初代となる現行型EQCは、メルセデス・ベンツの電動シリーズ「EQ」として2019年に発売された。ブランドの先駆者であり、強いインパクトを与えたが、航続距離と効率の点である程度の妥協があった。現在は新しいライバル達の影に隠れているものの、第2世代で反撃に出る。
メルセデスは近い将来、「EQ」の名前を捨てると噂されており、次世代型では「GLC EV」が最有力とされている。つまりこのAMGバージョンは「AMG GLC 53/63 EV」の名が与えられる可能性が高い。
捉えたプロトタイプはまだカモフラージュが厳重。だが、非常に頑丈で強力に見え、より広いトレッド、より大きなホイール、より大きなブレーキが確認できる。
詳細を見ると、フロントエンドは曲線的で、クローズされたグリル、後ろに伸びるスイープバックヘッドライトを装備している。噂によると、グリルは「パナメリカーナグリル」を想起させる垂直スラットが配置されるという。またバンパーのカモフラージュの下には、たとえ実際に必要でないとしても、すべてのAMGが持つべきアグレッシブなインテークを備えているはずだ。
足回りにはスタイリッシュなAMGホイールを装備。また、ベンチレーテッドディスクを備えたより強力なブレーキシステムによってバックアップされている。さらにフラッシュマウントのドアハンドル、流線型のボディワーク、上向きに広がるベルトラインも確認できるほか、スポーツチューンされたサスペンションによりローダウンされているようだ。
リアエンドも厳重に隠されているが、角張ったリアウィンドウ、ラップアラウンドスポイラー、ダミーのテールライトが見てとれる。
次世代型では、「MB.EA」プラットフォームを採用、これにより、第1世代モデルと比較して、はるかに効率的な作業基盤が得られ、より高度なバッテリーパックや、よりインテリジェントにパッケージ化された電気モーターを使用することが可能になるのだ。また、ポルシェ「マカン」と同様に、充電とパフォーマンス機能の両方に役立つ800Vの電気アーキテクチャを搭載すると予想されている。さらに航続距離も大幅に改善。現在の400kmから800kmを目指し開発が進められているという。
GLC EVは、フルエレクトリック「Cクラス セダン」をベースにしており、長期的には現在のガソリンおよびディーゼルエンジンを搭載したCクラスに取って代わることになる。Cクラスではワゴンが生産終了になるとみられており、このGLC EVがその穴を埋めることになりそうだ。
市販型はAMG EQE 53の下に位置し、シングルモーターと強力なデュアルモーターバージョンが提供される。GLC EVの上位モデルでは550ps程度が予想され、ポルシェ・マカンEVらと市場で戦うことになるだろう。