目次
1. 80年代のグランプリマシン「YZR500」イメージさせる新外装
1980年代中盤から後半にかけてWGPシーンを席巻した「YZR500」のイメージを現代に昇華させた新外装を採用。ライダーが乗車時に目にするコクピット周りのビューにも注力し開発されている。またカウルの装着により、エアロダイナミクスが向上。さらにスクリーンとナックルバイザーは、高さ、幅、面などに配慮し空力と防風性のバランスが図られている。フレームにはデルタボックスのアルミ地をイメージしたシルバー塗装が施されている。
2. セパレートハンドルの採用とライディングポジションの一新
レーシーなセパレートハンドルを採用。トップブリッジ上面部分など、コックピット周りのボルトもデザインし、質感の向上が図られている。またセパレートハンドルに対応するため、エアクリーナーボックスカバーを変更。エアクリーナーボックスの形状も見直し、吸気効率の最適化が図られている。
さらにスポーティな乗車感とツーリングや街乗りの快適性を両立させるため、ライディングポジションを一新。「XSR900」比で前傾とし、フットレストもわずかに高目で後方に設定。ハンドルの垂れ角や絞り角の調整、および新作シートとヒップポイントのバランスが整えられている。これらの効果で過度な前傾姿勢がなく、身体の一部への負担集中を防ぎ、快適性が確保されている。なお、フットペグには専用のラバーが装着された。
3. 車体剛性のチューニング
ライディングポジション一新とのバランスを図るため、車体全体の剛性が見直された。リアフレームを新作するほか、ヘッドパイプまわり、エンジン懸架、ピボット部の締結剛性調整を中心に、ねじり剛性を強化。主に旋回中の安定感向上が図られている。また、ステムシャフトをアルミ化(CP3エンジン搭載車では本モデルのみ)することで、フロント荷重に対するハンドリングがリセッティングされている。
4. 専用開発した前後サスペンション、コントロール性を高めたブレーキホース
スポーティな走行を想定し専用開発した KYB製フルアジャスタブルサスペンションを前後に装備。高荷重にも対応するセッティングを施すほか、調整幅も増大。圧側減衰は高速と低速の2系統でのセッティングが可能。また、フロントのブレーキホースが変更された。レバーを握り込んだ時のストローク量を最適化し、長時間走行・高負荷走行における良好なコントロールフィーリングが実現されている。
5. YRC(ヤマハライドコントロール)など走行支援テクノロジー搭載
ライダーが自身の好みや路面状況にあわせて、エンジンの出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」を搭載。あらかじめプリセットされた3種のパターン(SPORT/STREET/RAIN)と2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1と2)から、シーンに応じてモード選択が可能だ。
なおクイックシフターは、加速中のシフトアップと減速中のシフトダウンに加え、加速中のシフトダウン、または減速中のシフトアップにも対応する「第3世代QSS(クイックシフトシステム)」が採用されている。
6. ナビ画面に対応する5インチフルカラーTFTメーター搭載
5インチTFTメーターを採用。表示パターンは、専用のアナログ風タコメーターを含む4種から選択が可能だ。速度やエンジン回転数の他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどを表示。各種テーマの切替と選択は、ハンドルスイッチの操作で行うことができる。
また、専用アプリ「Y-connect(Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続し、手元でYRCのセッティングを行ったり、さまざまな情報や画像をメーターに表示できる。これにより車両の管理、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できる。さらに「Garmin StreetCross」アプリをスマートフォンにインストールし、車両とペアリングすることによって、メーター画面上でナビゲーション機能も使用できる。
7. 便利な機能・装備
- 優れた照射性を維持しつつ、車両との一体感を演出した小径LEDヘッドランプ
- 直感的に操作可能なハンドルスイッチ
- 従来からの左右方向指示とハザード時の点滅機能に加え、「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシー機能」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー
- アジャスター機構を追加したクラッチレバー
- メーター右下のパネルコンソールの中にUSB Type-Cソケット設置