後輪操舵システムの「リア・アクスルステアリング」や悪路走行時に役立つ「トランスペアレントボンネット」機能を標準装備
GLC 43クーペには、421ps/500Nmを発する2.0L直列4気筒ターボエンジン「M139」に、「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」による48V電気システムを組み合わせたマイルドハイブリッドを搭載。BSGは第2世代のもので、短時間ながら出力を 14ps高めるブースト機能のほか、セーリングモードや回生ブレーキにより効率を最大限に高める。48Vテクノロジーは一方で、ECOスタートストップ機能やセーリングモードの間の切り替えがほぼ感じられないほど滑らかに行われることから、快適性の改善にも役立っている。
後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」の標準装備も特色。車速約100km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。約 100km/hを超えると、リアホイールをフロントと同じ方向に最大約 0.7度操舵することで、走行安定性を大きく高める。従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させている。
「オフロード」モードでは、 360°カメラシステムを使い「トランスペアレントボンネット」機能が使用できる。メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能で、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することができる。
内外装の特徴を見ていこう。フロントデザインは、ハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用フロントグリルを採用。メルセデス AMGであることを明確に主張し、アグレッシブな表情を形成している。また、GLC 43クーペ専用デザインのフロントエプロンは左右に大型のフリックを装備。フリックをハイグロスブラックで引き締めることで、迫力あるフロントマスクを実現している。ボンネットにはパワードームによってスポーティさをさらに高めている。
サイドは、フロントフェンダーに「TURBO ELECTRIFIED」エンブレムが入り、電動化されたターボチャージャーを搭載した先進のパワートレインを備えていることを強調。ホイールアーチは先代モデルのブラックからボディ同色になり、都会的なエクステリアを演出している。
リアデザインは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムなコンビネーションランプにより、リアエンドをよりワイドでシャープに見せるデザインとなった。リアバンパーにもディフューザー風のエプロンを採用するとともに、左右2本ずつのエキゾーストエンドがスポーティさを強調している。
これらに加えて、ブラックのドアミラーカバーやフロント/リアバンパーにブラックアクセントを加えるAMGナイトパッケージを標準装備することで、引き締まったエクステリアに仕上げられている。
コックピットはドライバーを重視することでスポーツ感を強調すべく、縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度ドライバー側に傾けたデザインを採用。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える。コックピットディスプレイとメディアディスプレイは 5つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック、Supersport、Offroad)と 3つのモード(ナビゲーション、アシスト、サービス)の中から選択することでカスタマイズすることが可能だ。また、運転中に視線を動かすことなく速度などを見ることができるヘッドアップディスプレイを標準装備している。
ダッシュボードは上下 2つのパートに分かれている。上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置されており、スポーティさを演出。下部には大きなインテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でもリアルウッドインテリアトリムを採用し、質感の高い室内空間が演出されている。
シートは、サポート性に優れ、サーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持できる一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたレザー ARTICO/MICROCUTスポーツシートを標準装備。オプションのAMGレザーエクステリアパッケージを選択すると、上質なナッパレザーを採用したスポーツシートが装着される。