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コンフォートをコンパクトにまとめる
当初の開発車両は「ハイエース」。実はハイエースは、ブリッドユーザーの中でも需要の高い車種だそうだ。
Bピラーとの干渉を避けるショルダー幅、乗降性と座り心地の良さを確保し、かつ着座位置が上がるのを抑えることを狙った。
まず、ハイエースの特徴として、スペース効率を最大限高めたことから、フロントシート左右幅、シートとボディサイド、ドアとの空間が意外にも少ないのだ。このためショルダー部分の実際の幅を抑えながら一般的スポーツシートよりもエッジを尖らせることで肩の張り出し感を強調したデザインとした。そうすることで、ドアやBピラーとの干渉を避けながら、ノーマルシートとは全く違った存在感を醸し出すことができた。
開発車両はハイエースながら他車種にも広く対応
また、アイポイントが高くなってはスポーティな雰囲気も台無しになってしまうものの、シートクッションを薄くすると乗り心地が悪くなってしまうという相反する問題をクリアしなければならない。そこで、座面はウレタンの厚みを抑えながら硬度を最適に調整し、座り心地と乗降性を両立させている。
さらに、腰の位置よりも高いシートに上がる形で乗車するため、乗降性のため座面のサイドサポート部分を極力浅くした。これにより、乗り降りは非常に快適に行うことができる。
こうした試行錯誤を繰り返し仕上がったエルゴスターは、スポーティなルックスと適度に包み込むサポート性を兼ね備えるリクライニングシートとして、ナローボディのハイエースでドレスアップをしたい、着座位置を極力上げたくないユーザーにオススメしたい逸品だ。
結果的には、ハイエースのような背の高い車種はもちろん、車内がタイトなスポーツカーにも装着可能で、コンフォートなスポーティシートに仕上がったという。まさにいいとこ取りが実現したわけだ。
今後、オールマイティにどんなクルマにも似合う新定番シートとなる予感大だ。