこともあり、ラリー経験者同士の争いも熱かったのは面白いポイント!
そして、ラリーはリタイアしてしまうとそれまでが速くても順位がリザルトに残らないので、何が起こるかわからないのも魅力のひとつだと思います。

星涼樹選手と梅本まどか
CUSCO RacingからMORIZO Challange Cupに参戦、ドライバーの星涼樹選手と、コ・ドライバーの私、梅本まどか。

ちなみにMORIZO Challenge Cupでは7台中4台が完走、3台がリタイアとなり、私たちCUSCO Racing Teamは4位という結果で無事完走することができました。
3位になったのはWRCドライバー・勝田貴元選手が監督を務めるTK motorsportのKANTA選手。KANTA選手もドリフト経験のあるドライバーでラリーは初めてでしたが、コ・ドライバーのベテラン保井隆宏選手とタッグを組んで戦っています。ダートコースでは1番をとり、速さも魅せ、無事完走という事で表彰台に上りました。

完走はしたけれど、悔しい結果…

表彰台に上った選手は注目されますが、上れなかった4位以下の私たちは、完走という目標は達成できましたが、正直、悔しさの残るラリーとなりました。でも、リザルトをひとつひとつ見ると、実はミスコースで3分のペナルティをもらってしまい、だいぶ大きなハンデがあったのです。
実は、関係者やライバルたちから「え? 初めて林道走ってこのタイム!?」と言われたのは私とペアを組む星涼樹選手。実際、私も隣に乗り一緒に走って驚きましたが、まさにイケイケの若いドライバーならではの走り!!「速いが勝ちでしょ!」といった、怖いもの知らずというような踏みっぷりには、思わず「抑えて!」と強く言ってしまう場面もあるくらいでした。

CUSCO RACING
イケイケ度は参加者中トップ!? 第2戦も応援してください!(PHOTO:青山義明)

星涼樹選手にとっては初めてのラリーでしたが、やはりラリーはペースノート作りが大事で、これが走りの7割くらいを占めています。あとはコ・ドライバーの声を聞きながら走れるのか、レッキとは違う路面に対しても対応ができるか?が鍵となってくるのです。が、星涼樹選手は私の声をしっかり聞き、返事をするくらい余裕をもって走っていたのです。
ただ、これだけたくさんの道を走るという事がないので、SS2がまごおり竹島でミスコースせず走れた道が、同じステージを走るSS7では急にパイロンで迷って途中で進路を変えてしまい、ミスコースをしてしまったのです。これは初めてのラリーからくる疲れやたくさんの道を走るため、頭の中の切り替えも難しく、ノートにパイロンの指示を入れなかった私のミスでもあるのです。1回ミスコースすると180秒のペナルティ…ということで、いっきに順位を落としてしまったのです。

その悔しさからか、LEG2日曜日午前の林道は、コケや落ち葉も多く、ラリー経験がある方でも難しいと思うコースでも、イケイケの走りで1分前を走っていたJN5クラスの車両を6km地点で追いつき、追い越すという速さや判断能力を魅せたのです!
クラスが違うとスピード域も違うので追いつくこともあるのですが、初ラリーでこれができる選手はなかなかいないと思います。
また「あんな狭い道で抜かしたの!?」と、他の選手も驚くほど、イケイケな走りで注目を浴びていました。

サービスパーク
サービスパークにて、メカニックさんが作業してくれています。

ただ、イケイケが故に開幕戦ではホイールを4本ダメにしてしまい、CUSCO Racingの長瀬努監督やメカニックさんから「マシンを大切に!」と言われました。
午前が終わりサービスに戻ると「これ以上のダメージはシリーズに響くし、今スピードを出すのは危ないから午後は絶対に抑えていけ!」というオーダーをもらい、しっかり抑えて完走しました。
ドライバーにとって、抑えて走るというのは凄くフラストレーションがたまることだと思いますが、その中で「抑えながらも路面の変化を感じて走ることと、無傷」を目標にし、そこで実際に試し沢山の収穫を得ることができました!

次戦、ツール・ド・九州 2024 in 唐津(2024年 4月12日~14日)からは、新井大輝選手が監督を務めるAhead Japan Racing Teamから稲葉摩人選手(コ・ドライバーは立久井大輝選手)が参戦します。
今回、ラリーデビューした選手たちはラリーを経験し、そこからの練習はかなり変わってくると思うので、1戦1戦の走りやバトルは白熱していくと思います。
私たちも次戦はしっかりいいリザルトが刻めるように頑張りますので、ぜひMORIZO Challenge Cup、そして星涼樹選手に注目して頂けたら嬉しいです!

MORIZO Challenge Cup表彰式後の記念撮影!
MORIZO Challenge Cup表彰式後の記念撮影!
【JAF全日本ラリー選手権 JN2クラス「MORIZO Challenge CUP」参戦体制】
エントラント名:CUSCO RACING
エントラント代表:長瀬 努
ドライバー:星 涼樹
コ・ドライバー:梅本まどか
車両名:CUSCO GRヤリス
車種:トヨタ・GRヤリス
参戦クラス:JN2
【梅本まどかのラリー活動年間スケジュール(カテゴリー・格式/大会名称/日程/場所)】
JAF 全日本ラリー選手権 第1戦 Rally三河湾 3月1~3日/愛知県
JAF 全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州 in 唐津/4月12~14日/佐賀県
JAF 全日本ラリー選手権 第3戦 久万高原ラリー 4月26~28日/愛媛県
JAF 全日本ラリー選手権 第4戦 YUHO RALLY TANGO/5月10~12日/京都府
JAF 全日本ラリー選手権 第5戦 MONTRE/6月7~9日/群馬県
XCRスプリントカップ北海道 第3戦 ARKラリー・カムイ(全日本ラリー併催)/7月5~7日/北海道
XCRスプリントカップ北海道 第4戦 RALLY HOKKAIDO(全日本ラリー併催)/9月6~7日/北海道
JAF 全日本ラリー選手権 第8戦 ラリーハイランドマスターズ/10月18~19日/岐阜県
FIA 世界ラリー選手権 第13戦 フォーラムエイト・ラリージャパン2024/11月21~24日/愛知・岐阜

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著者プロフィール

梅本 まどか 近影

梅本 まどか

SKE48に所属していた元アイドル。SKE48として鈴鹿2&4レースをPRした事がきっかけとなりモータースポーツ…