トヨタは現在、真のGRパフォーマンスSUV開発を検討していることがわかった。
これはGAZOO Racing(GR)カンパニーの高橋智也社長が、海外メディアに「一部の顧客はスポーティなモデルを必要としているが、その実用性からSUVを望んでいる」と、語ったことが発端となっている。
GR部門は最近絶好調で、スポーツカー(GR86やGRスープラ)や、ホットハッチ(GRヤリスやGRカローラ)シリーズを提供している。 しかし、高橋社長は今の時代、これらに加えてパフォーマンスの高いSUVの需要があり、パフォーマンスを犠牲にすることなく、広くて実用的な車両を求める顧客に応える必要があると考えている。
トヨタは欧州で2022年にミッドサイズSUV「RAV4」に新グレードとなる「GR SPORT」を導入。日本市場では、ヤリスクロス、C-HRなど多數のモデルに設定されている。しかし、これらはパワーの向上とより積極的な美学を特徴とする本格的なGRバージョン比較するとはるかにマイルドであり、GRバージョンはより強力でシャープな走りを提供してくれる。
オーストラリアのメディアに対し、高橋社長は「私の観点からすると、将来的には“GR SUV”が必要です。 家族がいる、またはスペースが必要なため、SUVしか使用できない人もいます。 私たちのブランドを拡大するには、おそらくSUVが不可欠でしょう」 と語ったようだが、新製品の開発に関しては会社のリソースが限られているため、優先順位を付ける必要があるとも述べている。
どのモデルが最初に登場するかは明言しなかったが、ランドクルーザー250や300シリーズのようなラダーフレームSUVは、オフロード性能を損なう可能性があるため、オンロードでのハンドリングを向上させるためのチューニングがより困難となる。したがって、よりコンパクトなヤリスクロスを筆頭に、C-HR、カローラクロス、RAV4あたりが有力と言えそうだ。
GR SUVが登場する場合、パワートレインはGRヤリスとGRカローラと同様に、最高出力は300ps以上を発揮する1.6L直列3気筒ターボエンジンとAWDシステム「GR Four」は必須となるだろう。
コンパクト・パフォーマンスSUV市場では、フォルクスワーゲン「T-Roc R」、MINI「カントリーマンJCW」、メルセデスAMG「GLA 35」など強力なライバルたちが存在しており、GR SUVはそれらと対峙していくことになるだろう。