マシンは空力性能からエンジン、サスペンション、冷却性能、電装関連に至るまで多角的に改良。辰己英治総監督にとっては最後のチャレンジ
参戦マシン「スバルWRX NBRチャレンジ2024」は、昨年と同様に2.0L以上2.6L未満のターボエンジン搭載車クラスである「SP4T」に参戦し、クラス優勝および総合順位上位を目指す。
全長約25km、高低差300mと起伏が激しく、天候も刻々と変化する世界一過酷と言われるコースで、「速く」かつ「意のままに操る」ために、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を核として、水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの基本レイアウトを活かしつつ、前回の参戦車両から、以下の性能を高めている。
【スバルWRX NBRチャレンジ2024主な改良点】
●フレキシブルパフォーマンスホイール:リムの最適形状追求による微少舵応答・限界性能向上
●空力関連:フロントアンダーパネル、リヤウイング等の見直しによる旋回性能の大幅向上
●エンジン:ヘッドボルト・ヘッドガスケット等の最適化による信頼性向上、出力向上、熱効率改善
●サスペンション:フロントサスペンション構成部品の耐久性、信頼性向上
●エキゾースト:エキゾーストマニホールド材料・構造の最適化による高温強度・耐久性向上
●冷却関連:エンジン冷却水経路見直しによる信頼性向上
●電装関連:発電関連部品の信頼性向上とベルトレイアウト変更による信頼性向上と軽量化
チーム総監督は辰己英治、監督は沢田拓也、車両製作をとりまとめる技術監督は渋谷直樹が担当。ドライバーは、カルロ・ヴァン・ダム(オランダ)、ティム・シュリック(ドイツ)、佐々木孝太(日本)、久保凜太郎(日本)の布陣で挑む。なお、2008年からニュルブルクリンク24時間レースに参加してきた辰己英治は、今回のレースがラストチャレンジとなる。
※文中敬称略
また今年も全国のスバル販売店から選抜された8名のメカニックがチームに参加し、レースをサポートする。販売店メカニックの海外自動車レースへの参加は、メカニックの技術力向上により、カスタマーにカーライフの「安心と愉しさ」を届けることを目的に1990年より継続している。