パドックでは木曜日からの走行に向け、すでに各チームが設営を終えるとともに、車検などの公式スケジュールが粛々と進んでいる。気になる日本勢は、今年は自動車メーカーのワークスチームとしてはSUBARU/STIチームの参戦のみだ。
いっぽう、ファルケンタイヤはFALKEN Motorsportsとして2台のPorsche 911 GT3Rを投入し総合優勝を狙うほか、SUBARU/STIチームのWRX S4にもタイヤを供給する。さらに、サッカー元ドイツ代表マックス・クルーゼ選手のチーム「Max Kruse Racing」、そして「Team BILSTEIN by BLACK FALCON」へ新たにサポートも行う。さらには大会オフィシャルスポーンサーとして運営にも協力を行なう。
また、日本人最多出場、最高位記録を保持する木下隆之選手はトーヨータイヤGRスープラGT4で参戦だ。
そんな日本勢のひとつ、SUBARU/STIチームのガレージテントを訪問した。
東京オートサロンで辰己英治総監督が勇退を表明。また、今年はスーパーGT鈴鹿戦とスケジュールがバッティングしたこともあって、ドライバーラインアップが大きく変更となる。カルロ・ヴァンダム選手とティム・シュリック選手に加え、ニュル走行経験が豊富な佐々木孝太選手、ニュルブルクリンク24時間レースはルーキーとなる久保凜太郎選手の4名体制だ。
そうしたなか、シート合わせを終えた佐々木孝太選手に意気込みを聞いた。
ーいよいよ2024年のニュルブルクリンク24時間レースが始まりますね。
佐々木孝太:まずは今回、辰己総監督が最後のニュルブルクリンク24時間レースということで、『辰己さんのために』というのがチームの想いです。そして、このWRX S4は最初のシェイクダウンからテストさせてもらっていますが、日本でずっとやってきたテストのフィーリングと、 今回このニュルブルクリンクで走るフィーリングがどれだけマッチしているのかを自分で確認できるということがすごく楽しみです。すでにカルロ選手と久保凛太郎選手がニュルでは乗っていて、とても良いコメントをもらっている一方で、まだ自分はニュルで乗っていないので、本当にそうなのかという不安も自分の中では多少はありますね。いずれにしても、自分がつくってきたクルマをニュルで確かめるという素晴らしいチャンスをもらえて、すごく有難いです。
ー2022年のニュルブルクリンク24時間レース以来のニュルとなりますね?
佐々木孝太:2022年のニュルが(自身の)クラッシュで終わっていて、それ以来のニュル。恐怖感は自分の中では全然ないんですが、 あらためてあのコーナーに自分が行ったときにどう思うのかな……という気持ちにならなくもないですね。でも、何より自分が育ててきたS4がどんなペースで走ってくれるのか。他の選手たちがどういうコメントをしてくれるのかというのも楽しみです。でも、、、ドキドキするな。。。
2022年のリベンジ、辰己総監督のラストニュルといったプレッシャーのかかる24時間レースとなる佐々木孝太選手。クレバーかつ冷静な走りでチームをゴールまで導いてほしい。
(PHOTO&TEXT:渡辺文緒)