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■サプライズもあり! ファン歓喜のトークショー
登壇したのは、アルピーヌ F1 チーム参加ドライバーのエステバン・オコン(Esteban Ocon・ドライバー)とジャック・ドゥーハン(Jack Doohan・リザーブドライバー)の2氏。
トークショーは、遅い桜の花びらが小さな風に舞う好天に恵まれながら行われた「媒体社対抗電動カートタイムアタック大会」の後、予定時刻18:30より少し遅れて開始した。
予定より遅くなったのは道が混んでいて2氏の到着が遅れたためだが、その遅れが思わぬサプライズを連れてきた。
ジャック・ドゥーハンの父、ミック・ドゥーハンが登場したのだ。来場客から歓声が上がり、臨時のトークショーがスタート。親子のむかし話に花を咲かせた。
その間に遅ればせで2氏が到着。
エステバン選手はこの季節の東京に来たのは初めてで、あちらこちらで見かける東京の桜に感動したようだ。
今年2024年の日本グランプリが春開催となることについての問いに、
「非常に鋭い、いい質問をありがとう。通常は年の後半にレースが行われるもので、昨年は非常に暑く、レース中はタイヤの温存に苦労した。今年はこの時期だから涼しく、週末は雨天の可能性があるが、2022年にウェット走行の中で入賞しているのと、今回はクルマもさらに変わって競争力が向上しているのでがんばりたい」
と、心配はしていないようだった。
この季節、クルマにとってもドライバーにとってもコンディションがいいとありがたいのは、一般ユーザーもレーシングドライバーも同じだ。
2週間前のオーストラリア・グランプリでは、父(ミック・ドゥーハン)とのデモ走行が話題に挙がったが、そのときのことを息子のジャック選手は、
「子どもの頃に父と小さなトラックで走ったりしたものだが、それ以来のことで、すばらしい経験をしたと思う。乗ったのは1967年のF1チャンピオンが乗った、エンストンで開発されたベネトンのマシンで、ギヤボックスがちょっと不調だったが、父と母国(オーストラリア)で走ったのはすばらしい体験だったよ」
と語った。
「デモ走行だからゆったりした走りだったが、お父さんとの競争心は生まれなかったか?」
という質問には、
「父はバイク、私はクルマ。万一、クルマがバイクに接触したら、ましてや相手が自分の父親ともなるととんでもないことになるので、とにかくいいデモを見せようと終始安定したスピードをキープすることに徹したよ。ほとんどのラップで私が前を走っていたのだが、あれだけの勝利を重ねたひとの前を走るのは身の引き締まる思いだった。しっかり父といっしょに最後までデモ走行をやり切ったと思うし、観客のみなさんにもよろこんでいただけたと思っているよ」
という。
アルピーヌA110Rでカートコースを激走!
トークの後は、オコン選手が展示していた青いA110Rに乗り込み、コースランに移行した。
電動カート走行用ゆえ、決して広くも大きくもない1周400mのコースの中を、オコン選手は巧みなアクセルワークとブレーキング、ハンドリングテクニックでルートをなぞるように疾走。
ゴールを迎えて運転席から降りるや、
「タイトなコーナーでもすごくクイックに行けて、本当にこのクルマやよくやってくれた。ロードカー……公道を走るクルマでここまでの性能が出るのはすごいね。コーナーは常にロックする状態で曲がる感じだったけど、最後はとにかく飛ばしたよ。子どもの頃にゴーカートに乗っていたころを思い出したね」