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目標の完走は嬉しいけど、結果は…最下位(涙)
2024年4月12日~14日、佐賀県唐津市で行なわれた全日本ラリー選手権 第2戦「ツール・ド・九州2024in唐津」。1ヵ月ぶりのラリーでしたが…凄く悔しい結果となりました。
第1戦のラリー三河湾では4位完走でしたが、今回は結果を先にお伝えすると…。「MORIZO Challenge Cup」では最下位となってしまいました。
リタイアせずにサービスパークへ帰ってこなければ、ラリーは結果すら残らないので、目標としていた”完走”は成し遂げる事ができ、その点はよかったと思います。
ただ、星涼樹(Atsuki HOSHI)選手のイケイケな走りを今回はあまり引き出す事ができませんでした。
これは私のコ・ドラの力不足という点が大きかったと反省しています。
【全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津 MORIZO Challenge Cupリザルト】 1 山田啓介/藤井俊樹(FITEASYソミック石川GRYARIS) 59:39.8 2 大竹直生/藤田めぐみ(GR YARIS GR4 Rally) +15.7 3 KANTA/保井隆宏(TK motorsport GRYaris) +22.0 4 貝原聖也/西﨑佳代子(ADVICS多賀製作所Kone GRヤリス) +50.0 5 最上佳樹/前川富哉(FIT-EASY ZEALGRYARIS) +2:00.6 6 稲葉摩人/立久井大輝(Ahead GR Yaris) +4:03.9 7 中溝悠太/草加浩平(MATEX-AQTEC DL GRヤリス) +5:31.7 8 星 涼樹/梅本まどか(CUSCO GRヤリス) +8:33.1
唐津は高速コース+障害物(苔・土・水)も多くコースが読み切れない
第1戦のラリー三河湾では、クネクネとした道でしかも幅も狭く、苔もあり、基本的に「危ない」という意識が高くなるコースばかり。
全開でイケイケ! 直線が長い! なんて場所はありませんでした。サーキットなどはちょっと別ですが、そういった林道はなかったのです。
逆に今回の第2戦の唐津は道幅も広く、直線もあり、踏んで行ける場所がある一方で、苔や土、水が出ている箇所などもあり、レッキでどれだけ拾えてインフォメーションがとれるかという所が大事でした。拾えた部分もありますが、上手くレッキができず今回はかなり苦戦してしまいました。
SS1で…クラッシュ! ホイールとアームにトラブル発生
SS1の「MIKAERINO TAKI」は10.37km。
1本目なので慎重にいっていましたが、6km過ぎた地点、左コーナの頂点あたりで星選手から「あ!」という声が聞こえてきました。
そのまま滑っていき、左側から岩壁にぶつかりました。
もう「あ!」という声が聞こえた瞬間に、これはヒットするとわかっていたので構える事ができ、当たってすぐ星選手の安否を確認。
ドライバー側がぶつかった経験がなかったので少し心配でしたが、星選手から「大丈夫です」とすぐ返事があった事にまず安心しました。
次に車が動くかどうかです。
思っていた以上に動けそうではありましたが、異音もします。しかし、コースはまだあと半分くらいあるけど動かせる?と聞くと、遅いペースならと。
1分後には次のクルマが来てしまうため、ハザードを出し、注意しながら走り切りました。
途中、運良く広い道で2台抜いていってくれたのもラッキーでした。
狭い道だとライバルたちの走りを邪魔してしまうので、タイミングも良かったのです。
なんとかSS1を走り切り、クルマの状態をみると…ホイールが割れていました。
幸運なことにタイヤはパンクしていません。しかし、ストップの場所からすぐの場所だったため、この場所でタイヤ交換をしたり他箇所もしっかり確認するにはリスクがあると思い、広い場所まで移動してからタイヤ交換することに。
ぶつかってからほぼ真っ直ぐ走る事ができなかったのですが、ここは星選手のドライビングに助けられた部分が大きかったです。
タイヤ交換は三河湾でもやっているのですぐに対応できたのですが、タイヤを外してみるとアームも折れていたり、いろいろダメージを負っている事がわかりました。
