連載

今日は何の日?

■欧州志向の俊敏な走りで人気を獲得したパルサー

1978年(昭和53)年5月29日、日産初の小型FF車「チェリー」の後を継いだ「パルサー」がデビュー。2代目「チェリーF-II」のモデルチェンジでパルサーを名乗り、欧州車を意識したシャープな直線基調のスタイリングと俊敏な走りで人気を獲得した。

日産・パルサー
1978年にデビューした「パルサー(4ドアセダン)」。欧州市場を指揮したシャープなスタイリング

●日産初のFF車チェリーを大きくした2代目チェリーF-II

日産初のFF「チェリー」
1970年に誕生した日産初のFF「チェリー」

チェリーは、1970年に日産初の小型FF車として誕生。アイラインウインドウと呼ばれた個性的なウエストラインからCピラーへのラインが特徴のセミファストバックの個性的なスタイリングで、1971年にはリアクォーターのロングテールが特徴のクーペも追加、若者から人気を集めた。
エンジンは、サニーの1.0L&1.2L直OHVを横置きに変更し流用、トランスミッションは3速&4速MTを用意。注目のFFレイアウトは、トランスミッションをエンジンの下に配置する、現在では非常に珍しい“イシゴニス式”が採用された。

チェリーF-II
1974年にデビューした2代目チェリー「チェリーF-II」

1974年には、モデルチェンジし2代目となり、チェリーF-IIを名乗った。2ドア/4ドアセダンとファストバッククーペが用意され、初代よりもボディは大きく、装備も豪華になり、同時にエンジンも拡大され、1.2Lと1.4L直4 OHVの2本立てとなった。

●チェリーF-IIの後継車としてパルサー誕生

日産・パルサー
日産・パルサー

1978年のこの日、チェリーF-IIの後継モデルとしてパルサーがデビューした。
“パルサー・ヨーロッパ”のキャッチコピーの通り、欧州車を意識したシャープな直線基調のスタリングが特徴。当初は、4ドアファストバックの2ボックススタイルだったが、4ヵ月後に3ドアハッチバックとクーペがラインナップに追加された。
パワートレインは、昭和53年排ガス規制をクリアした1.2L&1.4L直4 OHVと4速および5速MTの組み合わせを基本とし、1.4L搭載モデルには“日産スポーツマチック”を設定。これは、2ペダル仕様のいわゆる自動MTである。

日産・パルサー
ファストバックスタイルの「パルサー」のリアビュー

車両価格は、1.2Lが77.4万~87万円、1.4Lが94.5万&101.3万円。当時の大卒の初任給は10.3万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算で現在の価値では1.4Lが約211万&226万円に相当する。

日産・パルサー
1980年のパルサー・セダン1200TS

欧州車風のスタイリングと俊敏な走りのパルサーは、日欧で人気を獲得し、大ヒットとはいかないまでもワールドカーとして堅調な販売を続けた。

●モータースポーツで大活躍したパルサー

パルサーGTI-R
1990年に登場したWRC(グループN)を制覇した「パルサーGTI-R」

基本的には小型大衆車のパルサーだが、モータースポーツのベース車として活躍し、1981年には英国RACラリーに参戦も果たしている。極めつけは、4代目(N14型)のトップグレードとして1990年にデビューした「パルサーGTI-R」だ。

パルサーGTI-R
パルサーGTI-R 1991年アクロポリスラリー出場車、D・ルウェリン/P・デュークマン組のマシン

WRC参戦を前提とし開発された3ドアハッチバックで、最高出力230psを誇った2.0L直4 DOHCターボエンジン「SR20DET型」を搭載。トランスミッションは5速MTのみで、路面や走行状況に応じてトルクを制御するアテーサ(ATTESA)4WDが採用された。
WRCに参戦した期間は2年と短く、グループAでは成績を残せなかったものの、グループNでは年間タイトルを獲得した。また、数々の国内ラリーやレース、ダートトライアルでも活躍を見せ、ファンの間では通称「I-R(アイアール)」と呼ばれ、今もなお多くのクルマ好きに愛されている。

・・・・・・・
個性的だった日産初のFF小型車チェリー、それを引き継いだパルサー。しかし、1981年に兄貴分のサニーもFF化されたことから、何となく兄弟車のようになって棲み分けがハッキリしなくなってしまい、2000年にその役目を終えた。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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