アウディが東京都心に超高速EV充電施設をオープン!150kW充電を全EVユーザーが利用可能って本当?

4月26日、アウディジャパンは東京千代田区の紀尾井町にEV用の急速充電施設「Audi charging hub(アウディチャージングハブ)」がオープンした。蓄電池を備えた超急速EV充電器2基4口の急速充電施設で、最大150kWでの超高速充電が可能となっている。アウディ全体で7番目、ヨーロッパ以外では初となる新たな充電拠点に注目が集まる。

必要な時に短時間で。プレミアムな充電体験をすべてのEVユーザーに提供

東京都千代田区の都心一等地に誕生した「アウディチャージングハブ紀尾井町」

アウディが東京都千代田区の紀尾井町にオープンさせた「Audi charging hub(アウディチャージングハブ)」は最大150kWの超急速充電を可能にするEV用の充電施設だ。同様の施設はヨーロッパでは既に展開されていて、今回の施設はアウディ全体で7番目、ヨーロッパ以外では初となる。

「アウディチャージングハブ紀尾井町」は、大容量蓄電池を備えた超高速EV充電器2基4口を備えた施設で、年中無休24時間利用可能だ。アウディユーザー以外のすべてのEVユーザーも施設を使用できるのことも大きな特徴となっている。

4台の充電スペースが用意され、超高速EV充電器2基4口が設置されている。充電器は高圧送電網に繋ぐことなく、358kWhの大容量蓄電池からEVに充電する仕組みとなっている。屋根にはソーラーパネルを備える。

「自宅で充電できない」都市部における電気自動車の課題解決に貢献

都市部のマンションでは、駐車場に充電設備がないためEVの購入を諦めているユーザーが多いという。そのような充電インフラが整っていない地域の課題を解決するために「アウディチャージングハブ紀尾井町」が誕生した。

なぜ、都心の一等地にEV充電専用の施設をオープンさせたのだろうか? それはアウディの考える電動化戦略によるものだという。

アウディは、EVをただ販売するだけにとどまらず、充電ネットワークの拡充にも注力し、ユーザーがEVを検討しやすい環境づくりに取り組んでいる。特に都市部のマンションなどでは、充電器を設置するスペースが限られ、「自宅で充電できない」「充電拠点不足」といった課題がEVの利便性の妨げとなっているという。また、充電の順番待ちや充電自体に要する時間を確保することは、ユーザーにとっての大きな負担となるため、「EVの充電にかかる時間が長い」ことも解決すべき重要な課題と考えている。

CHAdeMO規格に対応していて、アウディ以外のすべてのメーカーのEVで充電施設を利用することができる。

今回「アウディチャージングハブ紀尾井町」を開業する東京都千代田区の紀尾井町は、都心でも特にオフィスやホテル、商業施設、官公庁などが密集するロケーションでマンションも多いことから、電気自動車の充電を取り巻くこれらの課題が深刻化しやすく、急速充電拠点のニーズが高いエリアと判断し開業を決定したという。

都心のど真ん中という立地を活かして、充電中は近くのカフェや商業施設、隣接するアウディ販売店で時間を有効に使うことができるのも狙いだという。なお、2025年には紀尾井町に次いで東京の芝公園にもアウディチャージングハブのオープンを予定しているという。

東京にもオープン予定! アウディの新しい充電ステーション Audi charging hubとはなにか?

アウディ独自の充電ステーション、「東京にもオープン予定! アウディの新しい充電ステーション Audi charging hubとはなにか?」は、現在欧州に6ヵ所ある。そのうちのひとつ、ニュルンベルクで充電を体験してみた。電動化を進めるアウディが提供する「プレミアムな充電体験」と、それを支えるテクノロジーを取材した。 TEXT & PHOTO:鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)PHOTO & FIGURE:AUDI

2台同時に急速充電可能な蓄電池型EV充電器。太陽光パネルの電力も利用

様々な車種が充電を行うことを想定して、ケーブルは上部のレールで自由に動かすことができるようになっている。

アウディチャージングハブ紀尾井町で使用する充電器は、2023年1月20日に発表したパワーエックスとの事業提携に基づき、パワーエックス社製の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger(ハイパーチャージャー)」を採用している。今回の施設には超急速EV充電器が2基あり、1基につき2つのポートを持ち、2台同時の急速充電が可能となる。つまり最大で4台同時に充電ができる。

1台充電時の最大出力は150kW、2台同時の場合は1台当たり最大120kWの高出力で充電を行うことができる。例えば、航続距離100km分の充電を「Audi Q8 e-tron」なら約8.5分間、「Audi e-tron GT」なら約6.5分間と少ない待ち時間で充電することが可能となっている。

充電スペースは広々した設計になっていて充電作業がしやすい。1基につき2つのポート(1〜2番)を持ち、358kWhの大容量蓄電池から電力が供給される。

また、「アウディチャージングハブ」は急速充電が可能な充電ステーションなのに高圧送電網と繋がっていないという部分も大きなポイントだ。高圧電源からEVに直接充電するのではなく、EVのセカンドライフバッテリー(現状では研究・試作車から外したもの)を活用した、358kWhの大容量蓄電池からEVに充電する仕組みとなっている。

大容量蓄電への入力は50kWで行われており、高電圧送電網に繋げる必要がないため設置が容易であるとともに、電力需要の低い夜間の時間帯に大容量蓄電への充電を行うことで、地域の電力グリッドへの負荷を減らすことができる。今後は屋根に設置した太陽光パネルやクリーン電力を活用することで脱炭素に貢献しながら、電気自動車ユーザーにより高い利便性を提供していく考えだ。

また、オープン記念として、4月26日から6月30日まで1ユーザーにつき、期間中最大2回まで無料で充電ができるキャンペーンを展開する予定なので、ぜひアウディチャージングハブを体験してみてはいかがだろうか。

オープン記念の無料充電キャンペーンを展開中だ。無料体験終了後の決済方法(PCA会員以外)はQRコードを読み込んでWEB上での決済となっている。

「Audi charging hub紀尾井町」概要

所在地 :東京都千代田区麹町5丁目7番15
運営時間:年中無休 24時間利用可能
利用方法:充電器に設置の二次元コードをPCAアプリまたはスマートフォンのカメラで読み取ることで利用可能
利用料金:PCA月額会員は75円/分、PCA都度会員は200円/分、一般利用は250円/分
急速充電30分無料体験キャンペーン:2024年4月26日から6月30日(1ユーザーにつき、期間中最大2回まで)
公式サイト:https://www.audi.jp/e-tron/charging/ach/

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