とりあえず、タイヤを装着してみて走れるかどうかを試し、再度広いところで確認。
写真も撮り、サービスパークで待つメカニックさんに送りました。
タイムより「サービスパークへ戻る」が最優先
この次のTC(タイムコントロール)への遅着ペナルティより、安全にサービスパークに帰る事を優先し、SS2の「AMANOGAWA 1」に向かいました。
JN4クラスの間で戻ることができ、距離もSS2の「AMANOGAWA 1」が4.95km、SS3の「SAYO LAKE 1」7.58kmとそこまで長くないので、追いつかれることなくSS2とSS3を走り切れました。
少しここでホッとしたのですが、走り切れた代わりにマシンへのダメージが大きかったのか、異音が大きくなり、次第に煙が出るようになりました。
割れてしまったアームがタイヤやホイールと接触し、削れた事が理由でした。
SS3の後はリフューエルと呼ぶ給油をしに行くのですがここにはオフィシャルの方がチェックしています。
ここで「このタイヤはもうパンクするから、タイヤ交換しないなら走る事を許可できない」と言われ、給油後すぐにタイヤ交換。
実は、SS2の前もオフィシャルの方に「ホントに走れるんだな!?」と確認されました。
走れないと、この後の車両に迷惑をかけてしまうからです。「止まる時はしっかり広いところで邪魔にならないようにします」と会話し、走らせてもらっていたのです。
チームからは遅着してもいいからと言ってもらい、煙が出過ぎた時には少し止まりながらもサービスパークに戻りました。
そして、ここではペナルティをもらわず戻ることができました!
サービスパークでマシンのメンテナンス
ここからメカニックさんが必死に作業してくださり、30分という短い時間で直して下さったのです。
メカニックさんの無駄のない動きはホントにかっこよく、あのギリギリでしか走れなかったクルマが元に戻り、感謝しかありません。
サイドブレーキを付ける時間はないからと輪止めをもらい、午後ギリギリで出ていけたのですが、こういう経験がなかった私にとって、いろんなものを感じた瞬間でした。
観客の方も、壊れたマシンを見て驚いていましたが、直った姿をみてまた驚いていて、「凄いですね!」とたくさん声をかけていただきました。
凄いのはメカニックさんなのですが、ホントにホントに、経験豊富な凄腕メカニックさんがいなければ走り切れませんでした。
午後や翌日のDAY2(日曜日)も、「メカニックさんが直してくれたから絶対にもう壊すわけにはいかない! しっかり完走しよう!」と星選手と話し、無事完走する事ができました。
2戦連続完走できた事はよかったですが、メカニックさんに迷惑をたくさんかけてしまい、また反省点の多いラリーとなったので、2024年4月26日~28日に行われる第3戦久万高原ラリーでは笑って終われるよう準備をしていきます!!!
【CUSCO RACING「MORIZO Challenge CUP」参戦体制】 エントラント名:CUSCO RACING ドライバー:星 涼樹 コ・ドライバー:梅本まどか エントラント代表:長瀬 努 車両名:CUSCO GRヤリス 車種:トヨタ・GRヤリス 参戦クラス:JN2
【梅本まどかのラリー活動2024年間スケジュール(カテゴリー・格式/大会名称/日程/場所)】 JAF 全日本ラリー選手権 第1戦 Rally三河湾 3月1~3日/愛知県(※終了) JAF 全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州 in 唐津/4月12~14日/佐賀県(※終了) JAF 全日本ラリー選手権 第3戦 久万高原ラリー 4月26~28日/愛媛県 JAF 全日本ラリー選手権 第4戦 YUHO RALLY TANGO/5月10~12日/京都府 JAF 全日本ラリー選手権 第5戦 MONTRE/6月7~9日/群馬県 XCRスプリントカップ北海道 第3戦 ARKラリー・カムイ(全日本ラリー併催)/7月5~7日/北海道 XCRスプリントカップ北海道 第4戦 RALLY HOKKAIDO(全日本ラリー併催)/9月6~7日/北海道 JAF 全日本ラリー選手権 第8戦 ラリーハイランドマスターズ/10月18~19日/岐阜県 FIA 世界ラリー選手権 第13戦 フォーラムエイト・ラリージャパン2024/11月21~24日/愛知・岐阜