現代に蘇ったディーノ? 246GTと新型フェラーリ296GTBを比べてみる

上が新型フェラーリ296GTB、下がディーノ246GT
フェラーリ・ブランドとしては初めてのV6エンジン搭載モデルである296GTB。それゆえ、ディーノの再来とも言われている。フェラーリ自身は「296GTBはディーノの後継車ではない」とコメントしているが、V6エンジンをミッドに積むピッコロ・フェラーリとなれば、やはり「ディーノの再来」と言われるのも無理はない。
FERRAI 296GTB

V6ターボエンジンをミッドシップする296GTB。名前の由来は、2.9ℓ(排気量は2992cc)の6気筒エンジンを積んでいるから。オリジナルのディーノ246GTは、2.4ℓのV6エンジンが名前の由来だった(1967年デビューの206GTは、2.0ℓのV6エンジン搭載)。

ディーノ246GTB

オリジナルのディーノについての物語は、さまざま語られているのでそこはこちらを参照していただきたい。V12エンジンを搭載するのがフェラーリだ、という時代にコンパクトなV6をミッドに積んだモデルを提案したのが、エンツォ・フェラーリの愛息、アルフレード・フェラーリだった。ディーノとはアルフレードの愛称だったことは有名なストーリーだ。

FERRAI 296GTB
ディーノ246GTB

まずはボディサイズから。
現代版ディーノであるフェラーリ296GTB
全長×全幅×全高:4565mm×1958mm×1187mm
ホイールベース:2600mm
車両重量:1470kg

ディーノ246GT
全長×全幅×全高:4240mm×1700mm×1140mm
ホイールベース:2340mm
車両重量:1080kg

新型も全長4565mmだから現代の基準で言えば充分にコンパクトだが、ディーノ246GTは、4240mm。全長だけ見れば、新型スバルBRZとほぼ同じだ(4265mm×1775mm×1310mm)。ペッタンコなBRZ、という感じだろうか。

新型296GTBとディーノ246GTBのサイドビューの違いを生んでいるのは、エンジンの搭載方法だ。

ディーノ246GTは、2.4ℓV6エンジンをミッドに横置きする。

ディーノ246GTは、バンク角65度のV6エンジンをミッドに「横置き」する。

新型フェラーリ296GTBは、バンク角120度のV6ターボをミッドに「縦置き」しているのだ。

スーパーカーブームを経験した世代にとって、ディーノ(沖田が乗っていた)は、特別な存在。その美しさはいまも健在だ。デザインはピニンファリーナの手によるもの。

エンジンはともにV6だが……

新型フェラーリ296GTBが搭載する3.0ℓV6ターボ。120度のVバンクの間に2基のターボチャージャーを配置する。
レーシングエンジンをルーツとする246GT用のティーポ236E。横置きレイアウトのネガを解消、緩和するために、フェラーリのエンジニアは極限の鋳造技術を駆使して、サブフレーム代わりのギヤボックスを設計した。Vバンクは65度。

新型296GTBのエンジンは、120度V型6気筒DOHCターボにPHEVシステムを組み合わせた現代スポーツカー最先端のもの。ターボチャージャーはVバンク間に配置される。

フェラーリ296GTBのスペックは
エンジン 3.0ℓV6DOHCターボ
排気量:2992cc
ボア×ストローク:88.0mm×82.0mm
圧縮比:9.4
最高出力:663ps
ハイブリッドシステム:830ps/8000rpm
最大トルク:740Nm
トランスミッション:8速DCT

対するディーノ246GTB
エンジン 2.4ℓV6DOHC
排気量:2418cc
ボア×ストローク:92.5mm×60.0mm
圧縮比:9.0
最高出力:195ps/7600
最大トルク:225Nm/5500rpm
トランスミッション:5速MT

である。

フェラーリ296GTBの3.0ℓV6ターボエンジン
206GT/246GTに搭載されたディーノ・ユニットのルーツは1957年にデビューした1489ccの156F2用ティーポ134。

ちなみに、

296GTBは1気筒あたりの排気量が498.7cc
ディーノ246GTは403.2cc
リッターあたりの出力は
296GTBが221.6ps
ディーノ246GTBが80.6psである。

新型フェラーリ296GTBのコックピット
ディーノ246GTのコックピット
新型フェラーリ296GTB

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ちなみに、ディーノのタイヤサイズは、F&R205/70R14。新型296GTBは、F245/35R20 R305/35R20である。

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